トヨタ車体、ダカールラリー2011参戦を発表

2010.12.09 自動車ニュース

「目指すは6連覇」 トヨタ車体, ダカールラリー2011年参戦発表会リポート

「目指すは6連覇」 トヨタ車体、ダカールラリー2011参戦発表

2010年12月6日、千葉県のオフロードコースで、トヨタ車体による「ダカールラリー2011」の参戦発表が行われた。ラリーマシン助手席試乗の模様とあわせてリポートする。

「ダカールラリー2011」は、2011年1月1日から16日にかけて南米アルゼンチン、チリを舞台に開催される。
「ダカールラリー2011」は、2011年1月1日から16日にかけて南米アルゼンチン、チリを舞台に開催される。
前人未踏の6連覇を目指すチームメンバー。右から森達人監督、1号車ドライバー三橋淳、2号車ドライバー寺田昌弘、2号車ナビゲーター田中幸佑。
前人未踏の6連覇を目指すチームメンバー。右から森達人監督、1号車ドライバー三橋淳、2号車ドライバー寺田昌弘、2号車ナビゲーター田中幸佑。
ラリーカーのコクピット。左ハンドル・5MT仕様だ。
ラリーカーのコクピット。左ハンドル・5MT仕様だ。

■100%廃てんぷら油での挑戦

12月に入ったとは思えないほど暖かな日差しが降り注ぐ晴天の下、千葉県・ガッツ木更津エンジョイスポーツランドで、トヨタ車体が南米を舞台に行われる「ダカールラリー2011 アルゼンチン・チリ」の参戦発表会を開催した。クロスカントリーレイドという競技に関する発表にふさわしく、会場はだだっ広い屋外で、休憩所やインタビュースペースも大きなテントの中だ。おまけに現場でふるまわれた昼食も、ダッチオーブンで作られたキーマカレー風の煮込みがメインという具合に、すべてがアウトドアな雰囲気。場内には舗装の「ほ」の字もなかった。

そこに並べられたのは、トヨタ車体がトヨタ自動車とともに開発・生産している「ランドクルーザー200」の競技用車両2台。車体はキレイに磨き上げられ、スポンサーステッカーも鮮やかに輝いている。さて、そんな2台のランドクルーザーの前で、2010年1月に開催される大会に向けての体制が発表された。出場するのは市販車ディーゼルクラスで、使用する燃料は、廃てんぷら油から精製したバイオ・ディーゼル燃料(BDF)だ。トヨタ車体では、このBDFを2007年から使用しているが、2010年までは軽油に20%混合するという形だった。それを次回大会では100%使用するという。原料となる廃てんぷら油は、地元の学校やスポンサー企業、取引先企業、そして、従業員の家庭や社員食堂から集められたもの。こういう部分で競技を後押しできることもあって、トヨタ車体の社内では、チームや競技に対する認知度も非常に高いそうだ。自分の家の台所で、とんかつやエビフライ、から揚げなどを作る際に使われていた油が、姿を変えて南米の大地を走る。これは、非常にロマンのある話。コンロの向こうに、ジャングルや砂漠が広がっているのだ。

このランドクルーザー200のステアリングを握るのは、三橋淳選手と寺田昌弘選手。日本屈指のラリーレイドドライバーである三橋選手は、ダカール経験25年というフランス人ベテランナビゲーター、アラン・ゲネック選手を新たな相棒に迎え、1号車に搭乗。同チームの6連覇という記録に挑む。これをサポートするのが寺田選手の搭乗する2号車。ナビゲーターには、トヨタ車体の社内公募で選ばれた田中幸佑が抜擢(ばってき)された。また、メカニックとして、福岡トヨタから、松本識裕&阪本歓喜の2名が参加。彼らも福岡トヨタの社内公募で選出されている。

こうしたメンバーで、2010年6月にはモロッコでのトレーニングを実施。10月には実戦経験を積むために、エジプトで行われたファラオラリーにも参戦した。さらに、国内でのトレーニングもたびたび行われており、前人未到の6連覇という記録達成に向けて、着々と準備が進められているという。 

参戦クラスは、市販車ディーゼルクラス。
参戦クラスは、市販車ディーゼルクラス。
ビッグジャンプをきめる「ランドクルーザー200」。
ビッグジャンプをきめる「ランドクルーザー200」。
トヨタ車体、ダカールラリー2011参戦を発表の画像

■ランクルの強さを見た

こうした内容が発表された後は、ランドクルーザーの性能を体感させるべく、報道陣向けの同乗走行が実施された。コースは記者会見場の後方に広がるオフロードコース。最初の被害者(?)を乗せてコースに消えたランドクルーザーは5分ほどで戻ってきたが、すでにドロドロだった。そして、実際に乗ってみると、市販車ベースなだけにナビゲーターシートに狭さは感じないが、足元にはグッと踏ん張るため(?)のプレートが……。内張りなどはもちろん剥がしてあり、ロールケージも入っているため、普通のランドクルーザー以上に乗り降りは大変だ。バケットシートには5点式シートベルトが装備されている。体が動かないよう、この5点式シートベルトをぐいぐい締め、頭にはキツ目のヘルメットをかぶって、いざ発進。ドライバーは三橋選手だ。

スタート地点から一気に土手を下り、コースに入ると、間もなく泥でできた小山が登場。そこでまずジャンプ! さらにカメラマンの待つジャンピングスポットなどを経て、クルマは進んでいく。ちなみに、走っている間中、ヘルメットの後頭部がシートにコツコツ当たり、腰にもジャンプの衝撃が。これは、長時間乗ったら間違いなく気分が悪くなりそうだ。

その後は、山だけでなく、穴ぼこあり、土手あり、クリークみたいな場所での急カーブあり。空が見えたり、地面が見えたり、視界も上下左右に目まぐるしく動く。激しくホイールスピンしたり、クルマが横に傾く場所もあったので、「これ、ひっくり返ったりしないんですか?」と質問すると、「あ、たまにひっくり返りますよ」と、飄々(ひょうひょう)と答える三橋選手。勘弁してください……。

わずか5分程度の同乗走行で、クルマは泥まみれに。半日もすると、参戦発表の時とは比べ物にならないほどの汚れっぷりだった。これだけハードな走りを2週間以上も続けるのだから、本番では人もクルマも消耗が激しいに違いない。同乗試乗を終えると、泥だらけのランドクルーザーが一層たくましく見えた。

(文=貝島由美子/写真=荒川正幸)

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