第440回:「止める力」がさらに長く続く
ミシュランの新しいスタッドレスタイヤ「X-ICE3+」を試す

2017.09.21 エディターから一言
テストの舞台は北海道士別市の交通科学総合研究所。さまざまな氷雪路で、ミシュランの新製品「X-ICE3+」の実力を探った。
テストの舞台は北海道士別市の交通科学総合研究所。さまざまな氷雪路で、ミシュランの新製品「X-ICE3+」の実力を探った。

ミシュランが去る6月に発表したスタッドレスタイヤの新製品「X-ICE3+(エックスアイス・スリープラス)」の特徴は、従来にも増して強化された氷上ブレーキ性能にあるという。その実力はどれほどのものなのか。北海道は士別市のテストコースに向かった。

「ミシュランX-ICE3+」のラインナップは15~18インチの全15サイズ。2017年6月26日に発表され、8月1日から順次販売が開始された。価格はオープン。
「ミシュランX-ICE3+」のラインナップは15~18インチの全15サイズ。2017年6月26日に発表され、8月1日から順次販売が開始された。価格はオープン。
トレッドパターン自体は従来製品「X-ICE3」のものを引き継いでいるが、「表面再生ゴム」と呼ばれる新コンパウンドが採用されている。
トレッドパターン自体は従来製品「X-ICE3」のものを引き継いでいるが、「表面再生ゴム」と呼ばれる新コンパウンドが採用されている。
「表面再生ゴム」の顕微鏡画像。
「表面再生ゴム」の顕微鏡画像。
「表面再生ゴム」の中に詰まった「Mチップ」のX線画像。Mチップの材料は明かされていないが、自然界に存在し、医療品や化粧品などにも使用されている、人体や環境へ影響を及ばさない物質という。
「表面再生ゴム」の中に詰まった「Mチップ」のX線画像。Mチップの材料は明かされていないが、自然界に存在し、医療品や化粧品などにも使用されている、人体や環境へ影響を及ばさない物質という。

違いはMチップにあり

夏の暑さはどこへやら、北海道は大雪山連峰の旭岳では、紅葉がもう(9月の4週目に)ピークに達しているそうである。なんだか今ひとつシャキッとしなかった今年の夏は、いよいよ本当に終わってしまった、ということのようだ。

そしてもうあと1カ月もすれば、北海道の各地から初雪が報告されるだろう。いよいよスタッドレスタイヤの季節の到来である。今年も各メーカーとも強力な新製品を用意して商戦に備えているようだが、ミシュランはX-ICE3+でそれを迎え撃つ構えだ。

X-ICE3+は、従来製品の「X-ICE3」の総合性能を維持しながら、氷上性能を向上させた新製品という位置付けである。両製品はトレッドパターンが一緒であるなど、見た目こそ大きな違いはない。しかし、タイヤの基本性能を決めるコンパウンド(タイヤのトレッド部に使われる複合ゴムのこと)が異なっている。

今回新たに採用された「表面再生ゴム」の中には、「Mチップ」と呼ばれる、白い粒状の物質が詰まっている。そしてタイヤの摩耗が進むとこのMチップが溶け出して、タイヤの表面に無数の穴が現れる。この穴が氷の表面にある水分を除去し、氷への密着を促すという仕組みだ。

ミシュランのスタッドレスタイヤは従来のX-ICE3からサイプ(溝)が深く、40%摩耗時でもトレッド面が“同じ顔”であることがうたわれていた。これはすなわち、スタッドレスタイヤに必要とされる雪柱せん断効果(雪を踏み固めて蹴り出す力)、エッジ効果(雪や氷をひっかく力)、接地面効果(路面に密着する力)が40%摩耗時でもほぼキープされているおかげで、氷上ブレーキ性能の低下が抑えられているという意味だ。

新製品のX-ICE3+ではこの特長に加えて、タイヤの表面に穴を再生し続けるMチップを新たに採用したため、氷上ブレーキ性能がさらに長期にわたって続くというわけである。従来のX-ICE3と比較して、新品時で4.5%、摩耗時(1万kmの実車走行で摩耗させた状態)で11.5%改善されているとのことである。

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