「MOTORSPORT JAPAN 2010」開催

2010.10.05 自動車ニュース
国内最高峰のSUPER GTのGT500を戦う、左から「PETRONAS TOM'S SC430」、「ザナヴィ・ニスモGT-R」そして「ARTA HSV-010」。「SUPER GTスペシャルラン」では、これら3台が同時にデモランを行った。
「MOTORSPORT JAPAN 2010」開催

レーシングカーが爆走! 「MOTORSPORT JAPAN 2010」開催

F1日本グランプリを翌週に控えた2010年10月2日、3日、東京・台場で恒例の「MOTORSPORT JAPAN 2010」が開かれた。

初日のオープニングプログラムとして、周辺道路で行われた「交通安全パレード」。数台のコンペティションマシンも参加したが、先頭が歩行者なのでペースは超スロー。
初日のオープニングプログラムとして、周辺道路で行われた「交通安全パレード」。数台のコンペティションマシンも参加したが、先頭が歩行者なのでペースは超スロー。
デモランでもっとも迫力があったのは、2006年から今年まで「パイクスピーク・ヒルクライム」を5連覇しているモンスター田嶋こと田嶋伸博選手が駆る「モンスタースポーツSX4ヒルクライムスペシャル」。パイクスピークの頂上は標高4300m、空気の密度が平地に比べ4割ほど下がるので、ダウンフォースを得るためにはこうした巨大なウイングが必要になるのだという。
デモランでもっとも迫力があったのは、2006年から今年まで「パイクスピーク・ヒルクライム」を5連覇しているモンスター田嶋こと田嶋伸博選手が駆る「モンスタースポーツSX4ヒルクライムスペシャル」。パイクスピークの頂上は標高4300m、空気の密度が平地に比べ4割ほど下がるので、ダウンフォースを得るためにはこうした巨大なウイングが必要になるのだという。
イベント開催時点でフォーミュラ・ニッポンのドライバーズ選手権でポイントリーダーであるナカジマレーシングの小暮卓史選手が、狭いコースでめいっぱいの加速を見せた。
イベント開催時点でフォーミュラ・ニッポンのドライバーズ選手権でポイントリーダーであるナカジマレーシングの小暮卓史選手が、狭いコースでめいっぱいの加速を見せた。

日本におけるモータースポーツの認知および地位の向上を目的として、2006年から始まったこの「MOTORSPORT JAPAN」も、今回で5回目を迎えた。
言うまでもなく1回目や2回目の開かれた当時と現在では、わずか数年しかたっていないとはいえ、日本のモータースポーツを取り巻く事情はだいぶ様変わりしている。
振り返ってみれば、当初のプログラムは豪華だった。頂点であるF1でしのぎを削っていたホンダとトヨタのレギュラードライバーがF1マシンのデモランを披露し、他社も含めた往年の貴重なレーシングマシンが会場にエグゾーストノートをとどろかせていたのである。

翻って今回はといえば、一昨年のホンダに続いてトヨタも昨季限りでF1から撤退したため、F1のデモランはなし。ヒストリックマシンも展示のみで走行は行われなかった。ことデモランに関していえば、年々寂しくなっていくように思えるのが正直なところだ。

とはいうものの、その他のプログラムや展示に関しては、リーマンショックに端を発する世界的な経済不況の影響で急激に寂しくなってしまった昨年に比べ、勢いを盛り返しているように感じられた。実際のところ、今回は従来と同じ船の科学館近くの会場(第一会場と称する)と道を挟んだ場所に第二会場を新設。そちらでは純粋なモータースポーツファンでなくとも楽しめる、自動車メーカーおよびインポーターの協力による新型車の試乗会などが行われた。

いっぽう第一会場にも、キッズカートなど子供やファミリー向けのプログラムが用意されており、そのせいもあって来場者には家族連れの姿が目立った。会場を都心の観光スポットに設け、入場は無料、幅広い層が楽しめるプログラムをそろえるというのは、モータースポーツを身近に体験してもらうための、当初からのコンセプトなのである。

本来のモータースポーツファン向けのプログラムとしては、F3、フォーミュラ・ニッポン、SUPER GTなどのデモランを中心に、マシンに来場者を乗せての同乗走行、ドライバーによるトークショーやサイン会、グランツーリスモ対決、各種展示など。
それらに加えて、今回は今秋に20年ぶりにその名が復活する「JAFグランプリ」の公開メディア説明会、翌週に控えたF1日本グランプリに参戦する小林可夢偉&山本左近によるF1スペシャルトークショーなども実施された。

ちなみに「JAFグランプリ」とは、1969年から90年まで、国内のトップフォーミュラまたはスポーツカーレースに冠されていた、年に一度のビッグイベント。今回は国内最高峰のカテゴリーであるSUPER GTとフォーミュラ・ニッポンを併催するという「夢の競演」で、11月12日〜14日に富士スピードウェイで開催される。

「SUPER GTスペシャルラン」で、タイヤスモークバトル(?)を繰り広げた井手有治の駆る「ARTA HSV-010」と脇阪寿一の「PETRONAS TOM’S SC430」。
「SUPER GTスペシャルラン」で、タイヤスモークバトル(?)を繰り広げた井手有治の駆る「ARTA HSV-010」と脇阪寿一の「PETRONAS TOM’S SC430」。
生誕50周年を記念して設置された「アイルトン・セナ メモリアルブース」。1988年に初のF1タイトルを獲得した際のマシンである「マクラーレン・ホンダMP4/4」をはじめ、愛用したヘルメットやレーシングスーツを展示。ディスプレイには近日公開されるドキュメンタリー映画「アイルトン・セナ〜音速の彼方へ」の予告編が流されていた。
生誕50周年を記念して設置された「アイルトン・セナ メモリアルブース」。1988年に初のF1タイトルを獲得した際のマシンである「マクラーレン・ホンダMP4/4」をはじめ、愛用したヘルメットやレーシングスーツを展示。ディスプレイには近日公開されるドキュメンタリー映画「アイルトン・セナ〜音速の彼方へ」の予告編が流されていた。
トヨタブースにて、木下隆之(左)と大嶋和也(右)が来場者との記念撮影に応じる。各ブースでこうしたファンサービスが積極的に行われていた。
トヨタブースにて、木下隆之(左)と大嶋和也(右)が来場者との記念撮影に応じる。各ブースでこうしたファンサービスが積極的に行われていた。

2日間とも好天に恵まれたこともあり、会場内は世間で言われるクルマ離れなどウソのような活況を示していた……と思われたのだが、主催者発表による2日間の来場者数は9万2750人。一昨年より一気に3万人以上も減少した昨年の10万2980人をさらに下回る、過去最低の数字だったのである。
はたしてその理由は? 単にイベント自体の集客力が落ちているのか、それともモータースポーツ、ひいてはクルマに対する関心が、巷(ちまた)でささやかれているようにどんどん薄れていってしまった結果なのか。後者ではあってほしくないというのが、クルマ好きの端くれであるリポーターの願いではあるのだが。

入場者数の減少という事実は変えようがないが、そういう状況にあっても、会場で積極的にファンサービスに努めている参加ドライバーを筆頭に、モータースポーツを盛り上げようとこのイベントの開催に尽力している関係者の努力は、やがては実を結ぶと信じたい。

そして、いずれは英国グッドウッドの「フェスティバル・オブ・スピード」のような、モータースポーツの歴史を「文化」として語り継ぐためのイベントに育てていきたいという当初の高邁(こうまい)な理想を実現するためにも、今後の継続を切に願う次第である。

(文と写真=沼田 亨)

「JAFグランプリ」の復活を記念したメモリアルブースには、往年のマシンが展示されていた。手前から「トヨタ90CV」(グループC)、「マーチ86Jホンダ」(F2)、そして「日産R90CP」(グループC)。
「MOTORSPORT JAPAN 2010」開催
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