カロッツェリアのナビが衝撃のフルチェンジ

2011.05.09 自動車ニュース
インダッシュモニター型の「AVIC-VH09CS」。「CSモデル」は「クルーズスカウターユニット」のほか、データ通信専用通信モジュールも同梱(どうこん)される。
カロッツェリア・サイバーナビが衝撃のフルチェンジ

カロッツェリア・サイバーナビが衝撃のフルチェンジ

カロッツェリア・ナビの最高峰「サイバーナビ」が2011年5月9日にフルモデルチェンジを受け、インダッシュモニター型は「AVIC-VH09シリーズ」へ、2DIN埋め込み型は「AVIC-ZH09シリーズ」へと移行した。それぞれ2モデルの全4モデルという構成をとり、いずれも価格はオープン。

2DIN型の新サイバーナビ「AVIC-ZH09」。実風景表示の「ARスカウターモード」対応モデルは「AVIC-ZH09CS」となる。十年一日のごとく変わらなかったメニュー表示/階層も一新された。
2DIN型の新サイバーナビ「AVIC-ZH09」。実風景表示の「ARスカウターモード」対応モデルは「AVIC-ZH09CS」となる。十年一日のごとく変わらなかったメニュー表示/階層も一新された。
わかりやすくなったメニューのトップ画面。ナビメニューには右側の「NAVI menu」に触れればすぐに飛ぶ。従来はこういう連携がなかった。
わかりやすくなったメニューのトップ画面。ナビメニューには右側の「NAVI menu」に触れればすぐに飛ぶ。従来はこういう連携がなかった。
発表当日はデモカーで試乗体験もできた。前を走るクルマを「ターゲットスコープ」が捉え、車間距離を測る。上部に見えるグリーンのラインがルート案内の誘導線。
発表当日はデモカーで試乗体験もできた。前を走るクルマを「ターゲットスコープ」が捉え、車間距離を測る。上部に見えるグリーンのラインがルート案内の誘導線。

■「実映像」でできること

今回のモデルチェンジは、ここ数年のサイバーナビの中でも大変革ともいえる仕様変更で、その内容は多岐にわたる。
最注目は「ARスカウターモード」。これはナビ画面に、ドライバーがフロントガラス越しに見る実風景をそのまま映し出し、その上に各種情報を重ねて表示するもの。簡単に言えば、これまで3D描写でバーチャルに表現してきた「ドライバーズビュー」を、実際の映像に置き換えたものと考えればよい。進むべき方向が道路上ではなく上空部分に太い誘導線で引かれる点は異なるが、交差点等で登場する3Dランドマークは実風景に溶け込んで表現される。しかしこのARスカウターモード、見せ方で驚かせるのが目的ではなく、奥深い内容を含んでいる。それは安全への寄与だ。

カメラで捉えた映像はさまざまに映像解析されるのだが、このモードで走行するとまず前方を走るクルマを認識することから始まる。まるでゲームのように“ロックオン”するのだが、何のためかといえば自車からの距離を測って車間距離が適正かどうかを案内するためなのだ。適正な車間距離を保つことは、自身の安全走行のみならず、渋滞の発生を阻止することができるという理論に基づいたものである。走行時以外では、信号待ちで停車中に前車が発進したことに気づかないときに、車間距離が開いたことを検知してブザーで知らせるという機能も持つ。

前走車のほか、前方の赤信号も検出する。これもひとたび捉えるとやはり“ロックオン”し、赤から青に変わった時にアイコンでドライバーに知らせてくれる。
車線を区切る白線も捉えることができ、これをまたぐような走り方をすると危険な運転と判断、白線の表示カラーを変えて注意を促す。

また、ARスカウターモードの映像はメモリーに残すことも可能。32GBのSDHCメモリーカードを使えば最大100時間の動画を保存、自宅に持ち帰って専用ソフトで読めば地図と位置情報を合わせて、ドライブ映像を楽しむこともできる。
このARスカウターモードを表示するには専用の前方カメラ(フロントガラス上部に内側から装着)と画像処理ユニットのセットである「クルーズスカウターユニット」が必要。型番の末尾に「CS」が付くモデルには最初からパッケージされる。

交差点での案内はこう。赤信号を捉えているのがわかる。
交差点での案内はこう。赤信号を捉えているのがわかる。
「ARスカウターモード」用の動画はこのカメラで撮影する。
「ARスカウターモード」用の動画はこのカメラで撮影する。
こちらは動画の画像処理をするユニット。ETCユニットより二回りほど大きい。2本のUSB接続コードもここから出ていて、専用の通信モジュールやミュージックデバイスなどが接続可能。
こちらは動画の画像処理をするユニット。ETCユニットより二回りほど大きい。2本のUSB接続コードもここから出ていて、専用の通信モジュールやミュージックデバイスなどが接続可能。

■自分で地図を描く

昨今、各社のナビも地図の部分的書き換えがかなり短いインターバルで更新されるようになったが、新サイバーナビではさらに短期化できる。これが、新規道路を走行後、即座にナビ上に道路データを書き加えられる「ロードクリエーター」機能。地図上では未開通道路であっても自らの走行実績がそのまま道路地図として保存できる、究極の更新機能だ。次回からはその道を使った自分だけのルート探索をすることも可能。さらにその道はサーバーに自動でアップされるため、次回メーカーが行う地図更新に対し情報提供の貢献をすることにもなる。

新サイバーナビのサーバーとのやりとりは、これまで以上に積極的だ。NTTドコモのFOMAサービスを利用した「データ通信専用通信モジュール」がCSモデルに同梱(どうこん)されていることからも、それがわかる。たとえば検索データ。ナビ本体にも約840万件の店舗情報などが収録されているが、それに載りきらなかった新店舗もサーバー経由で同じように検索対象とされる。サーバーにデータが上がってさえいれば、フリーワード検索で最新の情報として得ることができる。

このほかオーディオ性能の向上も特記すべき事項。カロッツェリア・カーオーディオ「カロッツェリアX」の技術を惜しみなく投入し、自ら「サイバーナビ史上、最高の音質を実現」とうたっているように、パイオニアの持てる技術を総結集したのが新サイバーナビといえる。

気になる実勢価格だが、動画カメラなどクルーズスカウターユニット同梱のインダッシュモニター型の「AVIC-VH09CS」で30万円弱、2DIN埋め込み型の「AVIC-ZH09CS」でそれより2万円ほど安くなるだろうと想定される。

「ARスカウターモード」に話題は集中するが、2Dの「ノーマルビュー」や俯瞰(ふかん)の「スカイシティマップ」、ドライバー視点の「ドライバーズビュー」も選ぶことができる。写真はノーマルビュー。
「ARスカウターモード」に話題は集中するが、2Dの「ノーマルビュー」や俯瞰(ふかん)の「スカイシティマップ」、ドライバー視点の「ドライバーズビュー」も選ぶことができる。写真はノーマルビュー。
こちらも新しくなったエアーナビ。手前が新登場の7型エアーナビ「T99」、後方は5.8型の「T77」。T99は新登場ゆえ初めて見るデザインだが、T77(とT55)は従来のデザインをほぼ踏襲。
こちらも新しくなったエアーナビ。手前が新登場の7型エアーナビ「T99」、後方は5.8型の「T77」。T99は新登場ゆえ初めて見るデザインだが、T77(とT55)は従来のデザインをほぼ踏襲。

■エアーナビも一新

衝撃的なサイバーナビの影に隠れた形になったが、カロッツェリアの通信ハンディナビ「エアーナビ」も全面リニューアルを受けた。モデルはAVIC-T99、同T77、同T55の3モデル。このうちT99はエアーナビ初の7インチモデルだ。モニターサイズは大きくなったものの、筐体(きょうたい)はスリムで厚みを22mmに抑えるなど、下位モデルより薄く仕上がっている。
内蔵メモリーは全モデルとも16GBを採用、従来型の8GBから倍増している。機能面ではこれまでのジャイロ、加速度センサーに加えて新アルゴリズムの採用でトンネルなど劣悪な条件下でも自車位置を失うことがなくなった。位置精度もサイバーナビ譲りの5Hz測位の投入でレベルアップを果たしたという。

(文=尾澤英彦)

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