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【スペック】全長×全幅×全高=4945×1845×1500mm/ホイールベース=2900mm/車重=1860kg/駆動方式=FR/3.5リッターV6DOHC24バルブ(306ps/6800rpm、35.7kgm/5000rpm)、交流同期電動機(68ps、27.5kgm)/価格=577万5000円(テスト車=646万8000円/BOSEサラウンド・サウンドシステム=18万9000円/特別塗装=5万2500円/プレミアムインテリアパッケージ=45万1500円)

日産フーガハイブリッド(FR/7AT)【試乗記】

おもしろハイブリッド 2011.01.26 試乗記 日産フーガハイブリッド(FR/7AT)
……646万8000円

燃費性能を声高にアピールする、日産の高級セダン「フーガハイブリッド」。その主張の真偽のほどを、長距離ドライブで試した。

力試しの1200km

「日産フーガハイブリッド」で興味深いのは、何といってもその燃費性能である。そこで、とりあえず東京〜大阪間の往復を試みた。往路は高速道路、帰路は一般国道と走行パターンを変えて、さらに東京〜横浜を2往復して首都圏の燃費もとってみた。

まず高速道路での印象から。土曜日だったこともあり、交通量はかなり多い。しかし渋滞して止まってしまうほどではなく、大型トラックは多いものの流れてはいる。瞬間的には120km/h、上り坂でトラック同士の追い越しに続く時などは60km/hまで落ちる、といった走行パターンを繰り返す。

そんなとき、Dレンジのままだと分からないが、マニュアルモードにシフトしてその時のギアポジションをみると、4速か5速に入っていることが多い。フーガハイブリッドのATは7段であるものの、高速道路ならトップギアの7速で走っているかというと、決してそうではない。
平坦路を100km/hで走ってるときにマニュアル操作でシフトアップさせても、走行抵抗に勝てるほどエンジン回転は上がらず、すぐシフトダウンしてしまう。5速でも1500rpmでの使用を前提にしているに過ぎない。一番燃費が稼げる条件と思われる7速におけるミニマムな速度は130km/h、ということになりそうだ。

オプションのプレミアムインテリアは、本革巻きステアリング&シフトノブやスエード調ルーフ、銀粉本木目フィニッシャー、前席シートバックグリップベルト、セミアニリン本革シート、前席エアコンディショニングシートが装備される。
オプションのプレミアムインテリアは、本革巻きステアリング&シフトノブやスエード調ルーフ、銀粉本木目フィニッシャー、前席シートバックグリップベルト、セミアニリン本革シート、前席エアコンディショニングシートが装備される。 拡大

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無意識のハイテク/対話できるハイテク

一方このハイブリッドシステムは、ガソリンエンジンとモーターの間、モーターと駆動輪の間にあわせてふたつのクラッチをもち、下り坂など負荷が軽くなるとエンジン側のクラッチを切って惰力走行モードに移行、エンジンはストップする。
後部クラッチがつながると駆動輪からのトルクで充電するか、微小の負荷ならばモーターが駆動する。この辺の動力伝達の切り替えは十分にスムーズで、ふたつのクラッチと電気モーターがうまく作動して、トルクコンバーターの代わりに回転差を吸収してくれる。

たとえば、大きなトラックの後方に追尾して走るような状況では、スリップストリームを利用するような感じで、エンジン回転ゼロのまま引っ張られて走る感覚があり、これは相当燃費がよくなりそうだと予感させる。運転法としてイケナイとされていた、ギアを抜いて惰力運転している区間もある。昔と違ってフットブレーキもよく効くし、エンジンブレーキが必要ならばモーターは回生ブレーキとなり、さらにバッテリーがフルならばエンジンが始動してエンジンブレーキ状態となる。そんなことが、ドライバーの思考とは無関係に全部自動的に行われるのだ。

ただ、右足の感触はちょっと奇異だ。走行モードを「ECOモード」にすると、アクセルペダルに反力をあたえてドライバーに燃料消費の低減を促す機能が働くため(ECOペダル)、アクセルペダルに載せている足の裏には、意思と無関係に押したり引いたり、勝手に動く感触が伝わる。これを嫌う人もいるかも知れないが、私自身は嫌うどころか情報として甘受したい。「ああ、いまモーターに替わった」とか、負荷が変化したことに対応する機械の動きがオモシロイとさえ思う。だから、個人的には嫌いなAT車であっても、眠くなるようなことは無かった。クルマとの対話が楽しめるからだ。


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ナビ画面には、エネルギーモーターと平均燃費/瞬間燃費、地図の3つを同時に表示することもできる。
ナビ画面には、エネルギーモーターと平均燃費/瞬間燃費、地図の3つを同時に表示することもできる。 拡大

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環境問わず立派な燃費

大阪で一旦高速道路から下りて、給油してみる。ゲージはまだ4分の1残っているが、40.73リッター入って、満タン法で13.25km/リッターの燃費を得る。ちょっと期待値には届かなかったが、走行可能距離は741kmと出た。

これはこれで結構飽きないと感じたが、同じパターンで高速道路を戻るのも能がないと思い、帰路は国道25号で亀山に出て、さらに国道1号東海道を帰ることにした。
こちらはバイパスも完備されており信号機のスパンも長いので、現実的には60-90km/hほどで流れている。加減速や勾配の頻度が高いから、高速道路よりもはるかにクルマとの対話が楽しめる。また同じくDレンジからマニュアルモードに変えてギアポジションを確かめると、こちらはほとんど3速で走っている状況が多い。そしてもちろんエンジンは頻繁にオン/オフを繰り返す。
横浜に戻ってきて給油すると、今度は44.52リッター入って、燃費は12.12km/リッターと出た。区間走行距離は偶然ながら540kmと同じ。一般道を使っての結果だから立派なものだ。

次の日は横浜〜東京間を2往復、首都圏の実用に近い状況で燃費性能を試してみる。その結果は、183kmで11.0km/リッターとなった。これも、加減速の激しさや渋滞を考慮するなら、「2桁いけば立派」と評価されてしかるべきだ。

ハイブリッドといえば「トヨタ・プリウス」のプラネタリー方式が技術的にはオモシロイ。だがあの構造では変速機がつかない。将来の可能性としては電気式のオーバードライブくらいだろうか。そこへいくと、エンジンとモーターを直列に配するハイブリッド方式は技術的にはつまらない。ホンダ方式はマニュアルギアボックスがオモシロイが、モーターだけでは走れないから、燃費は思ったほど伸びない。
モーターだけでも走る日産方式は、ATでもオモシロイ。アクセルペダルの踏み分けでいろいろな走行パターンが経験できるし、ホンダ方式より燃費はいい。ニュートラルで転がっている区間はエコラン競技のようでもある。

どの方式であれ、省エネ運転の極意は回収した電気をいかに使うかであり、バッテリーをできるだけ「空」にしておくのが鍵だ。その点、フル充電気味になってないと心配なシニアドライバーは考えを改めなければならない。機械の作動も、フーガハイブリッドの量産がすすめば、ますます洗練されていくだろう。

(文=笹目二朗/写真=荒川正幸)


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前席に備わるエアコンディショニングシート(オプション)は、背中の部分と座面から、設定温度に合わせて温風・冷風が出るもの。助手席のオットマン機構は標準装備。
前席に備わるエアコンディショニングシート(オプション)は、背中の部分と座面から、設定温度に合わせて温風・冷風が出るもの。助手席のオットマン機構は標準装備。 拡大

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今回の総走行距離は1262km(一般道6:高速道路4)。101.93リッターを給油し、平均燃費は12.38km/リッターという結果に。
今回の総走行距離は1262km(一般道6:高速道路4)。101.93リッターを給油し、平均燃費は12.38km/リッターという結果に。 拡大

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