【SUPER GT 2017】Epson Modulo NSX-GT、鈴鹿1000kmを制す

2017.08.28 自動車ニュース
SUPER GT第6戦に勝利した、ベルトラン・バゲット/松浦孝亮組のNo.64 Epson Modulo NSX-GT。
SUPER GT第6戦に勝利した、ベルトラン・バゲット/松浦孝亮組のNo.64 Epson Modulo NSX-GT。

2017年8月27日、SUPER GTの第6戦が鈴鹿サーキットで開催され、GT500クラスはNo.64 Epson Modulo NSX-GT(ベルトラン・バゲット/松浦孝亮)が、GT300クラスはNo.65 LEON CVSTOS AMG(黒沢治樹/蒲生尚弥)が勝利した。

GT500のスタートシーン。No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rを先頭に、長い戦いの火ぶたが切って落とされた。
GT500のスタートシーン。No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rを先頭に、長い戦いの火ぶたが切って落とされた。
2位でレースを終えた、松田次生/ロニー・クインタレッリ組のNo.23 MOTUL AUTECH GT-R。
2位でレースを終えた、松田次生/ロニー・クインタレッリ組のNo.23 MOTUL AUTECH GT-R。

例年以上にヒートアップ

今年で46回目を数える伝統の耐久レース、“鈴鹿1000km”がその歴史にピリオドを打ち、来年からはGT3マシンを主体とする“鈴鹿10時間”に生まれ変わることになった。

1966年に第1回が開催された当時、鈴鹿1000kmは市販車ベースの競技車を中心とするレースだった。ちなみに第1回大会のウィナーは「トヨタ2000GT」で、1000kmを走りきるのに8時間2分を要した。それが2006年からはSUPER GTの一戦に組み込まれ、“世界最速のGTカー”と称されるGT500クラスのマシンがエントリー。近年はレース時間が6時間を切るまでに“高速化”し、このため耐久レースとしての要素が薄まったと鈴鹿サーキットを運営するモビリティランドは判断するようになっていた。そこで来年以降は決勝を10時間レースとして耐久色を強める決定を下したのだ。

なお、その主役にGT3マシンを選んだのは、このカテゴリーが最長24時間レースまでを視野に入れた耐久性を有していることと、GT3であれば参入できる自動車メーカーも多く、世界中からチームを招聘(しょうへい)できることに理由があったようだ。

一方、本大会にはF1ドライバーのジェンソン・バトンがTEAM MUGENから、元F1ドライバーの小林可夢偉がLEXUS TEAM WedsSport BANDOHから、それぞれスポット参戦。さらにモビリティランドが“SUZUKA 1000km THE FINAL”と銘打って大々的にプロモーションを打った効果もあり、決勝日には4万5000人もの観衆を集める盛況ぶりとなった。

3位もホンダ勢。No.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/伊沢拓也)が表彰台にのぼった。
3位もホンダ勢。No.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/伊沢拓也)が表彰台にのぼった。
GT500クラスの表彰式。NAKAJIMA RACINGにとっては、SUPER GTで10年ぶりの勝利となった。
GT500クラスの表彰式。NAKAJIMA RACINGにとっては、SUPER GTで10年ぶりの勝利となった。
レース後は、鈴鹿1000km名物の花火が夏の夜空を彩った。
レース後は、鈴鹿1000km名物の花火が夏の夜空を彩った。

予想を裏切る大差の勝利

レースの内容も期待にたがわないエキサイティングなものとなった。予選で上位を占めたのは、ポールポジションのNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(佐々木大樹/J.P・デ・オリベイラ)を筆頭に、ポイント争いで中位グループ以下に名を連ねているチーム。彼らはハンディウェイトが軽いことを利して、上位グリッドを手に入れたのだ。

いつもは苦戦を強いられているNo.64 Epson Modulo NSX-GTが予選で4位に入ったのも、ハンディウェイトがわずか6kgと軽いことに最大の理由があると多くの者が考えていた。ただし、予選はハンディウェイトの軽さでどうにかなっても、1000kmレースで上位に食い込むには本当の意味でチームに実力が備わっていなければならない。とりわけ、彼らが装着するダンロップタイヤはコンディションがうまくはまればめっぽう速いが、そうでなければ上位進出を望めないことはこれまでの実績が物語っている。したがってレースが進行するにつれて徐々に順位を落とすだろうというのが大方の予測だった。

ところが、No.64 Epson Modulo NSX-GTはレース序盤だけでなく、中盤以降も安定したペースでレースをリード。同じホンダ陣営でトップ争いを演じていたNo.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/小暮卓史)がレース終盤にタイヤのパンクでリタイアに追い込まれると、No.64 Epson Modulo NSX-GTは2番手以降を大きく突き放し、最終的には2位のNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)に12秒の大差をつけて勝利したのだ。そして山本尚貴が驚異的な追い上げを演じたNo.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/伊沢拓也)が6番グリッドから3位表彰台を勝ち取った。

なお、本大会は当初173ラップを周回する予定だったが、これとは別に、なんらかの理由で午後6時28分までに173ラップを周回できなかった場合には、それ以降にトップがフィニッシュラインを通過した段階でチェカードフラッグが振り下ろされるルールとなっていた。今回はこの規則が適用され、1000kmまであと2周足りない171ラップでフィニッシュを迎えることになった。

激戦はGT300クラスでも繰り広げられた。レース中盤以降はタイヤ交換を2スティントに1回に減らしてロスタイムを抑えたNo.25 VivaC 86 MC(松井孝允/山下健太/近藤 翼)が首位を堅持していたが、レース終盤に入るとNo.65 LEON CVSTOS AMGが猛追。149周目にNo.25 VivaC 86 MCをオーバーテイクしてトップに立つと、そのまま逃げ切って今季初優勝を果たした。なお、抜かれたNo.25 VivaC 86 MCはその後、逆バンク付近で横転する大クラッシュを起こしてリタイア。このため、No.88 マネパ ランボルギーニ GT3(織戸 学/平峰一貴/山西康司)とNo.87 ショップチャンネル ランボルギーニ GT3(細川慎弥/佐藤公哉/元嶋佑弥)のウラカンコンビが2、3位で表彰台に上ることになった。

次戦はタイ・ブリラムのチャーン・インターナショナル・サーキットで10月7、8日に開催される。

(文=大谷達也<Little Wing>/写真提供 GTA)

関連キーワード:
SUPER GT 2017モータースポーツ自動車ニュース

あなたにおすすめの記事
新着記事