トヨタが決算発表 営業利益は3倍以上に

2011.05.11 自動車ニュース
決算説明会に臨む、トヨタ自動車取締役社長の豊田章男氏(写真右)と同副社長の小澤哲氏。
トヨタが決算発表 営業利益は約3倍

トヨタ自動車が決算発表 新興国好調で営業利益は3倍以上に

トヨタ自動車は2011年5月11日、都内で2011年3月期の決算説明会を開催し、その業績を発表した。

豊田社長(写真)からは、震災に関するコメントが多く聞かれた。「厳しい状況でも現場はよくがんばっている」と身内をねぎらう場面も。
トヨタが決算発表 営業利益は約3倍

■営業利益は3倍以上

トヨタ自動車の2011年3月期(2010年4月〜2011年3月)連結決算は、売上高が18兆9936億円で、前期(18兆9509億円)の水準を維持。営業利益は、前期(1475億円)比3倍以上となる4682億円となった。これは主に営業面の原価低減努力(350億円)や為替変動(200億円)により確保されたもので、3月以降に被った東日本大震災による営業損失(1100億円と推計)がなければ、5782億円が見込まれたという。

連結販売台数で見れば、今期は730万8000台と、前期より7万1000台のアップ。震災の影響(17万台のマイナス)もあり、国内販売台数は前年より25万台減少して191万3000台に停滞、北米は203万1000台と微減で推移したものの、アジア地域が27万6000台増の125万5000台と、大幅に躍進。主にタイやインドネシアでのセールスが好調だったこと、インドに新型車「エティオス」が投入されたことが、その大きな要因だという。

なお、今期(2012年3月期)の販売台数および収益見通しについては、震災をうけ販売計画を立て直していることなどを理由に今回触れられなかったが、6月中旬には発表できるよう準備中とのことだった。

社長就任からちょうど2年を迎える豊田章男社長。記者団から2年を振り返っての感想を求められると、「リーマンショック後の赤字転落、震災など試練も多かったが、その間、トヨタはよりお客様から笑顔をいただける企業になったと思う」と心情を吐露した。
トヨタが決算発表 営業利益は約3倍

■“三重苦”には全力で

決算説明に際しては、今後の業績に大きく関係しそうな、「東日本大震災」や「円高」の影響についてのコメントが聞かれた。

会見に臨んだ豊田章男社長は、震災について多くを語った。「現在の生産体制は通常の5割程度にとどまる」としながらも、「(国内は1カ月、海外は2カ月)生産レベルの回復計画を前倒しし、国内外とも、6月から7割程度の生産量を確保できる」と述べた。年末までの完全回復を念頭に、今後も生産台数上積みの努力を続けるという。

円高についても、(昨年は1ドル=90円レベルで700万台だった)損益分岐点を、1ドル=85円で650万台とするなど、さらなる経営体質の改善が図られたことを強調。
現実的には、同席した小澤哲副社長をして「(いまの円高傾向は)いち企業にできる努力の限界を超えている。どこまで日本での生産にこだわれるか、疑問に思い始めている」と言わしめるほどひっ迫した状況だが、「トヨタは日本生まれのグローバル企業。日本のものづくりは守りたい」(豊田社長)と、国内生産に対して強いこだわりがあることも示された。

ここにきて、東海地震発生に対する懸念から浜岡原子力発電所の停止が決定、「電力不足」という新たな逆風もとりざたされるトヨタだが、小澤副社長によれば「輪番制による振り替え休日対応なども実施が決まっており、自工会が一致団結し、この危機を乗り越える決意がある」。ただし、「被災地からの強い要望もあり、1日でも早く1台でも多く生産するという企業努力は並行して推し進める」とのことだった。
豊田社長も「(そんな最大限の努力をしている)製造業の火を消さないよう、みなさまにも応援していただきたい」と会場に集まった多くの報道陣に訴えた。

(webCG 関)

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。