世界基準になる!? 上海モーターショー開幕!【上海ショー2011】

2011.04.20 自動車ニュース
第14回上海モーターショー開幕!【上海ショー2011】

【上海ショー2011】世界基準になる!? 第14回上海モーターショー開幕!

2011年4月19日、中国・上海市で開幕した上海モーターショー。現地に駆け付けた自動車ジャーナリスト森口将之が会場からリポートする。


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新型「フォルクスワーゲン・ビートル」。市販型。
新型「フォルクスワーゲン・ビートル」。市販型。

■2年前の5割増し!

上海モーターショー(上海国際汽車工業展覧会)は今年で14回目を迎える。2年前に行われた前回、初めてこのショーを訪れた僕は、スケールとエネルギーに圧倒された。でも今回は、それ以上だった。

市南東部の浦東地区にある上海新国際展覧中心(ニュー・インターナショナル・エクスポ・センター)を会場とすることはいままでと同じだが、前回はW(西)館1〜5とE(東)館1〜4の合計9つの建物を使っていたのに対し、今回はW館の5つはそのままで、E館が7つまで増えたうえに、新たに作られたN(北)館の5も展示に充てられていた。たった2年でスペースが1.5倍になったのだ。
ちなみにN館で完成しているのは5だけで、1〜4は建設中だった。2年後の2013年には、ここも使われるのかもしれない。もしそうなれば、2年前の倍の展示スペースを持つことになる。超ハイペースの経済成長に、驚きを通り越して、恐れさえ抱くようになった。

アウディ「Qシリーズ」の最小モデル「Q3」。市販型。
アウディ「Qシリーズ」の最小モデル「Q3」。市販型。
東風日産の新ブランド「啓辰(ヴェヌーシア)」のコンセプトカー。
東風日産の新ブランド「啓辰(ヴェヌーシア)」のコンセプトカー。

■新興国向けモデルを多数展示

欧米メーカーの中国市場重視の姿勢はさらに加速していた。前回のワールドプレミアは、オールニューでは「ポルシェ・パナメーラ」ぐらいだったと記憶しているが、今回は「フォルクスワーゲン・ビートル」、「アウディQ3」、一足先に紹介した「シトロエンDS5」など、その数が一気に増えた。先進国では売りにくい大排気量車だけでなく、庶民的な車種であっても、デビューの場に上海を選ぶようになったのだ。

中国をはじめとする新興国向けの車種が多く見られたのも印象的だった。プジョーは「308」をベースとした4ドアセダンの「408」を展示し、フォルクスワーゲンはヨーロッパで発表したものとは異なる新型「パサート」をお披露目していた。かつて専用車といえば多くが北米向けだったが、今後は中国でしか見られないモデルが増えるかもしれない。

日本メーカーでは、中国市場でも人気の「日産ティーダ」がモデルチェンジを発表し、ホンダは「クロスツアー」という専用車種を登場させた。さらに広汽ホンダは「理念」、東風日産は「啓辰(ヴェヌーシア)」と、中国のユーザーに手の届きやすい新しいブランドを立ち上げていた。
ただこうした新ブランド設立の動きは、欧米メーカーとのジョイントではあまり見られない。足元を見られているのではないか? という気になったのも事実だ。

中国やブラジルなど新興国向けの「プジョー408」。「308」がベース。
中国やブラジルなど新興国向けの「プジョー408」。「308」がベース。
プジョーのプレスカンファレンスの様子。
プジョーのプレスカンファレンスの様子。
メルセデス・ベンツ次期「Aクラス」のコンセプトカー。
メルセデス・ベンツ次期「Aクラス」のコンセプトカー。

■予想を超える勢いの中国勢

迎え撃つ中国勢はどうだったかというと、上海の街並み同様、異なる時代が同居しているような光景が見られた。あからさまなコピー商品をいまだに目にする一方で、日本のメーカーよりはるかに魅力的なデザインの車両も数多く展示されていたからだ。これは韓国車にもいえることだが、コストダウンに走る傾向のある一部の日本車よりも、はるかに健全な造形が目を楽しませてくれた。

メカニズムも先輩たちに引けをとらない。高級車やスポーツカーの分野では先進国に及ばないけれど、EV(電気自動車)やHV(ハイブリッドカー)への取り組みは、2年前に輪をかけていた。主要メーカーのブースには必ずEVやHVが置かれており、PHV(プラグインハイブリッドカー)やFCV(燃料電池自動車)もめずらしくない。この点においてはヨーロッパやアメリカの先を行き、日本さえも追い越してしまいそうな勢いだ。

E館、W館、N館の3館は三角形を描くように建っていて、その中には商用車やパーツのブースのほか、ラジオ局やウェブサイトのサテライトスタジオも並び、来場者が参加できるゲームを行っている場所もあった。日米欧のモーターショーではまず見かけない「ゆるキャラ」が、2年前から一気に増殖していたのも特徴だった。

デザインも、メカニズムも、そしてエンターテインメントも、すべてに勢いがある。しかもそれが、世界基準になってしまいそうなエネルギーを秘めている。いままで僕たちは、ヨーロッパ車を基準にクルマを見つめてきたけれど、その見方を変える日が近々やってくるのではないか? と、2年ぶりの上海ショーで思ってしまった。

(文と写真=森口将之)

永源汽車(ジョンウェイ)が出展した3輪EVスポーツのコンセプトカー「ザップ・エイリアス」。
永源汽車(ジョンウェイ)が出展した3輪EVスポーツのコンセプトカー「ザップ・エイリアス」。
オランダのスーパーカー「スパイカーC8」。
オランダのスーパーカー「スパイカーC8」。

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