ドイツメーカーブースの紹介【上海ショー2011】

2011.04.26 自動車ニュース
次期「メルセデス・ベンツAクラス」のデザインスタディとなる「コンセプトAクラス」。
ドイツメーカーブースの紹介【上海ショー2011】

【上海ショー2011】注目モデルがぞくぞく登場! ドイツメーカーのブースから

2011年4月19日に開幕した、上海モーターショー。いまいちパッとしなかった日本メーカーのブースとは対照的に、ドイツメーカーのブースでは、ニューモデルが多数見受けられた。

■驚きの品ぞろえ

ドイツ車勢は、フォルクスワーゲン、メルセデス・ベンツ、BMW、MINI、アウディといった主力メーカーがいずれもワールドプレミアを出展。「秋に地元開催のフランクフルトショーがあるのに大丈夫?」と、こちらが心配してしまうほど多くの新型車をお披露目した。
逆に言えば、上海にこれだけのニューモデルを輩出してもなお、フランクフルトで見せられる新型車を持っているということだから(?)羨ましい話だ。いずれにせよ“イケイケドンドン”な感じであることは間違いない。

横基調のテールランプなど、「コンセプトAクラス」のリアビューは最新の“メルセデス・ベンツ調”。
横基調のテールランプなど、「コンセプトAクラス」のリアビューは最新の“メルセデス・ベンツ調”。
「コンセプトAクラス」のインストゥルメントパネルは、従来の「Aクラス」とは異なり、シンプルなデザインとなる。
「コンセプトAクラス」のインストゥルメントパネルは、従来の「Aクラス」とは異なり、シンプルなデザインとなる。

■芯から変わった「Aクラス」

数多くのニューモデルのなかで大注目はやはり、次期「メルセデス・ベンツAクラス」を示唆する「コンセプトAクラス」である。現行Aクラスは、二重フロアの特異なプラットフォームを用いることでコンパクトなボディながらひとクラス上の室内スペースと高い安全性を確保。EVや燃料電池といった次世代パワートレインの搭載を可能にした意欲作だった。
しかし、ユーザーからは「コンパクトで背の高いエクステリアはメルセデスらしい高級感に欠ける」といった声が聞かれるなど、次期モデルへの課題も指摘されていた。3世代目となる新しいAクラスはそれも解決するものとなる。

特徴は二重フロアの廃止とボディサイズの拡大だ。元々、Bセグメントサイズのボディに、(二重の床板を用いることで)Cセグメントサイズの室内スペースを実現していたのだから、それをやめればボディサイズが拡大するのは当然のことといえるだろう。詳細なスペックは発表されていないが、ライバルとなる「BMW1シリーズ」や「フォルクスワーゲン・ゴルフ」と同等と見て間違いない。

「SLK」風の大きなフロントグリルに、「CLS」に似たキャラクターラインを持つサイドビューなど、エクステリアは最新のメルセデス・ベンツスタイルを踏襲。ボディタイプは「フォルクスワーゲン・シロッコ」風のロングルーフの3ドアを採用している。これがコンセプトカーだけのものなのか、それとも実際に「Cクラス スポーツクーペ」をほうふつとさせるスポーティなハッチバックで登場するのか、従来どおり5ドアもラインナップされるのかは未知数だ。

新型「フォルクスワーゲン・ビートル」。従来よりもキリッと精悍(せいかん)になった印象。
新型「フォルクスワーゲン・ビートル」。従来よりもキリッと精悍(せいかん)になった印象。
ニューモデルも、現行型のビートル同様、3ドアのハッチバックスタイルとなる。
ニューモデルも、現行型のビートル同様、3ドアのハッチバックスタイルとなる。

■オリジナルに近づいた「ビートル」

フォルクスワーゲンは新しい「ビートル」を持ち込んだ。上海ショーでは、“ザ・ビートル”と呼ばれる。ちなみに、発表は上海だけでなく、ベルリンとニューヨークの3大陸で同時に行われている。

エクステリアはこれまで同様、ひと目でビートルとわかるスタイリングを採用しているが、現行型の「ニュービートル」と比べるとディテールは結構異なっている。
ニュービートルの特徴だったフロントフェンダー、ルーフ、リアフェンダーによる3つの半円形状はトーンダウンし、新型では屋根の頂上部分が平らになった。なお、ルーフからリアエンドのラインは、初代ビートルにかなり近いという。どちらかというとパイクカー然としていたニュービートルに対し、“ザ・ビートル”は普通の量産車にかなり近づいた。このデザインなら、より多くの男性ユーザーを取り込むことも、難しいことではないかもしれない。

ボディサイズはひと回り大きくなり、全長×全幅×全高=4278×1808×1486mmと、ニュービートルに比べて全長と全幅はそれぞれ152mm、84mm拡大されたが、全高は12mm低くなった。ホイールベースは20mmほど長くなっている。

エンジンは直列4気筒ガソリン直噴ターボのTSIのほか、ディーゼル直噴ターボのTDIやアメリカ向けの直列5気筒ガソリンエンジンなど、ほぼ現行ゴルフと同じラインナップが用意される予定だ。このことからもわかるとおり、中身はニュービートル同様、ゴルフと共有しているのは間違いない。ただし、現行の「ゴルフVI」ベースなのか、それとも来年にはお披露目されるとウワサの「ゴルフVII」がベースなのかは不明だ。

「アウディA3 eトロン コンセプト」。
「アウディA3 eトロン コンセプト」。
「BMW X1」のライバルとなる、アウディの新しいコンパクトSUV「Q3」。
「BMW X1」のライバルとなる、アウディの新しいコンパクトSUV「Q3」。

■アウディ、期待の小型SUVを発表

ニューモデルとコンセプトカーをそれぞれ1台ずつお披露目したのはアウディ。コンセプトカーは、ジュネーブショーに出展した「A3コンセプト」の“eトロン版”で、パワートレインは2リッター直列4気筒ターボのTFSIに電気モーターを組み合わせたプラグインハイブリッド仕様だ。エクステリアは次期A3を示唆するデザインスタディである。
ただし中身に関しては、2009年に発表したR8ベースの「eトロン」以来、何台もの「eトロン」がモーターショーに出展されているが未だ具体化されているものはない。もちろんプラグインハイブリッドも開発しているのだろうが、現段階では絵に描いた餅に過ぎない。ただし、今回アナウンスされた12kWhというリチウムイオンバッテリーの容量やモーターのみでの走行距離54kmは、アウディのプラグインに対する考え方を知るうえでひとつの指標にはなる。

それよりも注目は新型SUV「Q3」だ。「Q5」の弟分で、先に登場した「BMW X1」にガチンコ勝負を挑むコンパクトSUVである。全長は4.39m、全幅1.83m、全高1.60mはQ5よりもひと回り小さい。エクステリアはQ5をそのまま小さくした印象。ボディサイズを考えると、日本市場でも高い注目を集めるのは間違いないだろう。

「BMW6シリーズクーペ」も登場。市販モデルのお目見えは、上海が初。
「BMW6シリーズクーペ」も登場。市販モデルのお目見えは、上海が初。
Mモデル独特の雰囲気が継承されたハイパフォーマンスモデル「BMWコンセプトM5」。
Mモデル独特の雰囲気が継承されたハイパフォーマンスモデル「BMWコンセプトM5」。

■BMWの真打ち、新型「M5」登場

BMWは「6シリーズクーペ」と「5シリーズのプラグインハイブリッド」、そして「M5のコンセプトカー」の3台をワールドプレミアとして出展した。もちろん注目なのは、M5だ。コンセプトと呼ばれるものの、ほぼ完成形で、このまま市販されると思って間違いない。

エンジンはM社謹製の5リッターV10から4.4リッターV8ツインターボに変更。おそらく「X5 M」や「X6 M」に搭載されているものと同じはずだ。パワーだけでなく、アイドリングストップ機能の追加などにより環境性能に配慮しているのも特徴。変速機はツインクラッチ式の7段ATが組み合わされる。

(文と写真=新井一樹)

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