第5戦SUGOはKEIHIN HSV-010の大逆転!【SUPER GT 2010】

2010.07.26 自動車ニュース
GT500クラスで劇的に勝利をもぎ取った、No.17 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大組)。
第5戦SUGOはKEIHIN HSV-010の大逆転!【SUPER GT 2010】

【SUPER GT 2010】第5戦SUGOはKEIHIN HSV-010の大逆転!

2010年7月25日、宮城・スポーツランドSUGOにてSUPER GT第5戦の決勝が行われた。レースは、予選10位からスタートしたNo.17 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大組)が、最終ラップで大逆転に成功。0.025秒という僅差で今季初勝利をものにした。

■GT-R、灼熱の予選を制す

6月の1戦はマレーシアでの海外開催だったため、国内でのSUPER GTはおよそ2カ月ぶり。みちのく仙台での戦いは、盛夏のなか幕を開けた。
厳しい暑さと戦いながら、予選では、ミシュランタイヤを装着するNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/B・トレルイエ組)がポールポジションを獲得。夏場のサーキットで秀でたポテンシャルを発揮するミシュランタイヤを、日本一速いフランス人の異名をとるトレルイエが巧みにコントロールし、2位のNo.100RAYBRIG HSV-010に0.444秒の差をつけた。

一方、GT300クラスは、上位につけながらも決勝で結果を残せていないNo.2 アップル・K-ONE・紫電 (加藤寛規/濱口弘組)がトップタイムをマーク、今季初優勝に照準を合わせた。

GT500クラスのスタートシーン。ポールスタートのNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rが、そのままゴールまで突き進むかに見えたが……。
GT500クラスのスタートシーン。ポールスタートのNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rが、そのままゴールまで突き進むかに見えたが……。
No.18 ウイダー HSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル組)は、最後の直線で逆転を許し2位でフィニッシュ。
No.18 ウイダー HSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル組)は、最後の直線で逆転を許し2位でフィニッシュ。

■逃げるGT-R、後続は大混戦

決勝日の日曜は不安定な空模様。うす曇の中、ときおり小雨が降ることもあった。レースは予想どおり、トレルイエのドライブでポールスタートのNo.23 GT-Rによる独走、逃げ切りの様相を呈したが、後続は序盤から接触を伴う荒れたレース展開。ポジションを落とすマシンも続出したが、小康状態になってからは、No.18 ウイダーHSV-010のロイック・デュバル、そしてNo.12 カルソニック IMPUL GT-Rの松田次生らがトップを追走した。

次に動きが見られたのは、ルーティンのピットインだった。クールスーツが正しく作動せず体温が上昇していたNo.18 HSV-010のデュバルは、ライバルに先んじてピットに戻り、小暮卓史へスイッチ。No.12 GT-Rの松田はレース折り返しよりやや早め時点でロニー・クインタレッリへ。ところが、その直後にピットインしたNo.6 ENEOS SC430の作業は手際よく、さらにNo.6 SC430とほぼ同時期にピットインしたNo.17 HSV-010の塚越広大がこれを上まわった。
その後No.17は、周回を重ねるなかでNo.12 GT-R、No.6 SC430を逆転。ついには3番手に浮上した。

疾走するNo.17 KEIHIN HSV-010。今季初となる勝利を手にした。
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■まさかの展開に観客も騒然

トップNo.23 GT-Rは磐石の走り。トレルイエから本山哲にスイッチし、あとは今季初勝利を待つだけかに見えたその時、なんと、最終コーナーで突然マシンがストップした。原因は、電気系のトラブル。ほどなくして息を吹き返したが、チェッカーまで残り8周。ここで勝利の望みは絶たれてしまった。

これでNo.18の小暮がトップを奪取、さらにNo.17の塚越にも勝利のチャンスがめぐってきた。勢いで勝るNo.17の塚越は、ファイナルラップの最終コーナー立ち上がりにすべてを賭けた。まず、テール・トゥ・ノーズで最終コーナーを立ち上がると、今度は一気にアウト側へ出てサイド・バイ・サイド。チェッカーフラッグが待つコントロールタワー手前、すーっと伸びたNo.17 HSV-010の鼻先が、僅差で先にフィニッシュラインを通過した。数字にして1000分の25秒差。勝利への執念から生まれた薄氷の勝利だった。

2台のHSV-010に続いたのは、No.6 SC430。一方、No.23 GT-Rは6位でチェッカー。これまで数々の波乱に満ちたドラマを生んできたSUGOには魔物が住むと言われるが、今回はNo.23 GT-Rがその餌食になってしまったのかもしれない。

GT300クラスで優勝した、No.2 アップル・K-ONE・紫電 (加藤寛規/濱口弘組)。
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■GT300はNo.2 紫電がパーフェクトウィン

GT500のドラマチックなレースとは対照的に、GT300は予選トップスタートのNo.2 紫電が、ただただズバ抜けた速さを見せつけた。他を寄せ付けぬ強さで、ポール・トゥ・ウィンの完勝。2位は、怒涛の追い上げを見せたNo.3 HASEMI SPORT TOMIKA Z(星野一樹/柳田真孝組)、3位にはNo.31 エヴァンゲリオンTR初号機aprカローラ(嵯峨宏紀/松浦孝亮組)が続き、それぞれ今季初めて表彰台にあがった。

GT500クラスを制し、喜びをあらわにするNo.17 KEIHIN HSV-010のふたり。写真右から、金石年弘と塚越広大。
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■次は伝統の鈴鹿戦

シリーズ後半戦へと突入したSUPER GT。続く第6戦もSUGO戦同様、暑さという見えない敵との戦いが続く。過酷な条件下では、安定した速さこそが勝利へ近道だ。SUPER GT最長となる700kmのレースでは、ライトオンされたマシンが鈴鹿サーキットを疾走するというのも見ものである。このスペシャルな一戦が行われるのは、ひと月後。8月22日に決勝が争われる。

(文=島村元子/写真=オフィスワキタ KLM Photographics J)

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