第458回:フォルクスワーゲンが考える自動運転社会とは?
近未来のモビリティーを自動運転責任者に聞く

2017.11.25 エディターから一言
VWグループ自動運転研究部門で責任者を務めるヘルゲ・ノイナー氏。
VWグループ自動運転研究部門で責任者を務めるヘルゲ・ノイナー氏。拡大

世界中の自動車メーカーがしのぎを削る自動運転車の開発競争。今後クルマは何を得て、一方で何を捨て去って、完全自動運転を実現するのだろうか。フォルクスワーゲン(VW)グループで自動運転研究部門の責任者を務めるヘルゲ・ノイナー氏に、同グループが思い描く近未来のモビリティー社会について聞いた。

VWが2017年3月のジュネーブモーターショーで初公開した自動運転コンセプトカー「セドリック」。
VWが2017年3月のジュネーブモーターショーで初公開した自動運転コンセプトカー「セドリック」。拡大
「セドリック」はハンドルやアクセルがないレベル5の完全自動運転を想定している。シートに座るのはVWグループのマティアス・ミュラーCEO。
「セドリック」はハンドルやアクセルがないレベル5の完全自動運転を想定している。シートに座るのはVWグループのマティアス・ミュラーCEO。拡大
「セドリック」は“共有モビリティービークル”として機能するが、個人所有も想定されている。
「セドリック」は“共有モビリティービークル”として機能するが、個人所有も想定されている。拡大
VWグループは、従来型の自動車メーカーからモビリティーサービス企業へ変革を遂げていく試みをすでに始めている。2016年12月に、モビリティーサービスの新会社「MOIA(モイア)」を設立した。写真左はMOIAのオーレ・ハルムスCEO、右はVWグループのマティアス・ミュラーCEO。
VWグループは、従来型の自動車メーカーからモビリティーサービス企業へ変革を遂げていく試みをすでに始めている。2016年12月に、モビリティーサービスの新会社「MOIA(モイア)」を設立した。写真左はMOIAのオーレ・ハルムスCEO、右はVWグループのマティアス・ミュラーCEO。拡大

自動車製造業からモビリティーカンパニーへ

――自動運転はクルマのあり方にどのような影響を与えていくのでしょうか。

ヘルゲ・ノイナー氏(以下、ノイナー):それはわれわれにとっても非常に重要なテーマです。例えば20年後のビジネスモデルがどうなっているのかということに直結するテーマだからです。グローバルレベルで見ると、答えは1つではありません。大都市に限って言えば、クルマを所有しない流れが強まり、「モビリティー・アズ・ア・サービス(MaaS)」(「サービスとしてのモビリティー」や「モビリティーのサービス化」などと訳される)の方向へ進んでいくでしょう。そうなると自動車の台数自体は減っていきますが、走行距離は現在より長くなるでしょう。なぜなら、さらに多くの人が自動車を利用するようになるからです。それに伴い、より耐久性の高い自動車を造るとか、高い頻度で自動車を入れ替えるといったことが必要になってくるでしょう。一方で、大都市以外ではドライバーによる運転が引き続き残ると思われます。VWはそういったトレンドをすでに見据えており、従来の自動車の製造業からモビリティーカンパニーへ、会社の形を変えていこうとしています。

――自動運転が実現すると、ドライバーは最終的には運転から解放されます。運転から解放された時、ドライバーたちは車内で何をしたがっているとお考えですか。

ノイナー:自動運転中に車内でしたいことの優先順位はマーケットによって変わってきますが、どのマーケットにも共通するのが次の3つ、「遊びやレジャー」、「仕事」、「睡眠」です。もっとも、自動運転レベル3の段階では、自動運転中に何かが起こった時、人による運転にテイクオーバー(引き継ぎ)しなくてはならないので、ドライバーが寝ることは許されません。レベル4やレベル5の段階になり、自動車からステアリングホイールがなくなれば、睡眠を取ることが許されるようになるかもしれません。

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