英国メーカーのブース紹介【パリサロン2010】

2010.10.02 自動車ニュース

英国メーカーのブース紹介【パリサロン2010】

【パリサロン2010】クルマの楽しさを思い切り表現、英国ブランド

今年のパリサロンで元気だったのはどこかと聞かれたら、それはもう断然、イギリス車だ。おそらく誰に聞いても、間違いなくそう答えるはずである。とにかくどのブランドもニューモデルラッシュだったのだ。

「ランドローバー・レンジローバー イヴォーク」
「ランドローバー・レンジローバー イヴォーク」
「ジャガーC-X75」
「ジャガーC-X75」
「ロータス・エスプリ」
「ロータス・エスプリ」

■ブランド拡大に貢献「イヴォーク」、新技術をアピール「C-X75」

まず筆頭に紹介するのは、ランドローバーの「レンジローバー イヴォーク」である。ブランド40周年を迎えた「レンジローバー」の末弟として登場するイヴォークは、見ての通りコンセプトカー「LRX」(2008年デトロイトショーに出展)に驚くほど忠実な、斬新なスタイリングがなによりも目を引く、史上もっともコンパクトなレンジローバー。4WD車だけでなくFF車も用意されるなど、ブランドの拡大に貢献しそうな存在といえる。
ボディは見ての通り大胆にも3ドアだが、プレスデイでは5ドアも用意されることが発表された。いずれにせよ楽しみな存在だ。

同グループのジャガーは、コンセプトカー「C-X75」をワールドプレミア。軽量オールアルミ製ボディを用いるこのプラグインハイブリッドのスーパースポーツは、発電用にも通常の内燃エンジンではなく小型のガスタービンであるマイクロタービンを使っているのが特徴だ。モーターは4輪インホイール式で合計780psを発生し、0-100km/h加速は3.4秒、最高速は330km/hをマーク。その一方でCO2排出量はわずか28g/kmに抑えられるという。
もちろんコンセプトカーではあるが、そのデザイン、そしてテクノロジーにジャガーの未来の方向性が暗示されているのは間違いない。新体制となって約3年。「XF」のデビュー、「XK」のリファイン、そして革新的な「XJ」の投入で好調の波に乗るジャガー、いよいよ本格的に活力を取り戻してきたようだ。

「ロータス・エリート」
「ロータス・エリート」
「ロータス・エラン」
「ロータス・エラン」
「ロータス・エリーゼ」
「ロータス・エリーゼ」

■5台のニューモデル発表でビジョンを示す、ロータス

なんと一挙に5台のニューモデルを発表して大いに驚かせたのがロータスである。まずは、いよいよ復活する「エスプリ」。最高出力620psのV型8気筒5リッターユニットをミドに積む2シータースポーツは、かつてのエスプリ同様に1.5トンを切る軽量な車重を実現するという。またKERS(運動エネルギー回生システム)の搭載もニュースと言えるだろう。
続いて「エリート」。これまた懐かしの名をもつこのモデルは、フロントエンジンの2+2クーペで、パワーユニットはエスプリと同じV型8気筒ユニットとなる。
そして「エラン」はV型6気筒エンジンのミドシップスポーツ。さらに新型「エリーゼ」は直列4気筒ターボエンジンを車重1.1トンの軽量ボディに搭載する。最後を飾るのは「エテルネ」と呼ばれる4ドアスポーツである。

元フェラーリ副社長のダニー・バハーをCEOに迎え、ロータスの戦略は劇的に変化した。彼らはスポーツカー市場のメインストリームに、今まで以上の覚悟で乗り込んでこようとしている。
とは言え、たとえば上のエテルヌの登場予定はなんと2015年と相当先の話なのだが、未来に向けた確固たるビジョンを示すことが、ユーザーや投資家からの信頼につながると踏んだのだろう。親会社プロトンとのリレーションシップには懸念もあり、また会場ではV型8気筒まで供給するトヨタとの関係も取りざたされていた。今後もロータスの動向には注目だ。

「ロータス・エテルネ」
「ロータス・エテルネ」
「ベントレー・コンチネンタルGT」
「ベントレー・コンチネンタルGT」

■「コンチネンタルGT」はより躍動的に

ベントレーは7年ぶりのフルモデルチェンジとなる新型「コンチネンタルGT」をデビューさせた。内外装は見ての通りキープコンセプト。しかし、よく見ると従来型より明らかにダイナミックな造形となっているのが分かるだろう。

「外観で強調したかったのは、ワイドなスタンス。そして低く見せることです。実際には低くはないんですよ。『Rタイプ コンチネンタル』から継承した特徴的なラインを生かしながら、よりダイナミックな姿をつくり出せたと思います」

そうコメントしたのはエクステリアデザインを担当したラウル・ピアーズ氏。そして、同じくインテリアを手掛けたロビン・ペイジ氏はこう語っていた。「フライングBをモチーフとしたインテリアの基本デザインは踏襲しながら、より軽くスポーティに見せることを心がけました。また収納、テレマティクスの使い勝手というユーザーから要望の多かった部分も改善しています」

一見、代わり映えしないように見える新型だが、実物はまさしく、より躍動的な存在感を見せつけている。早く街中で、その姿がどう見えるか確かめてみたいところだ。

冒頭に記したように、今回のパリサロンで一番勢いがあったのは、間違いなくこれらイギリス勢である。考えてみると今のトレンドであるエコ、環境といった部分にフォーカスしたものは多くないのだが、しかし純粋なクルマの楽しさを思い切り表現したクルマ達は、それこそ自動車に関する豊かな歴史とブランドを有するイギリスからしか生まれ得ないものかもしれない。そう感じたのだった。

(文と写真=島下泰久)

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