電気自動車「日産リーフ」ついに販売スタート!

2010.12.03 自動車ニュース
「日産リーフ」と志賀俊之COO。
電気自動車「日産リーフ」ついに販売スタート!

電気自動車「日産リーフ」ついに販売スタート!

日産自動車は2010年12月3日、新型電気自動車「リーフ」を発表した。12月20日より発売する。

ボディサイズは、全長4445mm×全幅1770mm×1545mm、ホイールベースは2700mmで、同社の「ティーダ」に近いサイズ。
ボディサイズは、全長4445mm×全幅1770mm×1545mm、ホイールベースは2700mmで、同社の「ティーダ」に近いサイズ。
「エアリーグレー」を基調としたインテリアは、シンプルではあるが未来的な印象。
「エアリーグレー」を基調としたインテリアは、シンプルではあるが未来的な印象。

■ゼロエミッション車にふさわしいセレモニー

既報のとおり、「日産リーフ」がついにデビューとなった。「リーフ」は、EV専用車として設計・デザインされた、大人5人がゆったり乗れる5ドアハッチバックの電気自動車。車両の概要については2009年8月に発表され、2010年3月には価格を発表。同年4月1日から予約注文の受け付けが始まっており、この日を心待ちにしていた方も多いだろう。

本日行われた「リーフ」の発表会は、いままでにないスタイルだった。会場はホテルの大宴会場ではなく、日産自動車本社の大ホール。有名タレントが登場するわけではなく、ファッショナブルな演出があるわけでもない。
その代わり、この夏から始まった市民ワークショップ「the new action ツアー」の参加者がステージを埋め、フィナーレを飾った。ゼロエミッションビークルにふさわしい、さわやかなセレモニーだった。

日産ディーラー全店舗(約2200店)のうち、約200店舗には30分で約80%までの充電を可能にする急速充電気が設置されているという。
日産ディーラー全店舗(約2200店)のうち、約200店舗には30分で約80%までの充電を可能にする急速充電気が設置されているという。
電気自動車「日産リーフ」ついに販売スタート!の画像

■価格は少し安く

もちろんその前段階として、志賀俊之COOによる概要説明、開発責任者の門田英稔氏による技術説明があった。
志賀氏が最初に口にしたのは376万4250円という価格だった。以前発表した376万円よりやや値上げされたが、最近決定した2010年度のEV補助金制度を適用すると、最大で78万円の補助を政府から受けられるので、ユーザーが支払う金額は298万4250円と、前回発表した299万円より少しだけ安くなった。
ラインナップは、装備の違いで2グレード用意され、ベースとなる「X」が376万4250円、バックビューモニターやETCユニットが装備される「G」は406万350円となる。

充電インフラについては、以前から公表していた全国の日産ディーラー全店舗約2200カ所への200V普通充電器、約200店舗への急速充電器設置が完了していることを表明した。

気になる満充電での航続距離は、従来アメリカの測定基準で160km(100マイル)といわれてきたが、発表会では日本のJC08モード走行で200km走るとアナウンスされた。電気自動車は低速で走ったほうが効率が高いためだと思われるが、160kmと200kmではユーザーが受けるイメージは異なるはずだ。


電気自動車「日産リーフ」ついに販売スタート!の画像
開発責任者の門田英稔氏が、スマートフォンを使ってショールームにあるリーフに充電しているところ。
開発責任者の門田英稔氏が、スマートフォンを使ってショールームにあるリーフに充電しているところ。

■ゼロエミッションだけじゃない

続いて登壇した開発責任者の門田英稔氏は、リーフのアピールポイントはゼロエミッションだけでなく、リサイクル性の高さにもあると強調。ペットボトルから作られたシートなどを紹介した。

走りでは、スムーズな発進を実現するために低回転でのトルク制御に気を遣ったことや、バッテリーを床下中央部に積んだことで低重心とヨー慣性モーメントが減少、コマのようにクルッと曲がれるコーナリングをアピールした。

離れた場所から携帯電話を使って充電やエアコンのコントロールができるIT制御もリーフの特徴だ。会場では実際に門田氏がスマートフォンを使い、離れた場所にあるリーフの充電を開始する実演を行った。

品質面では、アラスカ、アウトバーン、パリで走行実験を行ったほか、高電圧部品はボックスに入れて絶縁対策を施し、バッテリーは外部の影響が少ない場所に搭載したほか、落雷試験、冠水試験などを実施することで、感電や漏電の心配がないクルマに仕上がったと強調した。

神奈川県のワークショップでは、「EVマンション実証実験」と題して、マンション内でのコミュニケーションツールとしてEVを検討、さまざまな議論がなされた。
神奈川県のワークショップでは、「EVマンション実証実験」と題して、マンション内でのコミュニケーションツールとしてEVを検討、さまざまな議論がなされた。
「the new action ツアー」の参加者と「リーフ」を予約している一般の方たちがステージに現れ、志賀COOと共に「リーフ」のデビューを喜んだ。
「the new action ツアー」の参加者と「リーフ」を予約している一般の方たちがステージに現れ、志賀COOと共に「リーフ」のデビューを喜んだ。
ボディカラーは、「アクアブルー」や「ラディアンレッド」(写真)などを含む全5色が設定される。
ボディカラーは、「アクアブルー」や「ラディアンレッド」(写真)などを含む全5色が設定される。

■一般ユーザーと共に

その後、最初に紹介した「the new action ツアー」の様子がビデオで紹介された。現在までに神奈川県、さいたま市、北九州市で開催され、約10万人が参加したという。スクリーンに映し出されたのは、「草の根運動」と呼びたくなるような、メーカーとユーザーの地道な触れ合いの数々だった。
この日は代表者がステージに登場し、ワークショップの成果を紹介した。神奈川県ではマンションのコミュニケーションツールとしてEVを使うプランが出た。さいたま市ではお年寄りの行動をサポートする手段としてEVを考えたいという提案があった。北九州市は環境学習の一環としてEVを体験するというアイデアを紹介した。

われわれ自動車業界人よりも、一般ユーザーのほうが、はるかにポジティブにEVを受け入れていることを知った。新型車の発表会で、ここまで衝撃を受けたのは初めてかもしれない。時代が確実に前進していることを実感したプレゼンテーションだった。

質疑応答のあと、フォトセッションの時間になった。リーフと志賀COOの2ショットを押さえようと、カメラマンが最前列に群がった。そのときだ。突然背後の幕が上がり、ショールームから大勢の人が押し寄せてきた。最初に紹介したワークショップの参加者たちと、「リーフ」を予約されている一般の方たちだった。
みんな報道陣に向けて手を振っている。それに応えるように、会場は自然と拍手に包まれた。豪華でもおしゃれでもないからこそ、逆にthe new car=新しいクルマが登場したのだと実感することができた。

(文=森口将之)

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