日産GT-R、3年目の初マイナーチェンジ

2010.10.18 自動車ニュース

日産GT-R、3年目の初マイナーチェンジ

「日産GT-R」、マイナーチェンジでさらにパワーアップ

日産自動車は2010年10月18日、ハイパフォーマンスカー「GT-R」のマイナーチェンジを発表。11月17日に発売する。

「GT-R」開発責任者の水野和敏氏。イヤーモデル毎に更新されるニュルブルクリンクオールドコースのラップタイムだが、11年モデルでは天候不良により計測していないとのこと。後日、“更新された”タイムが公表されることだろう。
日産GT-R、3年目の初マイナーチェンジ

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■空力性能を大幅アップ

2007年12月に発売されて以来、「イヤーモデル」として毎年細部のアップデートが行われている「日産GT-R」。今回の「2011年モデル」では、エクステリアやエンジンを含めさまざまな手が加えられ、GT-Rとしては初のマイナーチェンジを迎えることになった。

エクステリアに大きな変更はないが、2011年モデルは空力パーツを中心にデザインがリフレッシュされている。
最も分かりやすい新型の特徴であるフロントバンパー脇の整流フィンをはじめ、前後パンパーの形状を変更。バンパー開口部、グリル開口部を大型化し、リアディフューザーを延長したほか、リアバンパーのエアアウトレットを新設した。これら空力パーツのアップデートにより、空気抵抗係数(Cd値)を従来の0.27から0.26へと改善させながらも、ダウンフォースの10%向上をも実現したという。

フロントバンパーへのLEDデイライト設置、テールパイプフィニッシャーの意匠変更、新ホイールデザインの採用なども新モデルの識別点である。ボディカラーは新色2色(メテオフレークブラックパールとオーロラフレアブルーパール)を含む全6色が用意された。

インテリアは質感の向上を狙い、ステッチラインの変更や、リアルカーボンのセンタークラスターフィニッシャーの採用などが行われた。スイッチ類はブラックに統一され、クローム加飾のブラックスモーク処理とあわせ、スポーティな印象も強調されている。
シートはホールド感、フィット感の向上を目的に、デザインがリニューアルされた。

530psの最高出力を誇る新エンジン。赤いカバーが従来型との違いを主張する。
日産GT-R、3年目の初マイナーチェンジ

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■45psアップ、燃費もアップ

2011年モデルのエンジンは、出力とトルクアップのほか、最近のトレンドに従い環境性能の向上もうたわれる。
3.8リッターV6ツインターボエンジン「VR38DETT」は、部品や構造を見直すことで燃焼温度を上げ、高効率化を実現。最高出力530ps/6400rpmと最大トルク62.5kgm/3200-6000rpmは、従来モデルより45psと2.5kgmのアップを果たしている。さらにレブリミットが7100rpmにされたことで、最高速は315km/hにまで引き上げられた。
同時にカタログ燃費は、従来型から0.2km/リッターアップの8.6km/リッター(いずれもJC08モード)へ。排ガスも、よりクリーンにされているという。

トランスアクスルレイアウトとなるデュアルクラッチトランスミッションを介し、4輪を駆動する仕組みに変わりはないが、シフトスケジュールなどを変更する「SAVEモード」が新設された。実用燃費向上のほか、足首疲労軽減にも役立つとのこと。

またサスペンションはフロントレバー比をはじめ、フロントキャスターとリアロールセンター高を変更するなど、ジオメトリーが改められた。タイヤの接地荷重応答や旋回時の内輪グリップ力向上などが目的である。さらにカーボンコンポジット製ストラットサポートバーや新アルミフリーピストン採用のショックアブソーバーを装着するなど、剛性アップと乗り心地の向上も図られている。
ビークルダイナミクスコントロール「VDC-R」は、「Rモード」における発進加速性を高め、前後トルク配分が変更されるなど、制御プログラムにも手が加えられた。

ブレーキはフロントローターをさらに大径化。制動力だけでなく、高温時の耐フェード性やペダルコントロール性、スポーツ走行時の寿命などにもメリットがあるという。空力パーツの変更による、冷却性能アップも見逃せない点である。
なお、GT-R専用となる純正装着タイヤは、発売当初はダンロップのみになるとのこと。ブリヂストンは現在開発中で、後に追加されるそうだ。

「エゴイスト」は、20種類のインテリアから好みのデザインを選ぶことができる。
日産GT-R、3年目の初マイナーチェンジ
サーキット走行専用車「クラブトラックエディション」。
日産GT-R、3年目の初マイナーチェンジ
今回のマイナーチェンジでエクステリアに大幅な変更が加えられていない理由の一つとして、「中古車市場の値崩れを防ぐため」と説明があった。発売から3年を迎え、初回の車検で買い換えを考えるオーナーへの配慮でもある。
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■新グレード「エゴイスト」と「クラブトラックエディション」

マイナーチェンジを機に加えられた上級グレードが「エゴイスト」である。
インテリアカラーのカスタマイズが可能で、アッパーカラー4色、ロアカラー10色の合計20種類の組み合わせを、オーナーの好みで選ぶことができる。シートやトリムなどはドイツの革職人による手作業でしつらえられ、ステアリングホイール中央のエンブレムは輪島の蒔絵職人によって作られる懲りようだ。
エクステリアには、「スペックV」と共通のカーボン製のリアスポイラー、レイズ製アルミ鍛造ホイール、チタンエグゾーストシステムも標準装備される。

また、自身のオーダーしたクルマの内装組み付けの様子を、栃木工場で見学することもできるという、「エゴイスト」ならではのサービスも用意される。

新たにラインナップに加わった「クラブトラックエディション」は、公道走行はできないサーキット走行専用マシンである。標準でロールバーや4点式シートベルト、自動消火器、スリックタイヤ、ビルシュタイン製調整式レース専用ショックアブソーバーなどが与えられる。

このクルマは単に販売されるだけでなく、クルマを楽しむ環境まで提供され、オーナー向けのレーシングスクールやレースなど各種イベントの開催も予定されている。さらにメンテナンスやサーキットへのクルマの搬送までサポートすることで、走る感動を提供するとうたわれる。

各グレードの価格は以下のとおり。

ピュアエディション:869万4000円
ブラックエディション:930万3000円
プレミアムエディション:945万円
スペックV:1575万円
エゴイスト:1500万300円
クラブトラックエディション:1047万9000円

なお「スペックV」の国内での販売は、来年夏ごろをめどにオーダーストップするという。これは、ラクシャリーグレードの「エゴイスト」と、スポーツ走行向け「クラブトラックエディション」の登場により、「スペックV」の存在意義が希薄になったためとのこと。

(webCG 本諏訪)

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