【スペック】全長×全幅×全高=4855×1910×1750mm/ホイールベース=2920mm/車重=1860kg/駆動方式=FF/1.4リッター直4DOHC16バルブターボ+スーパーチャージャー(150ps/5800rpm、24.5kgm/1500-4000rpm)/価格=438万円(テスト車=483万1500円)

フォルクスワーゲン・シャランTSIハイライン(FF/6AT)【ブリーフテスト】

1人でドライブ、全然アリ 2011.04.26 試乗記 フォルクスワーゲン・シャランTSIハイライン(FF/6AT)
……454万8000円
総合評価……★★★★★

フォルクスワーゲンの大型ミニバン「シャラン」に試乗。1.4リッターの小型エンジンがもたらす走りや燃費、使い勝手を細かくチェックした。
「シャラン」の走りに感心しきりの森慶太。
フォルクスワーゲン・シャランTSIハイライン(FF/6AT)【ブリーフテスト】

いまのいいモノ

こういうクルマを買う、ないしは「買おうかなーどうしようかなー」と考えを巡らせる人々は、フツーはそれなりの用途がアタマにあるからそうする。たとえば、“7人乗りのゴルフ”こと「トゥーラン」でもまだ客室および荷室のスペースが足りない。または、3列目まで使って人をのせてさらに荷物もある程度かもっと積んで出かける用事がわりと日常的にある。そういう場合に“フルサイズのミニバン”である「シャラン」が選ばれるのでありましょう。日本仕様フォルクスワーゲンのなかからは。

なのだけど、ホントにいいクルマはそういうのを超えたレベルでイイ。ほしくなる。乗りたくなる。たとえば、都内の一般道をトロトロ流してるだけでも「911GT2はサイコーだなあ!」とか。オフロード一生いかなくても「ランドローバー、これだよな!」とか。今回のクルマもそのケース。

楽々7人乗りのシャランを1人でドライブ、全然アリ。むちゃむちゃ楽しい、というか充実した時間をすごすことができる。独り暮らしでいっしょに乗る家族も友達もいないけど、遠出する機会が頻繁にあるのでシャラン。ナイスなクルマ選びだと思いますよ。疲れ知らずでラクちんで速くて、あと燃費方面の性能が優秀ということもあるし。

また他方、クルマというのは幻想コミで買われる商品でも大いにある。シャランに近いクラスの国産モノでいうと、たとえば「日産エルグランド」や「トヨタ・アルファード」。キャビンがデカいからとか天井がすごく高いからとか、そういう単純なコトであれらのクルマが買われているわけではあまりない。この先、詳しく説明しなくてもおわかりでしょう? そういう幻想。最近の言葉だと萌え、みたいな? 高速道路の追越し車線で前走車の背後にビタッとハナ先をつけるとすぐに道を譲ってもらえる……というのはあるイミ実用性能。もちろん、やっちゃダメ。

 
フォルクスワーゲン・シャランTSIハイライン(FF/6AT)【ブリーフテスト】

シャランの場合、見た目その他表面的な印象の部分での幻想かきたてパワーが強いタイプの商品ではあまりないと思う。同じフォルクスワーゲン製品でも「T5」というのか「マルチバン」というのか、つまり旧「ヴァナゴン」の現在形ぐらいになると、見た目だけで大いに萌えさせるものがある(そして乗るともっとイイ)。シャランはそこまでいってない。いまのフォルクスワーゲン流のスタイリング手法でこのテのクルマをスタイルするとこうなります、ということではほかの多くの日本仕様フォルクスワーゲン車とまあ同じだけれど、「ゴルフ」みたいな誰が見てもパッとそれとわかるほどのアイコン存在ではない。もちろん「パサートCC」みたいでもない。

でも運転すると、座ってみると……というところがミソ。要は乗って、使ってみて萌える。正味の性能のスゴさに(パサートCCも、実は試してビックリ物件ではある)。クルマのデキに関していうと、最近のフォルクスワーゲンはいい波にノりまくっている。勢い、ありまくり。ずっとあとになって振り返ったら、黄金時代ということになるのではないか。

そういうなかでも、新型シャランの印象はひときわ強い。いまの実用新車界におけるいいモノがどんなモノか身をもって知りたいなら、これとあと「ゴルフ1.2TSI」の試乗は欠かせない。萌えなくても。ワーゲンがキラいでも。この2台だったら、冷えきった試乗車をそのへんチョイ乗りしかできなくても「なーんかイマイチだなあ」ってことにはならないと思う。ということで、オススメ。「俺だったらガラス屋根のオプションは要らないなあ」とか「受注生産で素の仕様をいっときたいなあ」とかはありますけども。 

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