クルマ好きなら毎日みてる webCG 新車情報・新型情報・カーグラフィック
【スペック】全長×全幅×全高=4135×1765×1570mm/ホイールベース=2530mm/重量=1380kg/駆動方式=4WD/1.6リッター直4DOHC16バルブターボ(190ps/5600rpm、24.5kgm/2000-5200rpm)/価格=245万1750円(テスト車=296万1000円/キセノンヘッドランプ=6万3000円/バックビューモニター+カーウイングスナビゲーションシステム+ETCユニット+ステアリングスイッチ=30万9750円/インテリジェントキー+プッシュスターター+電動格納式リモコンカラードドアミラー+Sパック+エンジンイモビライザー=13万6500円)

日産ジューク 16GT FOUR(4WD/CVT)【試乗記】

もうひとつの顔 2010.12.01 試乗記 日産ジューク 16GT FOUR(4WD/CVT)
……296万1000円

個性派コンパクト「日産ジューク」に、4WDのターボモデルが登場。スポーティさをウリにするトップグレードの実力は、どれほどのものなのか?

おじさんもグラリ

2010年6月のデビューから5カ月、これまで1.5リッターのみだった「日産ジューク」に1.6リッターが加わった。新しい直噴4気筒ターボを積む「16GT」系で、FFと4WDがある。GTと名が付くターボのスポーツバージョンがあとから加わるなんて、「なつかしの国産車ニュース」という感じがする。しかもトップモデルの4WDは「16GT FOUR」と呼ばれる。ジーティーフォー? かつて「トヨタ・セリカ」でヒットしたスポーツ四駆の名前ではないか。

そんな昔話を知っている古くからのクルマ好きにとって、実際、ジュークは出たときからなんだか妙に気になるクルマだった。カッコはそれぞれ“好み”だが、ぼくは好きである。このスタイリング、フトした拍子に「中国製のクルマか!?」と思うこともあるが、フトした拍子にすごくカッコよく見えることもある。「嫌われたってべつにいいよ」という強い意志と若さが感じられて、おじさんは応援したくなる。

5カ月間で約2万台と、国内の販売はメーカーの予想以上に好調だが、これまでのユーザー層をみると、20〜30代のコア・ターゲットだけでなく、上は50代、60代の高い年齢層にまで支持されているという。しかも、国産車としては珍しく、赤がいちばん売れているそうだ。年齢を問わず、このクルマで“自分を変えたい”という人が買ってくれているのではないか。開発者のひとりがそう分析した。

インテリアカラーは、黒系と赤系(写真)の2色から選べる。
インテリアカラーは、黒系と赤系(写真)の2色から選べる。 拡大
コンパクトスポーツカーとSUVのクロスオーバーモデルとして2010年6月に誕生した「日産ジューク」。ドッシリとした下半身とスマートな上屋からなるエクステリアで個性を主張する。
1.5リッターモデルではオプション扱いの17インチアルミホイールが標準で備わる。
コンパクトスポーツカーとSUVのクロスオーバーモデルとして2010年6月に誕生した「日産ジューク」。ドッシリとした下半身とスマートな上屋からなるエクステリアで個性を主張する。
1.5リッターモデルではオプション扱いの17インチアルミホイールが標準で備わる。 拡大
シートは6:4の分割可倒式。フラットな積載スペースも作ることができる。
(写真をクリックするとシートの倒れるさまが見られます)
シートは6:4の分割可倒式。フラットな積載スペースも作ることができる。
(写真をクリックするとシートの倒れるさまが見られます) 拡大
注目の記事PR
  • 「レンジローバー ヴェラール」に試乗。その走りはライバルと一線を画すものだった!
    「レンジローバー ヴェラール」に試乗。その走りはライバルと一線を画すものだった! レンジローバー特集
注目の記事一覧へ

スポーティ“っぽい”

試乗したのは16GT FOUR。「まるでスポーツカーを操っているような楽しさ」を追求したとうたう1.6リッター・シリーズの目玉である。

リアにマルチリンクを新採用した足まわりは、1.5リッターに比べると歴然と硬い。17インチタイヤのゴツゴツ感もある。走り出すなり、スポーティモデルの気配が床下から伝わってくるクルマだ。
新しい直噴ターボは190ps。自然吸気の1.5リッターより一挙に76psもパワーを上乗せされたのだから“走り”は活発だ。変速機は6段マニュアルモード付きのCVTである。

だが、200ps近いパワーから想像して、もっとスゴイかと思ったら、それほどでもなかった。ターボユニットにしては、エンジンに明確なトルクの山がない。さらにこの「エクストロニックCVT-M6」は1.5リッターモデルに採用された新しい副変速機付きとは異なる。加速中はエンジンを高回転にキープして「いつもより余計に回ってます」という感じを与えてしまうちょっと古いタイプのCVTだ。いっそのことMTを用意してもらえないだろうかと思った。

峠道をゆく「ジューク」。特徴的なマスクは夜間走行を行うラリーカーをイメージしたというもので、大きな丸目がメインランプ、ボンネットを囲む細い眼がポジションランプとウィンカーの役割を担う。
峠道をゆく「ジューク」。特徴的なマスクは夜間走行を行うラリーカーをイメージしたというもので、大きな丸目がメインランプ、ボンネットを囲む細い眼がポジションランプとウィンカーの役割を担う。 拡大
上級グレード「16GT/GT FOUR」に搭載される1.6リッターターボエンジン(190ps、24.5kgm)。燃焼効率を向上させたという新開発のパワーユニットだ。10・15モードの燃費値は、14.4km/リッター。
上級グレード「16GT/GT FOUR」に搭載される1.6リッターターボエンジン(190ps、24.5kgm)。燃焼効率を向上させたという新開発のパワーユニットだ。10・15モードの燃費値は、14.4km/リッター。
拡大

日産ジューク 16GT FOUR(4WD/CVT)【試乗記】の画像 拡大

効き目のわかる新技術

4WDジュークの技術的ハイライトは、駆動系に与えられた「トルクベクトル」機構である。リアに電子制御カップリングを備え、後輪左右のトルク配分も行う。前後のトルクが100:0から50:50の範囲で変わるのに加え、後輪も左右が100:0からゼロヒャクまで分配される。1.8リッター以下では世界初の装備だという。

可変トルクスプリットの模様は計器盤の小さなモニターで知ることができるが、実際の効果はワインディングロードで体感できた。とにかくアンダーステアを感じないクルマである。車重はFFより90kg重い1380kg。1.5リッターモデルからは210kgも太っているのに、コーナリングはあっけないほど素直だ。ノーズの重さも感じなければ、お尻のかったるさもない。よく考えると、車重1.4トン以下で190psといえば、そうとうな高性能車である。にもかかわらず、旋回中に少しもジャジャ馬感を与えない。4輪の駆動制御がうまくいっている証拠だろう。

CVTのセレクターが立つセンターコンソールは、バイクのタンクをイメージした独特の形をしている。その塗装はボディ色にかかわらず赤とシルバーが選べるが、ジュークを買うなら赤でしょ。そうかと思えば、左右フロントフェンダー上面にポジションランプを配したために、運転席から自分のライトが見える。そんなクルマ側からの自己主張が強いのもジュークの特徴だ。単に使いやすいだけの道具じゃなくて、実はみんなクルマにもっと強い個性を主張を求めている。もっと歌ってよと。ジュークが予想以上に売れているのは、そのへんを示唆しているんじゃないだろうか。

5カ月前、エコカー減税対象の1.5リッターモデルに乗ったとき、とくにパワー不足は感じなかった。月面車ふうルックスのSUVなのに、乗り心地が滑らかなことにも好感を持った。だから、個人的には1.5リッターで十分である。さりげなくヤング・アット・ハートを装うのには1.5リッターモデルの軽やかさが合っている。190psのリア・トルクスプリットはたしかに魅力だが、ジュークというクルマがウケているのはそういうことじゃないよなあという気もする。

(文=下野康史/写真=高橋信宏)


日産ジューク 16GT FOUR(4WD/CVT)【試乗記】の画像 拡大
運転席まわりの様子。特徴的なデザインのセンターコンソールは、銀メタと赤メタの2色が用意される。
運転席まわりの様子。特徴的なデザインのセンターコンソールは、銀メタと赤メタの2色が用意される。 拡大
カーナビの画面の下には、走行距離や燃費値など車両情報を表示する「インテリジェントコントロールディスプレイ」が配される。1.6リッターモデルでは、ターボの過給状態(写真)も示される。
カーナビの画面の下には、走行距離や燃費値など車両情報を表示する「インテリジェントコントロールディスプレイ」が配される。1.6リッターモデルでは、ターボの過給状態(写真)も示される。 拡大
日産ジューク 16GT FOUR(4WD/CVT)【試乗記】の画像 拡大

関連キーワード:
ジューク日産試乗記

あなたにおすすめの記事