アウディの旗艦「A8」がフルモデルチェンジ

2010.12.15 自動車ニュース

アウディの旗艦「A8」がフルモデルチェンジ

アウディの旗艦「A8」がフルモデルチェンジ

アウディジャパンは2010年12月15日、フルモデルチェンジした「A8」を発売した。

V8モデルではヘッドライトはフルLEDとなる。V6モデルもオプションで装着可能。
V8モデルではヘッドライトはフルLEDとなる。V6モデルもオプションで装着可能。

アウディの旗艦「A8」がフルモデルチェンジの画像
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■ライバルよりもスポーティ

本国ドイツでは2009年12月に発表された、新型「A8」がついに日本に上陸した。アウディのフラッグシップサルーンとして1994年に初代がデビュー、2003年に2代目に生まれ変わり、今作で3世代目となる。「The Art of Progress(=革新の美学)」をコンセプトに、美しいデザインと革新的テクノロジーによる、ラクシャリークラスの新たな価値をうたう。

全長×全幅×全高=5145(先代比+90)×1950(+55)×1465(+15)mmというディメンションは、先代よりひとまわり大きいサイズ。ホイールベースは2990mmで、こちらも先代より45mm延長された。ドイツのライバルである「メルセデス・ベンツSクラス」(全長5100mm)や「BMW7シリーズ」(同5070mm)を上回る、堂々とした体格を持ちながら、全高はいずれのモデルよりも低く、クーペモデルのようなルーフラインとともにスポーティさがアピールされる。
なお、ロングホイールベース版「A8 L」も用意され、こちらは全長が5275mm、ホイールベースが3120mmとなる。

フロントマスクの大胆なシングルフレームグリルは、先代(マイナーチェンジ後)より継承。ハイビーム、ロービーム、ポジション、ウインカーすべてがLEDとなるヘッドライト(V8モデルに標準)も、今作のトピックの一つである。

初代A8で初めて採用されたアルミボディのASF(アウディスペースフレーム)も、引き続き採用する。新型ではオールアルミではなく、高強度スチール素材なども組み合わせられるハイブリッド構造となり、軽量化に貢献。ボディ剛性も従来型に比べ約25%アップしたとうたわれる。

ボディ下部はすべてパネルで覆われ、空力性能の向上のほか、コンポーネンツが飛び石などでダメージを受けるのを守る役割を持つ。Cd値は0.26。

中央右側の黒い部分がタッチパッド。写真は右ハンドル仕様のものだが、左ハンドルではシフトレバーのレイアウトとともに、位置が逆転する。
中央右側の黒い部分がタッチパッド。写真は右ハンドル仕様のものだが、左ハンドルではシフトレバーのレイアウトとともに、位置が逆転する。
V6モデルは12ウェイ、V8モデルは22ウェイとなるフロントパワーシートを装備。なお、写真のシートはオプションとなる「アウディデザインセレクション」のもの。
V6モデルは12ウェイ、V8モデルは22ウェイとなるフロントパワーシートを装備。なお、写真のシートはオプションとなる「アウディデザインセレクション」のもの。

■タッチパッドを搭載

ダッシュボードまわりは大型クルーザーをイメージしたというもので、キャビン全体を包み込むようなアーチ型の形状を採用。広々ゆったりとした空間となっている。各部の素材も吟味されており、本革やアルミ、銘木で構成されるインテリアは、「エレガントで洗練されたスタイル」(プレスリリース)を目指したものという。
室内のアンビエンスライトは3色20段階の調光が可能で、オーナーの好みに演出をすることができる。

メーターナセル内は、タコメーターとスピードメーターが左右に配置され、その中間に7インチという大きな画面のDIS(ドライバーズインフォメーションシステム)が収められる。ここには車両情報のほかオーディオやナビゲーション情報も表示される。

センターコンソールには独特な形状のATセレクターが鎮座する。バイワイヤとすることで、レバーというよりスイッチに近い操作感となった。
アウディのマルチメディアインターフェース「MMI」は「MMIプラス」に進化。「MMIタッチ」と呼ばれるタッチパッドを搭載し、指でなぞることでカーナビの地図をスクロールするほか、文字を認識して検索にも使用することができる。

風切り音の低減や、車内侵入音の抑制など、遮音対策もさまざまな部位で行われ、車内の静粛性は先代以上とうたわれる。

■サーマルマネージメントで3%燃費改善

日本仕様ではV8とV6、2種のエンジンが用意された。 4.2リッターV8は、ガソリン直噴式(FSI)を採用。最高出力372ps/6800rpmと最大トルク45.4kgm/3500rpmを発生する。3リッターV6はスーパーチャージャーで過給され、最高出力290ps/4850-6500rpmと最大トルク42.8kgm/2500-4850rpmというスペックを持つ。

いずれもトランスミッションは、8段のティプトロニック(トルコン式AT)が組み合わされる。ロックアップの領域を広くすることで、伝達ロスを低減。さらに、アイドリング中に自動的にクラッチを切る「アイドリングデカップリング制御」が取り入れられ、無駄なエネルギーロスを抑えることでも燃費向上に貢献する。

新機軸となるサーマルマネージメントシステムが採用されたのもニュースである。
エンジン冷間始動後は冷却システムとエンジンを切り離し、エンジンオイルの温度上昇を早めることで、高粘度オイルによるフリクションロスを減少。さらに、温かい冷却水が確保されると、ATフルードを温め、低温時に発生するフリクションロスを軽減することができるという。これにより燃料消費量は約3%節減されたとアピールされる。
これに加えて減速時のエネルギーをバッテリーに蓄える「エネルギー回生システム」も採用され、さらなる燃費向上を狙う。

タイヤサイズは「4.2 FSIクワトロ」が255/40R20。それ以外は255/45R19が標準装着となる。
タイヤサイズは「4.2 FSIクワトロ」が255/40R20。それ以外は255/45R19が標準装着となる。
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■A8にも「アウディドライブセレクト」を採用

駆動方式はフルタイム4WDの「クワトロシステム」を全車に採用。通常状態では前40:後60という配分を、最大で前60%、後80%にまで変化させることができる、最新世代の内容である。
標準装備されるESPは「スポーツモード」も用意され、ダイナミックなドライビングに応えることもできるという。

サスペンション形式は、前5リンク/後トラペゾイダルリンク。フロントは4リンクから5リンクとなり、横剛性が向上したことでスポーティなハンドリングに貢献するという。前後ダンパーにはCDC(連続可変ダンピングコントロール)機能を用いた、アダプティブエアサスペンションを装備。エアスプリングと組み合わされ、各ホイール別に減衰力を1000分の数秒単位の速さで無段階に切り替えることができる。このアダプティブサスペンションは、シャシー特性を変化させる「アウディドライブセレクト」で選ばれるモードに応じて、車高を最大20mm下げるなどの制御が行われる。さらに段差の乗り越えや雪道のわだち走行などで重宝する「リフト」モードも備わり、25mm車高を上げることも可能だ。

なお「4.2 FSIクワトロ」のみ、可変ギアレシオを採用するダイナミックステアリングを装備しており、アウディドライブセレクトによって特性が変化する。

トランクルームは先代より10リッター増の510リッターを確保する。
トランクルームは先代より10リッター増の510リッターを確保する。

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■新しい安全装備「プレセンス」

上級サルーンらしく、快適装備は充実している。
オーディオには、14スピーカー600WのBOSEサラウンドサウンドシステムが標準でおごられる。オプションでは19スピーカー1400Wという大出力のバング&オルフセン アドバンスドサウンドシステムも装着可能だ。

ロングホイールベースにはリアシート乗員用の「リアシートエンターテインメントシステム」も標準装備される。運転席/助手席の背面にそれぞれ10.2インチのモニターを設置、後席専用のDVDプレイヤーやHDDジュークボックス、iPodなどを接続できるAMI(アウディミュージックインターフェース)なども備えている。

安全装備「アウディプレセンスセーフティシステム」も、アウディで初めて新型A8に採用された。事故を未然に防ぐ、いわゆるアクティブセーフティのシステムである。
標準装備される「プレセンスベーシック」では、15km/h以上の走行時にシートベルトのたるみを取ったり、車体が横滑りや急ブレーキをかけた際にウィンドウやサンルーフを閉め、同時にハザードランプを点滅させるという機能が内包される。
さらにオプションの「アウディプレセンスパッケージ」では、レーダーセンサーを用いて前走車への追突を予防する「アウディプレセンスフロント」と、後続車の追突に備える「アウディプレセンスリア」が追加される。同時に、停車までの制御を行う「アダプティブクルーズコントロール」と、後続車の動きを監視する「アウディサイドアシスト」、65km/h以上で走行車線逸脱を防止する「アウディレーンアシスト」、赤外線カメラを用いて夜間の視界を確保する「ナイトビジョンアシスト」も同パッケージに含まれる。

価格は「3.0 TFSIクワトロ」が945万円、「4.2 FSIクワトロ」が1160万円、「L 4.2 FSIクワトロ」が1290万円となる。3.0 TFSIクワトロは右ハンドルのみが用意され、ほかは左右のハンドル位置を選ぶことができる。
デリバリーは2011年2月から開始される予定だ。

(webCG 本諏訪)

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