「ダイハツ・ムーヴ」がフルモデルチェンジ

2010.12.13 自動車ニュース
「ダイハツ・ムーヴX」
「ダイハツ・ムーヴ」がフルモデルチェンジ

「ダイハツ・ムーヴ」がフルモデルチェンジ

ダイハツ工業は2010年12月13日、同社の人気軽乗用車「ムーヴ」をフルモデルチェンジし、発売した。

「ダイハツ・ムーヴ」のインテリア。
「ダイハツ・ムーヴ」がフルモデルチェンジ
「ダイハツ・ムーヴX リミテッド」
「ダイハツ・ムーヴ」がフルモデルチェンジ

■ガソリン車トップの低燃費を実現

1995年に初代がデビューした「ムーヴ」は、ライバルの「スズキ・ワゴンR」とともに“ちょっと背の高い軽ワゴン”(=スペース系)市場をリードしてきた人気モデルだ。最近は、「ダイハツ・タント」や「スズキ・パレット」など、さらに背の高い軽ワゴン(=モアスペース系)の人気が高まり、また、先にフルモデルチェンジを実施したワゴンRに販売台数で水をあけられるなど、苦しい戦いが続いていた。

この状況を打破すべく、4年ぶりにフルモデルチェンジが実施され、5代目へと生まれ変わった新型ムーヴは、27.0km/リッター(10・15モード)というガソリン車トップ(ハイブリッド車を除く)の低燃費を実現するとともに、広く快適な室内、充実の装備、高い安全性などを磨き上げることで「スペース系軽乗用車の次世代スタンダード」を目指したという。

従来どおり、ラインナップは標準モデルの「ムーヴ」とスポーティな「ムーヴカスタム」の2シリーズが用意され、価格はムーヴが112万円から144万1000円、ムーヴカスタムが131万円から161万1000円。ムーヴの全グレードと「カスタムRS」を除くムーヴカスタム各車がエコカー減税(75%減税)の対象となる。

「ダイハツ・ムーヴ カスタムRS」のインテリア。
「ダイハツ・ムーヴ」がフルモデルチェンジ
「ダイハツ・ムーヴ カスタムRS」
「ダイハツ・ムーヴ」がフルモデルチェンジ

■旧型のイメージを受け継ぐデザイン

先代に比べて全高が5mm高くなった新型ムーヴは、旧型のイメージを受け継ぐエクステリアデザインを採用するため、ひと目で新型とわかる人は少ないかもしれない。しかし、よく見比べると、たとえば新型は先代に比べてボンネットの存在が明確になっていたり、クオーターウィンドウが四角くなるなど、より落ち着いた印象に変わったことに気づく。また、Aピラーやリアピラーを細くすることで視界を改善。運転のしやすさを追求したという。

一方、インテリアは、センターメーターやインパネシフトを引き続き採用しながら、インストゥルメントパネル上面を低く抑えることで横方向の広がりを感じさせる。ホイールベースは35mm短い2455mmとなり、これに伴い室内長も短くなったものの、広々としたキャビンがムーヴの魅力であることに変わりはない。

先述のように、ムーヴにはこれまでどおり標準の「ムーヴ」とスポーティな「ムーブカスタム」の2つのシリーズが用意される。大きなフロントエアインテークや丸型4灯式ヘッドランプを採用するのがムーヴカスタムの特徴で、室内もブラックを基調とした色使いやメーターに回転計が追加されるなど、ムーヴとの差別化が図られている。

 
「ダイハツ・ムーヴ」がフルモデルチェンジ
「ダイハツ・ムーヴ カスタムRS」
「ダイハツ・ムーヴ」がフルモデルチェンジ

■「eco IDLE」が低燃費に寄与

新型ムーヴを開発するにあたり、開発陣が目指したのが、ガソリン車トップ(ハイブリッド車を除く)の低燃費だった。これを実現するため、658cc直列3気筒DOHCの「KF」エンジンを改良。燃焼室やピストンの形状変更、オイルシールやチェーンの改良など、細部にわたるメカニカルロスの低減。さらに、「イオン電流燃焼制御」を取り入れた「i-EGR」システムや樹脂製電子スロットルボディの採用などにより、高効率を実現する。

そして、一部のモデルにはアイドリングストップシステムの「eco IDLE」を搭載した。組み合わされるCVTから電動オイルポンプを省くことでエンジン停止中の消費電力を低減。これはパワートレインの軽量・コンパクト化にも役立っている。

加えて、ボディやインストゥルメントパネル、ドアトリムなどの軽量化により、旧型に比べて車両重量は約35kg軽減。その他、エネルギー回生の採用や低転がり抵抗タイヤの装着などにより、自然吸気エンジン(52ps)を搭載する「ムーヴX“リミテッド”」「X」「ムーヴカスタムG」が、FFで27.0km/リッター、4WDでも24.5km/リッターの低燃費を実現する。同じ自然吸気エンジンでも、eco IDLE非搭載車ではFF:25.0km/リッター、4WD:22.5km/リッター、64psのターボエンジン車はそれぞれ22.0km/リッター、21.0km/リッターの燃費値となる。

 
「ダイハツ・ムーヴ」がフルモデルチェンジ
 
「ダイハツ・ムーヴ」がフルモデルチェンジ
純正アクセサリーのディズニーアイテムは、「インテリアパッケージ」(写真)のほか、ホイールキャップなどが用意される。
「ダイハツ・ムーヴ」がフルモデルチェンジ

■一段と使いやすく

低燃費化とともに力が注がれたのが、使い勝手の向上だ。240mmというロングスライド機能を有するリアシートは、荷室側からスライド操作が可能になった。荷室は床下に深めの収納スペースが用意され、フロアボードを跳ね上げれば背の高い荷物にも対応できる。リアシートを倒せば広くフラットな荷室として利用できるのはいうまでもない。前席まわりの小物収納スペースも充実している。

上級クラス車並みの機能として注目したいのが、「レーダークルーズコントロール」や「プリクラッシュセーフティ」、「車線逸脱警報」といった安全技術だ。これらのアクティブセーフティは、先代のムーヴに軽自動車として初めて採用しており、新型ムーヴではその機能が向上している。
先行車がいる場合には設定した速度の範囲内で先行車に追従するレーダークルーズコントロールは、先行車が停止したとき自車も停止させる機能を軽自動車として初めて搭載している。また、レーダークルーズコントロールの使用状況にかかわらず、先行車に接近しすぎた場合には自動的な減速やシートベルトの巻き上げなどにより、ドライバーへの警告、衝突時の衝撃軽減を図る。
ただし、これらの機能が利用できるのは、「カスタムRS(FF)」でオプションの「インテリジェントドライビングアシストパック」(2011年2月発売)を選んだ場合のみだ。

その他、微粒子イオン「ナノイー」を放出するディフューザーを標準またはメーカーオプションとして用意したり、女性に人気のディズニーアイテムを純正アクセサリーとして日本で初採用するなど、幅広い層の獲得に向けて小技をきかせる新型ムーヴ。ライバルのワゴンRはもちろん、同じダイハツのタントを打ち破り、軽自動車販売トップの座に返り咲くことができるのか? 勝負の行方に注目したい。

(文=生方聡)

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