第68回:「沁みるような走りだ」

2017.11.21 カーマニア人間国宝への道

生産時の取り付けミス!?

赤い玉号の激軽ステアリングは、30年前の生産段階における、ステアリングシャフトの取り付けミスだったのかもしれない。

もちろん断定はできない。当時も今もフェラーリの新車は、かなりの距離をテスト走行した末に出荷しているので、テストドライバーがこのカルカルに気付かないはずはない……とも思うが、最初からだと考えた方がなんとなくウレシイ。

30年前のフェラーリなんてそんなもんッスよ~! だってワイン飲みながら作ってたんだから~! そう言ってみたいので。

実は、ワイン飲みながら作っていたのは、「ビトゥルボ」時代のマセラティだそうです。それを見た北方謙三先生は、「オレのマセラッティのパワーウィンドウがしょっちゅう故障するのは、コイツらのせいか!」とおっしゃったというが、フェラーリもそんなもんだった……という方が話としてオモシロイ。オモシロイと人間ハッピーになれる。じゃハッピーな方を選びましょう、いまさら誰も傷つかないし! そんな感じです!

ホント言うと、当時のフェラーリとマセラティとじゃ、品質レベルに大差があると思いますし、フェラーリの工員の皆さまが年中酔っ払ってたって話は聞いたことないですけど。

イタリア・モデナにあるフェラーリ本社工場正門。
イタリア・モデナにあるフェラーリ本社工場正門。拡大
エンツォ・フェラーリの生家にて。1923年のエンブレム(写真上)だけ“跳ね馬”が逆向きになっていた。下のエンブレムは1929年のもの。
エンツォ・フェラーリの生家にて。1923年のエンブレム(写真上)だけ“跳ね馬”が逆向きになっていた。下のエンブレムは1929年のもの。拡大
筆者が以前所有していた“まるでダメ男”こと「マセラティ430」。
筆者が以前所有していた“まるでダメ男”こと「マセラティ430」。拡大
清水 草一

清水 草一

お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。

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