東京オートサロン会場リポート(チューナー編)【東京オートサロン2011】

2011.01.15 自動車ニュース
有名チューナーが手がけたR35「GT-R」を7台まとめて展示した『OPTION』誌のR35GT-Rブース。
東京オートサロン会場リポート(チューナー編)【東京オートサロン2011】

【東京オートサロン2011】 東京オートサロン2011会場リポート(チューナー編)

年初の恒例となった、カスタマイズカーの祭典「東京オートサロン」。メーカー系ブースに続いて、チューナー系ブースの様子をリポートする。

「TOMMYKAIRA JAPAN/Axell Auto」の「Axell R35GT-R」。マッシブなボディキットを装着し、マットブラックで塗られいっそう迫力を増したエクステリアに、真っ赤な本革張りのインテリア。エンジンは「HKS」のGT800フルタービンキットを装着して800psを発生する。
東京オートサロン会場リポート(チューナー編)【東京オートサロン2011】
「HKS」のスーパーチャージャーキットを装着した「ホンダCR-Z」のエンジン。1.5リッターエンジンはステージ1チューンで170ps、写真のステージ2チューンでは200psまでパワーアップしているという。
東京オートサロン会場リポート(チューナー編)【東京オートサロン2011】

■「GT-R」はいまが旬?

自動車メーカーを除いたオートサロンの出展者は、本来のメインストリームであったチューナーやドレスアップのメーカー/ショップ、タイヤメーカー、ホイールメーカー、カーオーディオメーカーなどである。自動車メーカーに匹敵する大きなブースを構えるところから、クルマ1台を展示しているところまで規模はさまざまだが、来場者の興味をひくという意味では、規模の大小はあまり関係ない。極論をいえば、たった1台の出展車両が、自動車メーカーを含む大手の出展者を食ってしまうことさえあるのだ。そんなところもまたオートサロンの楽しさであり、醍醐味(だいごみ)といえるだろう。

今回のオートサロンは、内容的には低調だった前回に比べ、新たな出展車両も増え、上向き傾向にある印象を受けた。出展車両についていえば、まず感じたのは現行R35型の「日産GT-R」が目立っていたことである。
遡れば10年ほど前からベースカー不足に悩んでいたチューニングカーの世界にとって、2007年のR35「GT-R」の登場は待望久しい救世主の出現と期待されていた。しかし、翌2008年こそ新車効果でまとまった数が並んだものの、絶対的な価格の高さとメーカー保証の問題を含めたチューンのしにくさからか、前々回、前回と思ったほどの盛り上がりは見られなかった。

ところが発売から3年を経てベースカーとなる中古のタマ数が増えたということなのだろうか、今回は手を入れたモデルの出展が増えたように思えたのだ。ちなみにノーマルで530ps(最新モデル)という強力なエンジンは、チューナーの手がけた出展車両ではストリート仕様で600ps前後、ハイパワー仕様で800ps前後に高められているものが多く、最高では1000ps仕様というのも見られた。

「カーライフオート」の「トヨタ・ハイエース」。一見したところではローダウンして色を塗り替えただけのようだが、カタログには存在しないスーパーロングボディのロールーフという仕様。スーパーロングのハイルーフを切り詰めているのだ。
東京オートサロン会場リポート(チューナー編)【東京オートサロン2011】
「トヨタFJクルーザー」のなかで個人的に気に入ったのは、マッド(泥)のウェザリングが施されたオーディオブランド「KICKER」のデモカー。
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■ハイブリッドにもカンフル剤

そもそもはバッドボーイズ系のクルマの祭典だったオートサロンといえども、GT-R に代表される走り系を除いたドレスアップ系の出展車両については、じつは新車市場の傾向が多分に反映されている。
その証拠として、かつては会場内がミニバン祭りの様相を呈していたし、前回は「トヨタ・プリウス」や「ホンダ・インサイト」といったハイブリッド車が増加した。今回はそれらにハイブリッドスポーツたる「ホンダCR-Z」が加わったのだが、これには新たな試みが見られた。

その複雑なシステム構成ゆえにパワートレインに手を入れることはご法度であるプリウス系をはじめ、これまでハイブリッドのカスタムといえば内外装のモディファイに限られていた。だが、CR-Zには大手チューナーである「HKS」が開発し、すでに市販されているスーパーチャージャーを組み込んだモデルが目に付いたのだ。エコカーをドレスアップして車重を増やすこと、加えてパワーアップまでしてさらに効率を下げることに対して否定的な意見は当然あるだろうが、それを言いだしたらカスタム自体の否定につながってしまうので、ここではこれ以上の言及は避けたい。

いっぽう数年来続いているミニバンの減少傾向は相変わらずで、ますます少なくなっている印象を受けた。
だが、本来が商用ワンボックスバンである「ハイエース」に限っては話が別。現行の「H200系」は固定ファンを獲得しており、すでに単一車種でカテゴリーを形成しているといっても過言ではないだろう。

単一車種といえば、昨年ようやく正規で国内導入された「トヨタFJクルーザー」の展示が目立った。並行輸入されたモデルを少なからず目にしていたマニア的な見地からは、導入は「いまさら」感が強かったので、この展開は少々意外な気がした。

「ロールス・ロイス ファントム」をオリジナルのエアロキットと24インチという巨大なホイールでドレスアップした「AUTO CULTURE INTERNATIONAL」の「ACI-PREMIUM PHANTOM EWB」。
東京オートサロン会場リポート(チューナー編)【東京オートサロン2011】
初代「トヨタ・センチュリー」をピックアップトラックにしてしまった「NATS」(日本自動車大学校)の「NATS STAN」。
東京オートサロン会場リポート(チューナー編)【東京オートサロン2011】
見た目は強烈なハの字を切ったシャコタンのサニトラこと「サニートラック」、しかしてその中身は……なんと初代「プリウス」のハイブリッドシステムをまんま移植した「Wiz CONCEPT Hybrid Sunny」。国際情報工科大学校 自動車車体工学科の学生による力作である。
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■超高級車も競演

もともとオートサロンは日本車が大半を占めており、輸入車は少数派だった。だが、数年前から異なる団体によって輸入車のカスタマイズカーだけを集めた「スペシャルインポートカーショー」が開催され、年々その規模を拡大してきたことをにらんでか、一昨年には輸入車を別ホールに集めた「インポートオートサロン」が併催された。しかしこれは1回限りで終わってしまい、前回からは再び同じ会場に日本車・輸入車が同居している。

今回の輸入車は80数台で全体からすれば1割強にすぎないが、押し出しの強い高級車やスーパーカーの比率が高いぶん、数字以上の存在感が感じられた。なかでも前回は見られなくなっていたロールス・ロイスやベントレー、マイバッハといった超高級車とランボルギーニが目に付いた。ここオートサロンでは、いわゆるスーパーカーのなかでは、フェラーリよりもランボルギーニに分があるのである。

自動車専門学校による出展も定着して久しい。オートサロンの伝統芸ともいえる「切った張った」のカスタムで楽しませてくれるのは従来どおりだが、ハイブリッド車の心臓部を移植したり、オリジナルのEVを作り上げたりと、時代に即したアイディアの提唱と技術レベルの向上も見逃せない。

最後に付け加えると、今回は2005年以来久々にチューナー/ドレスアップメーカーである「ヴェイルサイド」が会場に戻ってきた。同社はかつてはド派手なカスタム車両とゴージャスなブース構成によってオートサロンのひとつの目玉となっており、映画『ワイルドスピード』シリーズにも同社のマシンが多く使われるなど、その世界では知らぬ者のない存在である。好き嫌いは別にして、ヴェイルサイドのいないオートサロンには一抹の寂しさを感じていただけに、いちファンとしては今回の復帰は歓迎すべきことである。

(文と写真=沼田 亨)

イタリア語でヨシキリザメを意味するという「SQUALO-AZZURRO」と名付けられた「ダックスガーデン」のコンセプトカー。ノーズを100mm延長し、リアオーバーハングを330mmも切り詰めたというボディには、ベースとなった「ホンダNSX」の面影はほとんど感じられない。
東京オートサロン会場リポート(チューナー編)【東京オートサロン2011】
ヴェイルサイドが究極のコンプリートカーとうたう「Veilside 4509GTR」。ベントレーと見まごうマスクだが、ベースは80系「トヨタ・スープラ」。カッコもスゴイが中身も強烈で、3リッター直6の2JZ-GTEエンジンは、760psまでチューンされているとのこと。
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