ジャガー、PHVスポーツモデルを発表【パリサロン2010】

2010.10.01 自動車ニュース
ジャガーのプレショーイベント会場となったロダン美術館。
ジャガー、ハイブリッドスポーツ「C-X75」発表【パリサロン2010】

【パリサロン2010】ジャガー、ガスタービン+モーターのPHVスポーツ「C-X75」を発表

2010年9月30日、いよいよプレスデイが開幕したパリサロン。しかし実はパリ市内は、その前夜から熱い盛り上がりを見せ始めるというのが恒例だ。数多くのブランドが、市内のホテルやレストラン、美術館などを借り切り、ショーの取材のために世界中から集まったプレスをはじめとするゲストを招いた、ド派手な前夜祭イベントを行うのが定番となっているからである。

入口に展示された「ジャガーXJ-13」。
ジャガー、ハイブリッドスポーツ「C-X75」発表【パリサロン2010】
ジャガー、ハイブリッドスポーツ「C-X75」発表【パリサロン2010】

■ガスタービン+電気モーターのプラグインハイブリッド

今年、筆者が招いていただいたのはパリ7区にあるロダン美術館にて催されたジャガーのプレショーイベント。ジャガーは今年のショーで、市販車のニューモデル公開を予定していなかったから、そこで一体何が発表されるのか、もしくはされないのかも一切わからないまま、知らされないままに、ワクワクしながら会場に赴くと、美術館の前庭では2台の貴重なクラシックジャガーがお出迎えしてくれた。幻のルマン・カーである「XJ-13」、そして「Eタイプ・ライトウェイトクーペ」だ。

イベントは長いカクテルタイムからスタート。舞台の様子を見ると、ここで何かがお披露目されることは間違いない。しばし歓談しつつ待っていると、いよいよイベントがスタート。ジャガー&ランドローバーCEOのラルフ・スピース、ジャガーのマネージングダイレクターであるマイク・オドリスコルのスピーチの後、いよいよ花道に見たことのないクルマが現れた!

お披露目されたのはコンセプトカー「C-X75」。オールアルミボディに、レシプロエンジンではなく小型のガスタービンであるマイクロタービンと電気モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドのパワートレインを搭載するスーパースポーツである。1基195psを発生するインホイールモーターを4輪に搭載し、動力性能は0-100km/hが3.4秒、最高速が330km/h超と強力。その一方で、フロントに搭載されたリチウムイオンバッテリーに充電された電気だけで110kmを走行することができ、満タン航続距離は最大約900kmにも達する。CO2排出量は実に28g/kmだ。

ガスタービンエンジンに電気モーターを組み合わせた、プラグインハイブリッドスポーツカー「C-X75」。
ジャガー、ハイブリッドスポーツ「C-X75」発表【パリサロン2010】

ジャガー、ハイブリッドスポーツ「C-X75」発表【パリサロン2010】

そのスタイリングにも触れないわけにはいかないだろう。デザインダイレクターのイアン・カラムの下で外装デザインを担当したマット・ビーヴンによれば、まさに前庭に飾られていた「XJ-13」や「XJ220」といった名車のモチーフを使いながら、今後のジャガーデザインを暗示するものに仕上げたという。なるほどリアビューなどは「XJ-13」の影響を強く感じる。一方、低い位置にグリルを構え、スクエアに押し出したフロントは新たな解釈と言えるかもしれない。

時代の流れだろう。最近登場するスーパースポーツのコンセプトは、いずれもEVもしくはプラグインハイブリッドばかりとなっている。「ポルシェ918スパイダー」を筆頭に、「アウディe-tron」「メルセデス・ベンツSLS AMG E-CELL」。そこにジャガーが加わったのは、うれしい驚きだった。

実は今年はジャガーにとってブランドの75周年という記念すべき年にあたる。美しく、速く、情熱的なクルマだけを世に送り出し続けてきた75年の価値は計り知れないものがある。C-X75には、それを祝う意味もあるのだろう。ジャガーはやはり、こういう華やかな場がふさわしいブランドだ。

イベントはこのあと着席でのディナーとなり、各テーブルではジャガーのスタッフとの熱い議論、あるいはクルマを肴(さかな)にした歓談で遅くまで盛り上がった。翌日のプレスデイだって朝は思い切り早いのに……。でも、これがヨーロッパのスタイルなのである。

(文と写真=島下泰久)

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