メルセデスの安全技術を体感、「TecDays」開催

2010.11.15 自動車ニュース
最新技術を搭載したコンセプトカー「ESF 2009」。
メルセデスの安全秘術を体感、「TecDays」開催

メルセデスの安全技術が体感できる「TecDays」を開催

メルセデス・ベンツ日本は、2010年11月12日と13日の2日間、東京の商業施設「六本木ヒルズ」において、最新の安全技術が体感できる「TecDays」を開催した。

メルセデス・ベンツの安全装備に関する歴史。
メルセデスの安全技術を体感、「TecDays」開催
64km/hでオフセット衝突した「クラッシュドカー」。フロント部分で衝撃を吸収しているため、写真のようにドアが開閉できるのがわかる。
メルセデスの安全技術を体感、「TecDays」開催
「セーフティボディ」。ボディ全体の72%に高張力鋼板/極超高張力鋼板を使用しているという。
メルセデスの安全技術を体感、「TecDays」開催

■進化を続ける安全技術

メルセデス・ベンツといえば、単に“高級なクルマ”というだけでなく、“安全なクルマ”と位置づける人は多い。そのイメージを裏付けるために、長年にわたり安全対策に取り組んできた歴史を振り返るとともに、最新の安全技術に触れてもらおうという試みが、今回開催された「TecDays」である。

イベントは、メルセデスの取り組みを知る「講義プログラム」と、各種シミュレーターや展示などで体感する「体験プログラム」のふたつで構成され、まずは講義プログラムを受講する。
ここではドイツ本社から来日したスタッフがプレゼンテーションを実施。ダイムラーAGでプロダクトイノベーション/プロセステクノロジー部門副社長を務めるバラート・バラスブラマニアン氏によれば、「メルセデスの安全性は長年にわたる研究開発に基づくもので、すでに1959年には本格的な衝突実験を開始し、衝突時の衝撃を吸収する“クランプルゾーン”を開発。また、1969年には事故調査部門を設立し、現実の世界で起こった事故を分析することで、真に効果的な安全技術の確立を目指した」。
その成果が、オフセット衝突に対応する「衝撃吸収ボディ」や「シートベルトテンショナー」など、いまや常識ともいえる技術を生み出した。

これら、万一事故にあったときに被害を最小限に抑える技術、すなわち、パッシブセーフティに加えて、事故にあわないようにすることや事故に備えることも、事故を減らすうえでは重要だ。そのため、横滑りを防止する「ESP」、車線逸脱を警告する「レーンキーピングアシスト」、車線変更時に接触事故を警告する「ブラインドスポットアシスト」などを実用化する一方、事故が差し迫ったときに、シートベルトを締め上げたり、ヘッドレストの位置を変更するなどして乗員を保護する“PRE-SAFE”を実用化しているのはご存じのとおりだ。

さらに将来は、“ステレオビジョン”と名づけた画像認識システムにより、車同士の衝突や歩行者との接触事故を高い精度で回避したいという。ドイツ国内における交通事故による人口10万あたりの死亡者数は、1990年が14人であったのに対し、2007年には7人まで減少している。メルセデスとしてはこれら最新の安全技術により、将来、航空機事故のレベル、すなわち10万人に1人を目指すとしている。

これが「PRE-SAFEシミュレーター」。写真は側面衝突を想定した動きで、PRE-SAFEの有り無しを体験した。
メルセデスの安全技術を体感、「TecDays」開催
コンセプトカー「ESF 2009」のドア。側面衝突の危険をセンサーが検知すると、ガスにより構造物が膨張、安全性を高める(PRE-SAFE構造)。フロントドアは膨張後の状態。
メルセデスの安全技術を体感、「TecDays」開催

メルセデスの安全技術を体感、「TecDays」開催

■PRE-SAFEを疑似体験

体験プログラムでは、最新の安全技術に触れることができた。一番の見どころが「PRE-SAFEシミュレーター」だ。これは、正面衝突、側面衝突、後方からの衝突時に、PRE-SAFEがどんな役割を果たすのかを実際に体感するもの。オーナーでもなかなか経験できない機能を安全に体感できるだけに、実に興味深い装置といえる。

実際に乗り込み、まずは10km/hでの正面衝突を体感。PRE-SAFEがない場合は、上半身が大きく前後に揺さぶられるが、PRE-SAFEが機能すると衝突直前にシートベルトが巻き上げられるのとシートクッションの前部がせりあがるおかげで、上半身の揺れは格段に小さくなった。

次にキャビンが90度回転し、シミュレーターは横方向の往復を始める。これはスピンや側面衝突を想定した動きで、PRE-SAFEが働くと、シートベルトとシートクッションに加えてサイドボルスターが膨張することにより、上半身の横揺れが抑えられる。最後は追突されたときのシミュレーションで、ヘッドレストが後頭部を押さえてくれるため、むちうちのリスクは大幅に軽減しそうである。

このほかにも、ディスタンスコントロール/レーンコントロール/ブレーキングアシストなどが疑似体験できる「シミュレーターアシスタンスシステム」や、未来の安全性を垣間見ることのできるコンセプトカー「ESF 2009」のデモンストレーション、アクティブボンネットの説明など、安全技術を目の当たりにできる展示が目白押しだった。
なかには、現実の世界では体験したくないようなものもあり、貴重な体験になったと同時に、こうした機能が乗員を守ってくれると思うと、メルセデスへの信頼感はますます高まる。今回は東京だけの開催だったが、さらに多くの人が体験できるようになるとうれしいと思う。

(文=生方聡)

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