【スペック】全長×全幅×全高=3840×1670×1520mm/ホイールベース=2388mm/車重=1080kg/駆動方式=FF/0.9リッター直2SOHC8バルブターボ(85ps/5500rpm、14.8kgm/1900rpm)/価格=252万円(テスト車=263万5000円/オートエアコン=6万2000円/エクストラソリッドペイント=5万3000円)

ランチア・イプシロン 0.9 ツインエア(FF/5MT)【試乗記】

深い対話が楽しめる 2011.09.01 試乗記 ランチア・イプシロン 0.9 ツインエア(FF/5MT)
……263万5000円

フルモデルチェンジで3代目に生まれ変わった「イプシロン」。“あの”ツインエアを搭載する走りに、ランチアらしさは感じられたのか?

凝りに凝ったデザイン

新しいランチアを見るたびに、クルマのスタイリングには、まだやれることがたくさんあるのだなあ、という思いを強くする。この新型「イプシロン」、顔つきこそ兄貴分の「デルタ」と比べるとあっさりしている。でもそこを除けば、デルタに負けないほどワザありのデザインである。一見、3ドアハッチバックのようだが、よく見ると5ドア。リアのドアノブは一時期のアルファのようにCピラーに隠されている。ボディ側面の“えぐれ”はどことなく「フェラーリ612スカリエッティ」を思わせ、丸みを帯びつつソリッドな面でキュッと締め上げられたテールは、写真で見るよりずっと“シャガデリック”だ。

インテリアもランチアの常で、このクラスとしては異例といえるほど凝っている。メーターを中央に据え、比較的高い位置にシフトレバーを置くという基本的なレイアウト自体は先代型を踏襲しているが、デザインのタッチがデルタに似たソリッドでコンテンポラリーなものに改められており、ぐっと洗練された。ご覧のとおり、センターパネルには2DINタイプのフルナビを設置する場所などない。でもここまでしゃれたデザインなら、最近話題のスマホナビでいいじゃん、という人が出てきたっておかしくない。

車両のベースとなるシャシーについて、先代型では「フィアット・プント」用を短縮して用いていた。しかし、新型ではひとクラス下の「フィアット500(チンクエチェント)」用を延長しているそうだ。そういう出自もあってか、新型は歴代で一番長い全長を持つくせに、逆に全幅は一番狭く、5ナンバー枠に収まっている。そういえば運転席のヒップポイントが思いのほか高く、チンクエチェントに似た居住まいである。その一方でパワーウィンドウのスイッチなど、「アルファ・ミト」(こちらはグランデプントと共用)と同じと思われるパーツも散見でき、ミトの兄弟車か? という錯覚におちいる瞬間もある。

チンクエチェントと兄弟であることは、エンジンを見ればより明らかとなる。新型には875ccのツインエアユニットが搭載されているのだ。あの音と振動はチンクエチェントなら「カワイイ」で済んだが、プレミアムブランドのランチアではどう“言い訳”するのだろう? おそるおそるエンジンをかけてみた。

ボディサイドのラインがリアフェンダーを形成し、そこにリアコンビランプが配置される。「デルタ」と足並みをそろえた造形だ。テールランプにはライトガイド式のLEDが用いられている。
ボディサイドのラインがリアフェンダーを形成し、そこにリアコンビランプが配置される。「デルタ」と足並みをそろえた造形だ。テールランプにはライトガイド式のLEDが用いられている。
センターメーターはイプシロンの伝統。ピアノブラックに塗装されたセンターパネルが都会的で洗練された雰囲気をかもし出している。
センターメーターはイプシロンの伝統。ピアノブラックに塗装されたセンターパネルが都会的で洗練された雰囲気をかもし出している。
現在は5MT仕様しか設定されないが、輸入代理店となるガレーヂ伊太利屋は、来年早々にDFNと呼ばれる5ATの導入を予定している。
現在は5MT仕様しか設定されないが、輸入代理店となるガレーヂ伊太利屋は、来年早々にDFNと呼ばれる5ATの導入を予定している。

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