艶やかな反面、素朴なクルマが弱いイタリアブース【フランクフルトショー2011】

2011.09.18 自動車ニュース
「フェラーリ458スパイダー」
艶やかな反面、素朴なクルマが弱いイタリアブース【フランクフルトショー2011】

【フランクフルトショー2011】艶やかな反面、素朴なクルマが弱いイタリアブース

イタリアンブランドとクライスラー/ダッジ、つまりフィアットグループ各社が入るホール6は、フランクフルトショーの会場内でも他とは明らかに違った雰囲気を醸し出していた。


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「マセラティ・クーバン」
「マセラティ・クーバン」

■リトラクタブルハードトップ採用、「フェラーリ458スパイダー」

このホール、簡潔に言えば華やか。ブースの調度も照明の当て方もそうだし、なんといっても女性が艶やかなのだ。
いやいや、それだけが理由ではない。主役のクルマの漂わせる濃厚な色香。それこそが最大の理由というべきだろう。その筆頭がフェラーリ。今回、舞台中央を飾ったのはワールドプレミアとなった「458スパイダー」である。

驚くべきことに、「348」以来、歴代V8モデルに用意されたスパイダーが、いずれもソフトトップルーフを使っていたのに対して、458スパイダーはアルミ製のリトラクタブルルーフを採用している。しかし2シーターということもあってスタイリングには一切の破綻がなく、素晴らしくスポーティ。開閉時間も14秒と短く、しかも重量は従来のソフトトップより軽いというのである。これは最高にソソる1台だ。
ちなみに「458イタリア」ともども、走りを磨き上げるべくダンパーやマネッティーノの制御に手が入れられているという。このあたりも早く確かめてみたいところである。

「マセラティ・グランカブリオ フェンディ」
「マセラティ・グランカブリオ フェンディ」
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■ついに登場、マセラティのSUV

もっとも妖艶(ようえん)なムードを漂わせていたのがマセラティのブースだ。目玉は同ブランド初のSUVのコンセプトとなる「クーバン」。これまでうわさは絶えなかっただけに、正直言ってもう少し早く出ていたらという気はしないでもないが、個性的な姿はそれでも十分新鮮味がある。新世代とうたわれるV型8気筒エンジンと8段ATを組み合わせたパワートレインをはじめ、走りに関する部分にもマセラティらしい色気が漂うようであれば、これは楽しみだ。

もう1台、「グランカブリオ フェンディ」は、ファッションブランド「フェンディ」とのコラボレーションで生まれたモデルで、特別なボディーカラー、シート地、各所に入れられたダブルFのロゴにイエローの挿し色などによって全身コーディネートされている。専用のバッグ、さらにはダブルFのロゴ入りボディーカバーまで用意されるという。

「アルファ・ロメオ4Cコンセプト」
艶やかな反面、素朴なクルマが弱いイタリアブース【フランクフルトショー2011】

■ちょっと心配な、アルファ・ロメオの戦略

アルファ・ロメオはジュネーブショーで発表した「4Cコンセプト」を再び登場させた。ただしボディーカラーには新たにフルードメタルを採用。ちょっと違った雰囲気を漂わせている。

個人的には、軽量コンパクトな後輪駆動のアルファ・ロメオの走りには非常に興味がある一方、最近のスポーツモデルのトレンドを寄せ集めたような姿は、それほどピンと来ない。しかも事前のうわさでは今回は市販版が公開されるのではないかといわれただけに、肩すかしという感はある。鮮度の落ちないうちに次の展開に移ってくれることを期待したいが、はたして今のアルファ・ロメオはこういうプロダクトに注力している場合なのだろうか? 当初は夏前にも日本上陸といわれたTCTの「ジュリエッタ」は今も来る気配を見せないぐらいなのに……。

新型「フィアット・パンダ」
艶やかな反面、素朴なクルマが弱いイタリアブース【フランクフルトショー2011】

■「フィアット・パンダ」がモデルチェンジ

最後はフィアット。新型「パンダ」がデビューを飾った。基本的なメカニズムやパッケージングは現行型を踏襲しながら、スタイリングをやや丸みを帯びたものに改めている。しかし新たな提案があるわけではなく、初代パンダ以来のシンプルな雰囲気は薄れてしまった。昔はこういうクルマこそイタリアはうまかったのに……。唯一の楽しみは、これはパンダに合っていそうな2気筒ツインエアエンジンの投入だ。

ホールに足を踏み入れた途端にむせ返るような艶やかな雰囲気は悪くない。しかし、それは素朴なイタリアの(クルマの)元気がないのと背中合わせなのかも……と思うと、ちょっと複雑な気分になった。そんな今回のイタリア車達である。

(文と写真=島下泰久)

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