新型「日産ティーダラティオ」北米でデビュー【ニューヨークショー2011】

2011.04.22 自動車ニュース
新型「日産ヴァーサセダン」
新型「日産ティーダラティオ」北米でデビュー【ニューヨークショー】

【ニューヨークショー2011】新型「日産ティーダラティオ」北米でデビュー

北米日産は、2011年4月20日に開幕したニューヨークショーで、新型「ヴァーサセダン」を初公開した。

■常識破りのコンパクト!?

「ヴァーサセダン」とは、日本でいうところの「ティーダラティオ」である。北米では「ティーダ」を「ティーダハッチバック」、そして「ティーダラティオ」を「ヴァーサセダン」の名で販売しているのだ。車名の「ヴァーサ(Versa)」とは「多用途な空間」を意味する「versatile space」からの造語だという。
4月19日に開幕した上海モーターショーで、ハッチバック版の新型「ティーダ」がお披露目されたが、1日遅れてニューヨークでセダン版も世代交代がアナウンスされたというわけだ。

とはいうものの、この新型「ヴァーサセダン」の姿には、どこか見覚えがある。昨年12月に開かれた中国は広州ショーで、日本では懐かしい「サニー」の名を冠した新たな小型セダンがデビューしたのは記憶に新しい。写真で見た限りでは、新型「ヴァーサセダン」は、すでに中国で発売されているその新型「サニー」と同じに思えるのだ。

それはさておき、新型「ヴァーサ」のキャッチフレーズは、コンパクトセダンの常識を破った「ビッグ・スモールカー」。小型でありながら、広い室内、高品質、低燃費を低価格で実現した「見かけは小さいが内容は大きい」セダンだというのだ。

「versatile」の頭文字をとったという新世代のFF用「グローバルVプラットフォーム」は、従来のBプラットフォームに比べ簡略化され、約70kg軽量化された。その上に載るボディは、全長×全幅×全高=4455×1695×1514mmで、ホイールベースは2600mm。先代と比べホイールベースと全幅は同じで、全長は15mm短く、全高は30mm低くなった。実質的には先代と変わりはないが、依然として日本の5ナンバー規格に収まっている。

ボディのスタイリングは、より洗練されたと同時に、空力的にもブラッシュアップされたという。たしかにリアオーバーハングが68mmほど長くなったことで、ハッチバックにトランクを付け足したような(実際そうなのだが)先代の印象は払拭され、セダンらしい落ち着きのあるプロポーションになった。

■広さとエンジン性能が自慢

新型のセリングポイントのひとつが、ボディサイズをそのままに居住空間を拡大したこと。プレスリリースによれば室内空間は2549リッターで、トランクルームの容量は419リッター。そう言われてもピンとこないが、たとえば後席のレッグルームは「レクサスLS460」や「BMW5シリーズ」、「メルセデス・ベンツEクラス」より広いという。

もうひとつの売りが、環境性能と燃費を高めたパワートレインである。最高出力109hp/6000rpm、最大トルク14.8kgm/4400rpmを発生する1.6リッター直4エンジンは、「HR16DE」という型式名こそ従来と同じながら、このクラスでもっとも進んだエンジンへと大きく進化した。

日産は1気筒あたり2本のインジェクターで燃焼室への燃料噴射を行う「デュアルインジェクター」を、量産乗用車用エンジンとしては世界で初めて実用化し、すでに「ジューク」や中国向け「サニー」用の「HR15DE」に搭載している。
新型「ヴァーサセダン」の「HR16DE」にも、このデュアルインジェクターが採用された。よりキメの細かい燃料噴射が可能になり、燃焼の安定性が大幅に向上し、排出ガス中の炭化水素(HC)の発生も抑制される。また、従来は吸気バルブ側だけだった連続可変バルブタイミングコントロール(CVTC)が、排気バルブ側にも導入された。デュアルインジェクターとの組み合わせによって、熱効率の向上および吸気抵抗(ポンピングロス)の減少を図り、従来比で約4%燃費が向上したという。

トランスミッションには、「ジューク」や「マーチ」に採用されている「次世代エクストロニックCVT」が採用された。従来からのCVTに比べ小型軽量ながら、副変速機を備える独自構造で、トルクコンバーター式の7段ATよりも広い変速比幅と高効率を実現している。

こうした次世代のエンジンとCVTを組み合わせたパワートレイン、そして空力性能を向上させたボディによって、燃費は1ガロンあたり市街地モードで30マイル(12.7km/リッター)、高速モードで37マイル(15.7km/リッター)、混合モードで33マイル(14.0km/リッター)と発表されている。

北米市場向けの、この新型「ヴァーサセダン」はメキシコ工場で生産され、2011年夏に2012年モデルとして発売予定という。これまでのお披露目の順番は、1番中国、2番アメリカだが、はたして日本は3番になれるのだろうか?

(文=沼田 亨)

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。

関連記事
  • 日産ノートe-POWER X(FF)【試乗記】 2016.11.21 試乗記 外部充電機能を持たないシリーズハイブリッド車ながら、静かで加速のよい“EV風味”を持つ「日産ノートe-POWER」。200万円を切る手ごろな価格で実現した“ワンペダルドライビング”がもたらす走りとは? 中間グレードの「e-POWER X」に試乗した。 
  • 「日産ノート」にハイブリッド車の「e-POWER」が登場 2016.11.2 自動車ニュース 日産がコンパクトカー「ノート」をマイナーチェンジ。新たにハイブリッド車の「e-POWER」を設定した。e-POWERはエンジンが発電した電気によってモーターを駆動する、シリーズハイブリッドシステムであり、最高で37.2km/リッターの燃費を実現している。
  • 「日産ノート」に上質な内外装のカスタマイズモデル「モード・プレミア」登場 2016.11.2 自動車ニュース オーテックジャパンが、日産のコンパクトカー「ノート」の新しいカスタマイズモデル「モード・プレミア」を12月に発売すると発表。高級感を重視した特別な内外装が特徴で、オプションで運動性能を高める「ツーリングパッケージ」も用意されている。
  • 「スバル・インプレッサ」の1.6リッターエンジン搭載グレード発売 2016.11.28 自動車ニュース 富士重工業は2016年11月28日、新型「スバル・インプレッサ」の1.6リッターエンジン搭載グレード「1.6i-L EyeSight」を同年12月20日に発売すると発表した。最高出力は115ps、最大トルクは15.1kgmで、トランスミッションにはCVTを採用する。
  • ホンダ・フリード/フリード+【試乗記】 2016.11.7 試乗記 ホンダのコンパクトミニバン&ハイトワゴンの「フリード」シリーズがフルモデルチェンジ。ハイブリッドのFF車、ハイブリッドの4WD車、そしてガソリンエンジンのFF車と、3つの仕様に一斉試乗し、2代目となった新型の実力を確かめた。
ホームへ戻る