新車ラッシュのジュネーブショー2011が開幕【ジュネーブショー2011】

2011.03.02 自動車ニュース
会場の様子。ギュッと凝縮された展示スタイルが、ジュネーブショーの特徴となっている。
新車ラッシュのジュネーブショー2011が開幕【ジュネーブショー2011】

これぞモーターショー! 「ジュネーブショー2011」が開幕

ワールドプレミア60台以上という、未曾有の新車ラッシュとなった2011年のジュネーブショー。まずはその全体的な印象をお伝えする。

フェラーリの新しいフラッグシップ、「FF」。斬新なパッケージを採用した意欲作だ。
フェラーリの新しいフラッグシップ、「FF」。斬新なパッケージを採用した意欲作だ。
ハッチバックを持つ3ドアの「FF」。スタイリングはこれまでどおり、ピニンファリーナが担当する。
ハッチバックを持つ3ドアの「FF」。スタイリングはこれまでどおり、ピニンファリーナが担当する。

■主役はドイツと思いきや……?

モーターショーとしては決して大きくないジュネーブショーの会場は、新型車であふれかえっている。
どこを見ても新型車だらけ。2010年のパリサロンも多くのニューモデルに恵まれたが、勢いはそれ以上だ。昨年末からLAショー、デトロイトショーと取材してきた身としては、その落差にあぜんとする。今回のジュネーブショーを目の当たりにすると、北米の2大ショーが単なる地方の自動車展示会にしか思えない。

そんな81回目を迎えた今年のジュネーブショーで主役の座を射止めたのはイタリア勢である。
大規模自動車メーカーを持たないスイスは自動車業界的にも中立国。そのため比較的、世界各国のメーカーからまんべんなく新型車が発表されてきた。とはいうものの、それでもやはり近年は、自動車大国ドイツの活躍が目覚ましかったのは事実である。ドイツ勢は自動車業界における勢力図をそのまま反映したような大きな展示スペースに、何台ものワールドプレミアを飾り、観客の目をくぎ付けにしてきたのだ。

もちろん今年も、ドイツメーカーからも多くの新型車が持ち込まれている。台数では相変わらずトップ独走だ。しかし、今年のイタリア勢は話題性で“自動車大国”を上回った。その軸となったのがフェラーリとランボルギーニ、世界を代表する2大スーパーカーメーカーである。

新開発の6.5リッターV12気筒エンジンを搭載する「ランボルギーニ・アヴェンタドール」。
新開発の6.5リッターV12気筒エンジンを搭載する「ランボルギーニ・アヴェンタドール」。
新型ランボの見た目は、正常進化。しかし中身は、驚くほど大きな進化を遂げたという。
新型ランボの見た目は、正常進化。しかし中身は、驚くほど大きな進化を遂げたという。

■スーパースターの競演

フェラーリは「612スカリエッティ」の後継車となる「FF」、ランボルギーニは「ムルシエラゴ」の後を受け継ぐ12気筒モデルの「アヴェンタドール」というフラッグシップモデルをお披露目し、話題をかっさらっていったのだ。

FFはフェラーリとしては初のフル4シーターというパッケージと、やはりフェラーリ初となる4WDパワートレインなど、斬新なパッケージを採用してきた。スタイリングもハッチゲートを備える、フェラーリとしてはかなりユニークなフォルムとなる。

またアヴェンタドールも、V12気筒をミドに搭載したスーパースポーツモデルというコンセプトに変わりはないが、ボディをはじめ、エンジンやトランスミッションなど、中身をすべて刷新。ボディのセンターモノコックはなんとカーボン製だ。

といったように、この2台はスーパーカーメーカーのフラッグシップという記号性だけでも十分話題性に富んでいるのだが、それだけにはとどまらず、クルマそのものに見るべきものが盛り込まれていたのである。

スーパースポーツ「パガーニ・ゾンダ」の後継モデル、「ウアイラ」。エンジンは、メルセデス製の6リッターV12ツインターボ。
スーパースポーツ「パガーニ・ゾンダ」の後継モデル、「ウアイラ」。エンジンは、メルセデス製の6リッターV12ツインターボ。
ジュネーブショーには欠かせないのがスイスのリンスピード。今回はビーチカー風のEVを出展。
ジュネーブショーには欠かせないのがスイスのリンスピード。今回はビーチカー風のEVを出展。
デ・トマソ復活第1作目はスーパーカーではなく、「ドーヴィル」と名付けられたクロスオーバーだった。
デ・トマソ復活第1作目はスーパーカーではなく、「ドーヴィル」と名付けられたクロスオーバーだった。

■近年まれにみる活気

ジュネーブショーの特徴であるカロッツェリアや小規模メーカーの活躍も見逃せない。新しいV12気筒ミドシップのスーパースポーツ「ウアイラ」をお披露目したイタリアのパガーニをはじめ、話題作が満載。展示スペースは大規模メーカーの10分の1程度でしかないが、注目度では大規模メーカーに決して劣っていなかった。
また話題性という点では、長い間沈黙を続けてきたデ・トマソが復活の狼煙を上げたほか、あの往年の「スリーホイーラー」をよみがえらせたモーガンの存在も見逃すことはできない。

欧州では今、とくにドイツの景気がいいという。おそらくその差が大きく影響しているのだろうけど、北米や前回の東京モーターショーにはない活気にあふれていた。これぞモーターショーである。「そんな簡単に言うなよ」とあきれられてしまうかもしれないが、モーターショー好きなら、今すぐ飛行機のチケットを取ってぜひ見に来てほしい。思わずそう言いたくなるほど、今回のジュネーブは興奮に満ちあふれた内容となっていた。

(文と写真=新井一樹)

モーガンの新しい「スリーホイーラー」。再生産ではなく、まったくのブランニューモデルだ。
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