東京オートサロン会場リポート(メーカー編)【東京オートサロン2011】

2011.01.15 自動車ニュース

東京オートサロン会場リポート(メーカー編)【東京オートサロン2011】

【東京オートサロン2011】 東京オートサロン2011会場リポート(メーカー編)

年初の恒例となった、カスタマイズカーの祭典「東京オートサロン」が開幕。メーカー系ブースの様子をリポートする。

「レクサスIS F CCS-R」。CCS-Rとは“Circuit Club Sport Racer”の略で、ホワイトボディから組み上げられたというレース仕様車。このままニュルブルクリンク耐久にも出場可能とうたう。
東京オートサロン会場リポート(メーカー編)【東京オートサロン2011】
「ニスモGT-R RC」。RCは“Racing Concept”の略。スリックタイヤ対応、軽量化、安全対策などを施したサーキット走行専用車両で、世界各国で行われているプロダクションレースに出場可能という。つまりコンセプトは「レクサスIS F CCS-R」とほぼ同じ。
東京オートサロン会場リポート(メーカー編)【東京オートサロン2011】

■祭りの勢い、盛り返し

主催者発表によれば、29回目を迎えた今回の出展台数は640台。前回は625台だったから増加したことになるが、単純に台数をみれば、15台の差というのはさほどではないようにも思える。
だが、その内容となると、前回と今回ではかなりの違いがある。2008年のリーマンショック以来の不況により、前回は自動車メーカーをはじめとする大手の出展中止が相次いだ。置かれた状況としては、外国メーカーの多くが出展を中止し、空きスペースが目立った2009年の東京モーターショーとほとんど同じだったのだ。

しかし、いわば「官製」である東京モーターショーがそうした状況をそのまま露呈して史上最低と評されたのに対して、「民間」の東京オートサロンは違った。主催者が必死の努力で出展車両を集め、展示スペースを縮小することなく広い幕張メッセを埋めたのだ。ちなみに前回の出展者数は過去最高の402で、今回の361より約1割多かった。このことからも、前回は小規模な出展者を文字通り「かき集めた」ことがわかるだろう。

厳しい状況といえども「カスタム文化の火を消してはならない」という、こうした関係者の心意気がクルマ好きに伝わったのか、入場者数は前々回比3.8%増の23万7954人を数えた。この数字から判断すれば成功に終わったといえるが、かき集められただけに出展車両のなかには過去に目にしたことのあるものが少なくなく、内容的には新鮮味には乏しかったのも事実だった。

そんな前回に対して、今回はどうだったのか? 10数年前からオートサロン全体の印象を大きく左右する存在となっている自動車メーカーの動向はというと、今回の出展は5社。数年前まで競い合うように出展規模を拡大していたのがうそだったかのように、前回はトヨタ、日産、ホンダの3社のみとなってしまったが、今回はそれらに加えてスバルとスズキが復活。各社ブースのディスプレイなども含め、前回よりは勢いが持ち直している感があった。
いっぽう海外メーカー(インポーター)は、前々回以来のアバルトに加えて新たにルノー・ジャポンが出展した。

ホンダの「TS-1X」。実際に空力などのテストに供している実験車両だが、これまでのホンダのコンセプトモデルの造形が比較的おとなしいと評されていたことを踏まえて、アグレッシブな方向に振ってみたという。
東京オートサロン会場リポート(メーカー編)【東京オートサロン2011】
ホンダのブースに設置されていた、オートサロン会場限定のSHINICHIRO ARAKAWAとのコラボTシャツを販売するベンディングマシン。Tシャツの価格は1000円と良心的だった。
東京オートサロン会場リポート(メーカー編)【東京オートサロン2011】

■気を吐くトヨタに工夫のホンダ

メーカー別に見ると、前回「G's」という新たなブランドを立ち上げ、豊田章男社長が来場してトークセッションに参加するなど、全体的な縮小傾向にあらがうように気を吐いていたトヨタは、今年もまずまず力が入っていた。 「プリウス」と新型「ヴィッツ」のG's仕様、「レクサスCT200h」の「F SPORT」などの新顔を含め、G's、GRMN、TRD、モデリスタ、TOM'S、レクサスなどのブランド/ディビジョンから計17台を出展。ボリューム的には十分だが、一昨年秋の東京モーターショーと前回のオートサロンに出展され、市販に向けて開発が進められているという「FT-86」の姿が見られないことに不満を覚えるファンもいるかもしれない。

日産はプロダクションレースの出場を前提とした「GT-R」のサーキット専用車両である「ニスモGT-R RC」、先頃デリバリーが始まった「リーフ」の「エアロスタイル コンセプト」を筆頭に、日産、オーテック、ニスモの3ブランドから9台を展示していた。

出展メーカーのなかで新味を感じさせたのがホンダである。ショップやガレージが並ぶストリートを模したと思われるデザインのブースに、「CR-Z」ベースの参考出品車である「TS-1X」を筆頭とする11台の四輪に加えて、新たに7台の二輪と2台の耕うん機などの汎用製品を展示し、新しい独自の世界を展開していた。

ちなみに今回から、会場内で展示車両およびパーツやグッズ類の販売が行われるようになった。自動車メーカーではさすがに車両本体の販売はしていなかったものの、各社ともノベルティグッズ類を並べていたのだが、ここでもホンダはひとひねりしたアイディアを披露していた。10年以上前からコラボレートしているファッションデザイナー、「SHINICHIRO ARAKAWA」が手がけたTシャツを収めた自販機を設置していたのである。

エアロパーツを装着し、足まわりを固め、マフラーを交換するという定番ともいえるライトなモディファイが施された「スバル・トレジアSTIコンセプト」。
東京オートサロン会場リポート(メーカー編)【東京オートサロン2011】
「スズキMRワゴン コンセプト」。コンセプトと名乗ってはいるものの、1月20日に正式デビューする新型「MRワゴン」そのもの。つまりどノーマルである。
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新たに参加したルノー・ジャポンは、新型「メガーヌ ルノースポール」を出展した。
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■スバルとスズキも復活

前回は同社のモータースポーツ部門を統括するSTI(スバルテクニカインターナショナル)として2台のみの出展に終わったスバルは、今回は本体である富士重工業とSTIの共同出展ということで、大幅に拡大というか復活。昨秋デビューした「トレジア」の「STIコンセプト」、「レガシィ」および「エクシーガ」の「tSコンセプト」などの参考出品車を含め8台を展示していた。3台の競技車両を除いては、いずれも市販車あるいは市販が前提と思われるモデルである。

同じく復帰組であるスズキは6台を展示。カスタムペインティングを施された3台の「ソリオ」を中心に「スイフト」、そして参考出品として間もなくデビュー予定の新型「MRワゴン」という構成で、オートサロンであるにもかかわらず走りを強調したモデルはなし。しかも1台展示されたスイフトが、「スイフトスポーツ」でなかったことには首をかしげざるを得なかった。

海外メーカーについては、アバルトが「500C」と「プント エヴォ」、ルノー・ジャポンが2011年2月発売予定の新型「メガーヌ ルノースポール」を2台展示していた。

(文と写真=沼田 亨)

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