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【スペック】全長×全幅×全高=4785×1820×1490mm/ホイールベース=2710mm/車重=1430kg/駆動方式=FF/1.4リッター直4DOHC16バルブターボ(122ps/5000rpm、20.4kgm/1500-4000rpm)/価格=324万円(テスト車=371万2500円/RNS510=31万5000円/バイキセノンヘッドライト=15万7500円)

フォルクスワーゲン・パサートTSIコンフォートライン(FF/7AT)【試乗記】

優等生を極めれば 2011.07.06 試乗記 フォルクスワーゲン・パサートTSIコンフォートライン(FF/7AT)
……371万2500円

1.4リッターエンジンを搭載した、7代目「フォルクスワーゲン・パサート」に試乗。「まじめセダン」の走りはどうなのか?

コンサバ方面にあか抜ける

歴代「フォルクスワーゲン・パサート」に付いてまわるのが、「まじめ」「優等生」という言葉だ。で、優等生も大変だと思いながら7代目となった新型パサートを眺める。まじめな優等生は、頑張れば頑張るほど「面白みにかける」「つまらない」なんて言われるからかわいそうなのだ。
てなことを、自分も言ったり書いたりしてきたわけですが。

現在のフォルクスワーゲンのトレンドにのっとり、ラジエターグリルには横方向にラインが走る。ラジエターグリルは人間の顔における「口」にたとえられることが多いけれど、パサートの口は真一文字に閉じられている。折り目正しい好青年だ。
ただしサイドのキャラクターラインは従来型よりくっきり鮮やか、ヘッドランプの造形もすっきりして目元が涼やかになった。学級委員長は、まゆ毛のお手入れを覚えた。
オーソドックスな意匠でありながら見た目にも触った感じにも上等になったインテリアとあわせて、コンサバ方面にあか抜けた印象。特に今回試乗した「パサートTSIコンフォートライン」は内装にウッドパネルを用いないから、さらに印象が若々しい。

日本におけるパサートは「コンフォートライン」も上級版の「ハイライン」も1.4リッターの直列4気筒ターボエンジンに7段DSGを組み合わせる。このコンビは、ふたつの面でドライバーを喜ばせてくれる。
まず、アクセル操作に対するレスポンスがいいからファン・トゥ・ドライブだ。特にどこが改良されたというアナウンスはないけれどDSGの熟成は進んでいるようで、変速の素早さとスムーズさがさらに増したように感じる。

ステアリング操作などから、ドライバーの疲労や眠気を感知するドライバー疲労検知システム「Fatigue Detection System」を標準装備。休憩が必要だと判断すると、インジケーター表示と警告音で注意をうながす。
ステアリング操作などから、ドライバーの疲労や眠気を感知するドライバー疲労検知システム「Fatigue Detection System」を標準装備。休憩が必要だと判断すると、インジケーター表示と警告音で注意をうながす。 拡大

フォルクスワーゲン・パサートTSIコンフォートライン(FF/7AT)【試乗記】の画像 拡大

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広大な荷室は歴代パサートから変わらぬ美点。ただ広いだけでなく、出っ張りがなかったり開口部が広かったりと、使い勝手のよさが光る。
クリックするとシートアレンジによる荷室の変化が見られます。
広大な荷室は歴代パサートから変わらぬ美点。ただ広いだけでなく、出っ張りがなかったり開口部が広かったりと、使い勝手のよさが光る。
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気持ちがアガるエンジン

そしてもうひとつ、燃費のよさがうれしい。特に燃費を意識した運転でなくとも、高速道路に入るとインパネに表示される平均燃費が「12.0km/リッター」→「12.5km/リッター」→「13.0km/リッター」とじわじわ上昇する。自分は根がケチなので、平均燃費が上がると気持ちもアガる。

18.4km/リッターという10・15モード燃費は、同じエンジンを積む「フォルクスワーゲン・ゴルフTSIコンフォートライン」の16.4km/リッターを上回る。1430kgのパサートが1290kgのゴルフより燃費がいい理由は、アイドリングストップ機構と減速エネルギーを電気に換えて蓄える回生ブレーキシステムが備わるから。そして、どちらもスムーズに作動する。

停止すると、アイドリングストップ機構の存在をドライバーにほとんど意識させずに「すん」とエンジンが止まる。再始動時はさすがにドライバーが気付かないということはないけれど、それでも十分に静かで振動も小さい。
回生ブレーキに関しては、言われなければ装備されていることに気付かない。ブレーキの踏み心地に違和感を感じるということもないし、減速時に音がするということもない。

うっとりするような音や手触りこそない。けれど、効率がよくて、スムーズで、毎日接するエンジン&トランスミッションとしてこれ以上何を求めるのかというぐらい良くできている。しかも優等生というだけでなく、低回転域からレスポンスがよく、クルマとの一体感を味わえる。だから、ファン・トゥ・ドライブという意味でも気分がアガる。
山道に持ち込んでみると、パワートレインだけでなく足まわりも楽しめるものだということがわかる。

アクセルオフの状態やブレーキング時には、減速エネルギーを電気に変換してバッテリーに蓄えるブレーキエネルギー回生システムを搭載する。
アクセルオフの状態やブレーキング時には、減速エネルギーを電気に変換してバッテリーに蓄えるブレーキエネルギー回生システムを搭載する。 拡大
1.4リッター直列4気筒直噴エンジン+ターボと、7段DSGの組み合わせによって18.4km/リッター(10・15モード燃費)を達成。エコカー減税(75%)の対象となる。
1.4リッター直列4気筒直噴エンジン+ターボと、7段DSGの組み合わせによって18.4km/リッター(10・15モード燃費)を達成。エコカー減税(75%)の対象となる。
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かなり飛ばして13.5km/リッター

市街地や高速道路で感じるソフトな乗り心地からは想像できないほど、山道ではスポーティだ。キュッキュッと走ってタイムを競うというより、アクセルコントロールとステアリング操作で狙い通りのコーナリングラインを描く楽しさが味わえる。スピードスケートというよりフィギュアスケート、安藤美姫みたいな弧を描く。でも、トリプルアクセルはやらない。

コーナーではかなりのロール(横傾き)を見せるけれど、どれだけ傾いても4本のタイヤが正しく地面と接していることが伝わってくる。だからコントローラブルだ。ステアリングホイールは、前輪がどんな状況にあるかをクリアに伝えてくれる。パサートに乗りながら感じるのは、ヒヤヒヤドキドキ以外のファン・トゥ・ドライブもアリということだ。

約250kmの試乗を終えて給油すると、燃費が13.5km/リッター。高速道路が8割で一般道が2割、しかも極端な省エネ運転はしなかったことや、一般道のほとんどが山道でまあまあ飛ばしたことを思えば、かなりの好燃費だ。

ここにいたって、「優等生=つまらない」などという先入観を抱いていたことを心底恥じる。たしかに、中途半端な優等生や、優等生的な発言や振る舞いはつまらない。けれど、本物の優等生は世の中を明るくしてくれる。サッカーだったら長谷部誠、野球だったら斎藤佑樹。
つまらないのは優等生ではなく、「優等生=つまらない」という定型フレーズで凝り固まった自分だった。パサートへのおわびのつもりで新しいフレーズを進呈しようと思ったけれど、「おもしろまじめ」しか思いつきませんでした。すみません。

(文=サトータケシ/写真=高橋信宏)

新型パサートのボディサイズ、ホイールベースは従来型と変わらない。つまり、基本骨格は従来型を踏襲している。フロントがマクファーソン・ストラット、リアがマルチリンクというサスペンション形式も従来型と同じだ。
新型パサートのボディサイズ、ホイールベースは従来型と変わらない。つまり、基本骨格は従来型を踏襲している。フロントがマクファーソン・ストラット、リアがマルチリンクというサスペンション形式も従来型と同じだ。
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タイヤサイズは215/55R16で、銘柄はブリヂストンの「TURANZA ER300」だった。TSIハイラインでは、タイヤサイズが235/45R17となる。
タイヤサイズは215/55R16で、銘柄はブリヂストンの「TURANZA ER300」だった。TSIハイラインでは、タイヤサイズが235/45R17となる。
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