改造型電気自動車製作のためのガイドライン公開

2011.04.27 自動車ニュース

改造型電気自動車製作のためのガイドライン公開

電気自動車普及協議会(APEV)は2011年4月27日、改造電気自動車を製作する際のガイドライン「EVコンバージョンガイドライン」を発表した。

■国交省も関与した策定内容

電気自動車といえば「三菱i-MiEV」や「日産リーフ」など、大手自動車メーカーが製作・販売する完成車が思い浮かぶが、その一方でガソリン自動車からエンジンやガソリンタンクを外し、代わりにモーターとバッテリーを積んで電気自動車(EV)に仕立てる「改造EV(コンバージョンEV)」も着実に数を伸ばしつつある。しかしEVへの改造にあたって、これまで明確な安全基準というものは存在しなかった。いくら構成パーツが少ないとはいってもそこに流れるのは高圧電気、それ以外にもEVを作るには安全上解決すべき数々の問題が横たわっている。そこで、統一した改造基準を作成すればそうした問題もクリアしやすいだろうと、2010年6月に発足したのが電気自動車普及協議会である。

そして最初の成果として発表されたのが今回の「EVコンバージョンガイドライン」というわけだ。
現在、電気自動車普及協議会には130の企業や地方自治体など50の団体などが参加、自動車メーカーとしてトヨタやスズキも会員に名を連ねている。ガイドラインはこうした企業などが意見や知恵を出し合ってひとつの形としたもの。したがって信頼度も高いといえる。

ガイドラインの内容は技術的な面が主体で、感電対策、火災予防、ボディの強度、十分な走行性能、走行の信頼性、誤操作防止策、制動性能の確保などからなり、詳しくは以下のURLから誰でも参照することができる。
http://www.apev.jp/guide/

EVコンバージョンガイドラインを作成するにあたっては、国土交通省や自動車検査独立法人、軽自動車検査協会なども関与した。もっともこのガイドラインは法令ではないため、拘束力こそないが、一種のお墨付きを得た内容となっている点は注目される。「各企業やベンチャーはこのガイドラインをもとにEVを開発すれば効率的。安全なEVを作るための指標として役立ててほしい」と、発表会に同席した国土交通省関東運輸局自動車技術安全部の野津真生部長は語った。

■新たに三部会を発足、さらに活動の幅を広げる

電気自動車普及協議会では、今後上記ガイドラインのさらなるブラッシュアップを図っていくとのことだが、ハード面のみならずソフト面にも力を入れていく考えだ。たとえば、このガイドラインに沿ったコンバージョンEV製作のための教本の発行や講習会を、本年5月以降に開催することも計画しており、コンバージョンEVの製作を担う人材の育成にも力を入れていくという。

また、EVを核とする国内外の産業調査やカーナビ、ITなど関連情報技術の連携などを受け持つ部会、高齢化社会を見据えた超小型モビリティの可能性を探る部会、さらにはすでに各自治体などで行われているEV・PHVタウン構想との情報交流や支援を目的とする部会の発足も発表された。

(文=尾澤英彦)


改造電気自動車制作のためのガイドラインを公開
電気自動車普及協議会の福武總一郎会長(左から2番目)は「ガイドラインができることで開発がしやすくなるだろう」と、電気自動車普及への抱負を述べた。
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EVコンバージョンガイドラインで示される安全対策などをまとめた表。
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EVコンバージョンガイドラインの要点を説明したのは、電気自動車普及協議会の田嶋伸博代表幹事。
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国土交通省関東運輸局自動車技術安全部の野津真生部長は「ガイドラインは比較的早く作成が可能で、改定も柔軟に対応できるため、先に公開した。いずれはこのガイドラインを踏まえた安全基準の改正なども検討していきたい」と語った。
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