EVのフルライン化進む メルセデス・ベンツブース 【フランクフルトショー2011】

2011.09.15 自動車ニュース
広大なブースで数多くの世界初公開モデルを披露したメルセデス・ベンツスタンド。
EVのフルライン化進む メルセデス・ベンツ ブース 【フランクフルトショー2011】

【フランクフルトショー2011】EVのフルライン化進む メルセデス・ベンツブース

とにかく規模・大きさが半端ではないフランクフルトモーターショー。とくに、地元ドイツ勢はその傾向が顕著で、2つのメーカーがブースの中にコースを設けてクルマを走らせていると聞けば、その尋常じゃなさ加減をおわかりいただけるはずだ。

燃料電池パワートレインを採用する次世代高級車のコンセプトモデル「メルセデス・ベンツ F125! リサーチ ヴィークル」。
EVのフルライン化進む メルセデス・ベンツ ブース 【フランクフルトショー2011】

メルセデス・ベンツもそのひとつで、展示スペースはテニスコートが4面は入るのでは? という大きな建物を占有し、さらにその中を3階構造にし、3つのフロアを構成する。ちょっとしたミュージアム感覚だ。

今年のメルセデス・ベンツには出展車以外にもサプライズがあった。9月14日に会見が行われた日産&ルノーとの業務提携がそれだ。日産およびルノーとともに電気自動車を共同開発し、メルセデス・ベンツは「スマート」を、ルノーは「トゥインゴ」をベースとした電気自動車(EV)を2014年に発売するという。ルノーがトゥインゴで展開するということは、もしかすると「フォーツー」だけではなく、「フォーフォー」の後継車が新たにEVを引っ提げて再登場するのかもしれない。いずれにせよ、ビッグニュースだ。

さて、ここからようやく、モーターショー出展車のお話です。


EVのフルライン化進む メルセデス・ベンツブース 【フランクフルトショー2011】の画像

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新型「メルセデス・ベンツBクラス」
新型「メルセデス・ベンツBクラス」

■最先端が詰まった「F125! リサーチ ヴィークル」

今年のメルセデス・ベンツの目玉は自動車生誕125周年にちなんで名付けられた「F125! リサーチ ヴィークル」である。メルセデス・ベンツがスゴイのは、自動車の生誕と彼らのスタートがイコールなところ。時を同じくして自動車を発明したゴットリープ・ダイムラーとカール・ベンツの両名がメルセデス・ベンツの起源となる人だから当たり前のことなのだが、自動車の歴史はメルセデス・ベンツの歴史でもあるのだ。

脱線ばかりでスミマセン。で、F125! リサーチ ヴィークル。このクルマは燃料電池をパワートレインに持つ、大型セダンのコンセプトカーだ。大型のガルウイングはコンセプトカー特有のギミックだろうが、クーペ風のフォルムやデザインのディテールはおそらく次期「Sクラス」を示唆したものだろう。

技術的なトピックは、水素を貯蔵するタンクをボディ構造と一体化させて床に配したこと。現状の燃料電池車両の多くは、水素を入れる大きなボンベをいくつも搭載しなくてはならない。そのスペースをかせぎ出すために、全長を長くしたり、背を高くしたりすることで対処しているのだが、このコンセプトカーの方法ならその悩みを一気に解消できるのだ。F125! リサーチ ヴィークルでは7.5kgの水素を搭載することで、航続距離は1000kmに及ぶという。

また、新型「Bクラス」も今回のショーのワールドプレミアだ。スタイリングは従来型同様、背の高いモノスペース風のフォルムを採用しつつ、より精悍(せいかん)で男性的なイメージが強められた。

以前ニュースでご報告したとおり新型Bクラスの特徴は、初代「Aクラス」から用いられるようになった件(くだん)のサンドイッチ構造から、ごく普通のFFプラットフォームに変更されたことだ。これにより着座位置は高いのに、足はスポーツカーのように前に投げ出すといった特異なドライビングポジションが改善された。実際に座ってみると、後席は若干高めだが、前席に関してはもはや違和感をおぼえることはない。普通のFF車だ。実用車にはない、プレミアムブランドにふさわしい上質感溢れるインテリアデザインも魅力のひとつである。

「メルセデス・ベンツBクラス E-CELLプラス」
「メルセデス・ベンツBクラス E-CELLプラス」
「スマート・フォービジョン」
「スマート・フォービジョン」

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■スマートからもEVコンセプトが登場

また、新型Bクラスをベースにしたレンジエクステンダー(発電用エンジン)付きEVのコンセプトカー、「Bクラス E-CELLプラス」も同時にお披露目された。このクルマは最大100kmの走行が可能なリチウムイオンバッテリーと発電用の1リッター直列3気筒エンジンを組み合わせたシリーズハイブリッド。トータルの航続距離は600km、2014年からの市販を予定しているという。なお、バッテリーは足元の下に置かれるため、リアシートが通常のBクラスとは異なる高床式となる。もちろん、ヒップポイントも上げられているので、居住性に支障はきたしていない。

一方、スマートは「フォービジョン」と呼ばれるEVのコンセプトカーを出展した。2011年のジュネーブショーに出展されていた「フォースピード」の進化版で、フォースピードがオープンタイプのスピードスターだったのに対し、フォービジョンでは屋根のあるハッチバックタイプに変更された。おそらくエクステリアとインテリアは3代目フォーツーの雛形であることは間違いない。エクステリアは現行型よりも全高が低くスタイリッシュ。抑揚が効いたパネルはエレガントなイメージを作り出すことに成功している。技術面ではドイツの化学メーカー、BASFの技術を取り入れた有機化学染料の太陽電池をルーフに搭載。また、世界初の完全プラスチック製ホイールの採用もトピックだ。

このほか、3代目に生まれ変わった新型「Mクラス」や「SLSロードスター」、新エンジンを搭載した「SLK55 AMG」「C63 AMGクーペ ブラックシリーズ」、進化版スマート・フォーツーのEV仕様「スマート・エレクトリックドライブ」など内容盛りだくさん。メルセデス・ベンツブースだけ十分お腹一杯といった感じだ。

(文と写真=新井一樹)

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