第214回:デザイナーの夢かエゴか、「タッチパネル」について考える

2011.10.07 エッセイ

第214回:デザイナーの夢かエゴか、「タッチパネル」について考える

英国でボクが借りた「フォルクスワーゲン・ポロ」に付いていたラジオ。
第214回:デザイナーの夢かエゴか、「タッチパネル」について考える

エアチェック野郎の未来感

今回は「タッチ」について考える巻である。といっても、あだち充氏の漫画ではない。
ボク同様1960年代半ば生まれの人なら、中学・高校生時代に「フェザータッチボタン」を備えたオーディオが流行していたのをご記憶だろう。「フェザー」とは「feather」、つまり羽根のこと。羽根のように軽いタッチで操作できるボタンのことである。

その当時ボクは親に泣きついて、普通の機械式ボタンのものよりも高いソニーのフェザータッチ式カセットデッキを買ってもらった。実際の使い心地はどうかというと、なにかの拍子に触って誤作動させてしまうことがたびたびあった。とくに好きな曲をエアチェック(FM放送などから音楽をテープに録音すること。死語ですね)をするときなど、興奮のあまり手が震えるので、さらに誤って動かしてしまうことが多かった。
しかし単純なボクは、このボタンの感触こそ未来感覚と信じ込み、自慢で使っていたものだ。

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大矢 アキオ

大矢 アキオ

コラムニスト。国立音楽大学ヴァイオリン専攻卒にして、二玄社『SUPER CG』元編集記者、そしてイタリア在住20年という脈絡なき人生を歩んできたものの、それだけにあちこちに顔が広い。今日、日本を代表するイタリア文化コメンテーター。10年以上にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストをはじめラジオでも活躍中。『Hotするイタリア』『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『カンティーナを巡る冒険旅行』『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(ともに光人社)、電子書籍『イタリア式クルマ生活術』(NRMパブリッシング)など数々の著書・訳書あり。