乗ればキャデラックであることを実感する

さらに今回のロングドライブでは、SUVとしての出来栄えを試すべく雪道にも挑んだ。今シーズンは例年より雪の降り始めが早く、降雪地の方々はへきえきしていることだろう。しかし、XT5はそうした悪条件下でも遺憾なく力を発揮。前後軸間に加えてリアの左右輪間でもトルクを適切に配分するフルタイム4WDシステムは、滑りやすい路面でも安心感のある走りを実現する。さらには、単に走りが安定しているというだけではなく、凸凹の多い踏み固められた圧雪路でさえ快適性を損なわないのがXT5の美点。乾燥路面から雪道まで、シチュエーションを問わない懐の深さにこそ、このクルマがキャデラックであり、世界有数のラグジュアリーブランドの作であることが表れている。

ワインディングロードでの身のこなしも見どころで、XT5は気持ちよく、そしてドライバーの操作に対してリニアな反応を示す。しかし同時に、それはスポーツカーのようにリニアリティーを追求したものではない。もちろん、ステアリング操作にボディーやアシがシンクロする感覚は十分にスポーティーと表現できるものだが、そうした運転の楽しさを持ち合わせながらも、極上ともいえる快適性を「イイ感じ」でバランスさせているのだ。多少なりともクルマを知っている方であれば、このキャデラック風味満点の味付けを、手応えのしっかりしたステアリングを握った瞬間に理解できるはずだ。

誤解を恐れずにいえば、XT5のドライブフィールはメルセデス・ベンツ(AMG以外)とBMW(M以外)の中間で、少しBMW寄りというのが個人的な印象だ。タッチは重厚だが軽快感があり、反応はスポーティーだが必要以上にナーバスではない。分かりやすいであろうとつい欧州ブランドを例に出してしまったが、そうした定番にしか興味のない方々にもぜひ今のキャデラックを知ってほしい。このブランドはなかなかに先進的で、デザインや質感、走りにおいてもライバルに決してひけを取らないのだ。

(文=櫻井健一/写真=荒川正幸)

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「XT5クロスオーバー」の4WD機構は、前後軸間の駆動力配分を100:0から0:100の間で制御。さらにリアアクスルにはツインクラッチ機構が内蔵されており、リアの左右輪の間でも駆動力配分を可変させることができる。
「XT5クロスオーバー」の4WD機構は、前後軸間の駆動力配分を100:0から0:100の間で制御。さらにリアアクスルにはツインクラッチ機構が内蔵されており、リアの左右輪の間でも駆動力配分を可変させることができる。
テスト車には乗り心地や静粛性などで不利とさせるスタッドレスタイヤが装着されていたが、「XT5クロスオーバー」はドライ路面でも快適そのものだった。
テスト車には乗り心地や静粛性などで不利とさせるスタッドレスタイヤが装着されていたが、「XT5クロスオーバー」はドライ路面でも快適そのものだった。
4WD機構は燃費にも配慮した設計となっており、必要に応じて後輪への動力伝達を遮断し、燃料消費を抑えることが可能。逆に雪道などでは「全輪駆動」モードを選ぶことで、常に後輪に動力を伝達させることもできる。
4WD機構は燃費にも配慮した設計となっており、必要に応じて後輪への動力伝達を遮断し、燃料消費を抑えることが可能。逆に雪道などでは「全輪駆動」モードを選ぶことで、常に後輪に動力を伝達させることもできる。
厳しい環境でもドライバビリティーと快適性を損なわないことにこそ、プレミアムSUVとしてのこのクルマの実力が表れている。
厳しい環境でもドライバビリティーと快適性を損なわないことにこそ、プレミアムSUVとしてのこのクルマの実力が表れている。