トヨタ、低炭素社会実現への取り組みを報告

2017.07.12 自動車ニュース
説明会に臨む、トヨタ自動車の友山茂樹専務役員。
説明会に臨む、トヨタ自動車の友山茂樹専務役員。

トヨタ自動車は2017年7月12日、横浜市や岩谷産業、東芝など8団体と合同で、低炭素社会の実現に向けた実証実験の途中経過を報告した。7月13日からは、プロジェクトの本格運用を開始する。

風力を元に水素の形でエネルギーを蓄積、最終的に電力として社会に供給するシステムのフロー。説明会のスライドから。
風力を元に水素の形でエネルギーを蓄積、最終的に電力として社会に供給するシステムのフロー。説明会のスライドから。
風力発電施設「ハマウィング」(写真奥)。みなとみらいから約1.5kmの横浜市神奈川区内に建設された。風車の高さ(最高到達点)は118mで、定格出力は1980kW。
風力発電施設「ハマウィング」(写真奥)。みなとみらいから約1.5kmの横浜市神奈川区内に建設された。風車の高さ(最高到達点)は118mで、定格出力は1980kW。
実証実験で用いられている水素製造安定化システム(写真)は、ハイブリッド車「トヨタ・プリウス」の使用済みニッケル水素バッテリーを180個内蔵。「ハマウィング」が停止した場合でも、2日分の水素を供給できる。
実証実験で用いられている水素製造安定化システム(写真)は、ハイブリッド車「トヨタ・プリウス」の使用済みニッケル水素バッテリーを180個内蔵。「ハマウィング」が停止した場合でも、2日分の水素を供給できる。
実証実験では、豊田自動織機の燃料電池フォークリフトを使用。キリンビールの横浜工場を含む4カ所の施設で、計12台が運用されている。水素の充填時間は約3分で、約8時間稼動する。
実証実験では、豊田自動織機の燃料電池フォークリフトを使用。キリンビールの横浜工場を含む4カ所の施設で、計12台が運用されている。水素の充填時間は約3分で、約8時間稼動する。
燃料電池フォークリフトの運用管理システムのイメージ。稼動している12台それぞれの水素残量が表示されている。
燃料電池フォークリフトの運用管理システムのイメージ。稼動している12台それぞれの水素残量が表示されている。

水素で自然エネルギーが生きる社会を

この実証実験は、風力発電で得たエネルギーを水素として蓄え、社会に安定供給できるようにするための試み。環境省の委託を受け、2015年から2018年までの4カ年計画で、官・民・学が一体となって取り組んでいる。

将来的な目標とされる低炭素社会では、風力や水力をはじめとする自然エネルギーの活用が期待されるが、これらは季節や気象条件により安定供給が難しい。そのため大規模な蓄電・蓄エネルギーが求められており、媒介物としては、コスト面で水素が優位な可能性があるという。さらに、さまざまな1次エネルギーから製造できること、輸送可能であることからも、低炭素社会の実現に際して、水素および燃料電池車の活用に目が向けられている。

そのための実証実験は現在、全国5カ所で行われているが、今回中間報告が行われたのは、横浜市と川崎市を含む京浜臨海部を舞台とする例である。

説明会では、事業の取りまとめを行うトヨタの友山茂樹専務役員があいさつに立ち、横浜市の風力発電施設「ハマウィング」が生み出した電力が、水素製造安定化システムや水素貯蔵・圧縮装置などを経て水素の形で蓄えられ、さらに簡易型水素充填(じゅうてん)トラックを使ってさまざまな企業の輸送機器(燃料電池フォークリフト)に供給される様子を紹介した。

また、「現状では水素の配送トラックがハイブリッド車であるため、プロジェクト全体のCO2排出量がゼロではない(通常の80%減にとどまっている)点を改善する」「水素は、需要を予測してジャストインタイムでデリバリーする必要がある」「将来の普及時には、水素の充填コストを実証実験の半分以下にする」といった点も、課題として挙げた。

参加団体はこの先2年間の本格実証の中で、これらの問題解決に取り組み、将来の低炭素水素社会の実現に寄与したいとしている。

(webCG)

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