アウディ、接戦を制し2連覇達成【ルマン 2011】

2011.06.13 自動車ニュース
優勝したNo.2 アウディR18 TDIと、そのドライバーたち。写真左から、B・トレルイエ、A・ロッテラー、そしてM・フェスラー。
アウディ、接戦を制し2連覇達成【ルマン 2011】

【ルマン 2011】アウディ、接戦を制し2連覇達成

第79回ルマン24時間耐久レースの決勝が2011年6月11日と12日、フランスのサルトサーキットで開催された。優勝は、No.2 アウディR18 TDI(フェスラー/ロッテラー/トレルイエ組)。アウディにとって、2年連続10回目の勝利となった。

昨年のマシン「R15 TDI」に代えてアウディが投入した、「R18 TDI」。
昨年のマシン「R15 TDI」に代えてアウディが投入した、「R18 TDI」。
こちらはもう1台の優勝候補「プジョー908」。
こちらはもう1台の優勝候補「プジョー908」。

■今年は予選からアウディペース

ニューマシン「R18 TDI」を投入し、3台態勢で臨んだアウディのルマン24時間耐久レースは、孤独との長い戦いでもあった。

決勝に先立ち行われた予選もアウディがトップタイムを記録。フェスラー、ロッテラー、トレルイエのトリオで2シーズン目を迎える2号車アウディR18 TDIが、初のポールポジションを獲得した。ただし、1周13.629kmという長距離コースのルマンにあって、トップと2位の差はわずか0.061秒(!)。緊迫した争いとなった。

予選総合トップ6

1.No.2 アウディR18 TDI(フェスラー/ロッテラー/トレルイエ組)3分25秒738
2.No.1 アウディR18 TDI(ベルンハルド/デュマ/ロッケンフェラー組)3分25秒799
3.No.9 プジョー908(ラミー/ブルデー/パジェノー組)3分26秒010
4.No.8 プジョー908(モンタニー/サラザン/ミナシアン組)3分26秒156
5.No.3 アウディR18 TDI(カペロ/クリステンセン/マクニッシュ組)3分26秒165
6.No.7 プジョー908(ジェネ/ヴルツ/デビッドソン組)3分26秒272


アウディ、接戦を制し2連覇達成【ルマン 2011】の画像

アウディ、接戦を制し2連覇達成【ルマン 2011】の画像
ゴールの瞬間。24時間の長丁場を走りぬいて、1位アウディと2位プジョーの差はわずかに13秒854。2011年のルマンは、まれにみる大接戦となった。
ゴールの瞬間。24時間の長丁場を走りぬいて、1位アウディと2位プジョーの差はわずかに13秒854。2011年のルマンは、まれにみる大接戦となった。

■最後のアウディ、辛くも逃げ切り

近年、ルマンで「両雄並び立たず」の戦いを繰り返してきたアウディとプジョーだが、今年も壮絶なレース展開となった。ニューマシンR18 TDIを投入したアウディ勢だったが、多くの優勝経験をもつトム・クリステンセン擁する“ベテラン組”の3号車がコースアウトしてクラッシュ。序盤に姿を消した。さらに夜に入り、去年のルマンウィナーである1号車が周回遅れの車両と接触。マシンは大破し、長時間セーフティカーがコースインする事態となった。

そんなか、常に上位にとどまっていたのは2号車のアウディだ。日本のレース界でも活躍するブノワ・トレルイエ、アンドレ・ロッテラーのふたりと、マルセル・フェスラーのトリオは、ライバル・プジョーの3台から攻めたてられながらも、その速さと強さをアピールし続けた。

燃費競争で優位だったのは、プジョーだ。11周ごとにピットインするアウディに対し、プジョーは12周。周回を重ねてマージンを積み重ねたいところだったが、アウディは速さでこの弱点をカバー。互角の戦いに持ち込んだ。定期的なピットイン、すなわち燃料補給のためのルーティンワークは、まさに時計のような正確さで、レースをリードすることに成功した。

途中、プジョー勢はマシンごとにピットインのタイミングを外すなど、さまざまな手法で逆転を試みる。しかし、2号車のアウディは「わが道を行く」初志貫徹を継続。日曜の朝を迎えてからは、トレルイエが3時間20分強におよぶ超ロングドライブを実施、逃げ切るための努力を惜しまなかった。

終盤、2号車アウディと優勝争いをするのは9号車のプジョー(ラミー/ブルデー/パジェノー組)に絞られた。そしてその差は、わずかなミスで簡単に順位が入れ替わるほどのもの。ルーティンワークのピットストップが、最後の直接対決となった。
通常は燃料補給だけで済むところを、トップ2号車のアウディはタイヤ交換をメニューに追加。最後の最後まで、逃げる手綱を緩めることはなかった。いっぽうのプジョーは、ピットインのタイミングをライバルに合わせ、後方からさらに強いプレッシャーをかけることを選んだ。
結果、アウディは作業を増やしたことで1分以上あったマージンをわずか8秒にまで縮めてしまったが、最終ドライバーのロッテラーが迫りくるプジョーを見事に抑えこみ、歴史ある耐久レースの新たな勝者としてその名を刻むことになった。

ポディウムからサーキットの観衆に応える上位3チームの面々。写真中央、No.2 アウディR18 TDIのクルーを挟んで、左がNo.9 プジョー908(ラミー/ブルデー/パジェノー)、右がNo.8 プジョー908(モンタニー/サラザン/ミナシアン)。
(写真=島村元子/photo=Motoko Shimamura)
アウディ、接戦を制し2連覇達成【ルマン 2011】

総合結果(トップ6:全てLMP1)

1.No.2 アウディR18 TDI(ファスラー/ロッテラー/トレルイエ組)
2.No.9 プジョー908(ラミー/ブルデー/パジェノー組)
3.No.8 プジョー908(モンタニー/サラザン/ミナシアン組)
4.No.7 プジョー908(ジェネ/ヴルツ/デビッドソン組)
5.No.10 プジョー908 HDi FAP(ラピエール/デュバル/パニス組)
6.No.12 ローラB10 60・トヨタ(プロスト/ジャニ/ブリークモレン組)

クラス別トップ

・LMP1クラス:No.2 アウディR18 TDI(ファスラー/ロッテラー/トレルイエ組)355周
・LMP2クラス:No.41 ザイテックZ11SN・ニッサン(オジエ/キンバースミス/ロンバード組)326周
・GTE Proクラス:No.73 シボレー・コルベットC6 ZR1(ベレッタ/ミルナー/ガルシア組)314周
・GTE Amクラス:No.50 シボレー・コルベットC6 ZR1(ボーンハウザー/カナル/ガーデル組)302周

(文=島村元子/text=Motoko Shimamura)

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