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【スペック】Gエアロ:全長×全幅×全高=4210×1695×1720mm/ホイールベース=2740mm/車重=1290kg/駆動方式=FF/1.5リッター直列4気筒SOHC16バルブ(118ps/6600rpm、14.7kgm/4800rpm)/価格=198万8000円(テスト車=220万8500円/Lパッケージ=11万5500円/スカイルーフ=10万5000円)

ホンダ・フリードスパイク Gエアロ/Gジャストセレクション【試乗速報】

ホンダの動く城 2010.07.22 試乗記 ホンダ・フリードスパイク Gエアロ(FF/CVT)/Gジャストセレクション(FF/CVT)
……220万8500円/214万5000円

ホンダから車中泊対応(?)のニューモデル「フリードスパイク」がデビュー。さっそく、その使い勝手をチェックした。

衝撃のニューモデル

以前、新聞だか雑誌だかで、「多くのアメリカ人男性が思い描くリタイア後の夢は、キャンピングカーで全米をまわることだ」という記事を読んだ記憶がある。自分には欧米かぶれのケがあるので、それはいい、自分もリタイアしたらマネッコしようと心に決めている。そりゃ北米大陸に比べたら日本は狭い。でも、海岸線の総延長距離は北米大陸よりも日本列島のほうが長いというし、1年ぐらいかけて日本一周をするのは面白そうだ。

そこで前々から気になっているのが、寝泊まりできるクルマだ。リタイア後の年齢を考えると、体力的に毎日が車中泊というのは厳しいかもしれない。けれども、「オレは宿の予約や門限とかメンドくさいことを忘れて、好きな時間に好きな場所に行って好きなように寝るノダ」というフリーな姿勢にもあこがれる。現実的には、「車中泊」「車中泊」「民宿」「車中泊」「車中泊」「素泊まり旅館」ぐらいのペースに落ち着きそう……。

てなことを時折、思い出したように考えているわけですが、そこに衝撃的なニューモデルが登場した。大人が余裕をもって横になれることを前面に打ち出した、「ホンダ・フリードスパイク」である。「フリードスパイク」を簡単に説明すれば、5ナンバーサイズの3列シートミニバンとしてヒットをかっ飛ばした「フリード」の2列シート版。ホイールベースの長さや1.5リッターエンジンとCVTとの組み合わせなど、基本構成は「フリード」と同じ。乗車定員は5人で、3列目シートが備わらないぶん、荷室空間の充実を図っている。試乗会では、荷室空間からチェックを開始する。

巨大なガラス天井「スカイルーフ」は、「エアウェイブ」や「フィット」といった他のホンダ車でもおなじみのオプション装備。車中泊の車内から、星空が仰げるかも?
巨大なガラス天井「スカイルーフ」は、「エアウェイブ」や「フィット」といった他のホンダ車でもおなじみのオプション装備。車中泊の車内から、星空が仰げるかも? 拡大
スピードメーターの目盛りの色がオレンジから白になったり、ダッシュパネルの色味がややマットになるなどの小変更はあるものの、オープンカフェをイメージしたというインテリアの基本的な意匠は「フリード」と共通。
スピードメーターの目盛りの色がオレンジから白になったり、ダッシュパネルの色味がややマットになるなどの小変更はあるものの、オープンカフェをイメージしたというインテリアの基本的な意匠は「フリード」と共通。 拡大
2年前にデビューした「フリード」は好調で、2年間の累計で約17万3000台が販売された。月平均では約7000台で、2010年上半期の乗用車の売り上げ第8位。この「フリード」との差別化について開発のまとめ役を務めた安木茂宏LPL(ラージ・プロジェクト・リーダー)は「Another Life Creator」というキーワードをあげた。つまり日々の生活に使いつつ、休日は広い荷室をアクティブな趣味などに活用して暮らしの幅を広げるのだという。
先代にあたる「モビリオスパイク」と比較すると、全長で+85mm、全高で+10mmと、わずかではあるが大型化している。全幅とホイールベースは変わらず。
2年前にデビューした「フリード」は好調で、2年間の累計で約17万3000台が販売された。月平均では約7000台で、2010年上半期の乗用車の売り上げ第8位。この「フリード」との差別化について開発のまとめ役を務めた安木茂宏LPL(ラージ・プロジェクト・リーダー)は「Another Life Creator」というキーワードをあげた。つまり日々の生活に使いつつ、休日は広い荷室をアクティブな趣味などに活用して暮らしの幅を広げるのだという。
	先代にあたる「モビリオスパイク」と比較すると、全長で+85mm、全高で+10mmと、わずかではあるが大型化している。全幅とホイールベースは変わらず。 拡大

至れり尽くせりの荷室空間

「ダイブダウンシート」と名付けられた2列目シートは、ワンモーションで前方に倒れ込む。特に力を入れなくてもスムーズに作動するのが印象的だ。倒れたシートの背もたれ部分と、荷室フロアに設置される「反転フロアボード」の高さがそろい、広くて長〜い“平地”ができあがる。2列目シートは6:4の分割可倒式だから、平地の面積を変えることもできる。試しに横になってみたら、身長180cmの自分もしっかり足を伸ばすことができた。

荷室には棚、スポットライト、ドリンクホルダー、ビルトイン式テーブルなどが備わり、恥ずかしながら自分の仕事部屋よりも親切設計。なかなか居心地がよさそうだったので、家に帰ってからフロアに敷くテンピュールのマットレスの値段を調べてしまった。ちなみに4万2000円から。

兄貴分の「フリード」にも、2列シートで定員5名の「FLEX」という仕様がある。けれどもあっちの2列目シートは、折り畳んで前席シートの背後に寄せるタイプ。だから荷室の最大長は「フリードスパイク」の2015mmに対して「フリードFLEX」は1445mmと大きく差がつくのだ。

比較ということで言えば、たとえば「フォルクスワーゲン・パサートヴァリアント」も荷室がフラットになるから車中泊に向いた1台。欧米かぶれとしてはこっちのドイツ製ワゴンを選びたいという気持ちもある。
けれども「フリードスパイク」の荷室で数分間だけど起居してみると、室内の高さが想像していたよりうれしいということに気付いた。「フリードスパイク」の室内は1メートル以上の高さが確保されていて、未就学のお子さんだったら立ったまま着替えができそう。で、この空間で、コーヒーをいれながら釣りの支度をすることを想像すると、ちょっとグッとくる。おじさんのハートに、強烈なスパイクが撃ち込まれる。

2列目シートを畳んだ状態だと、荷室と約115mmの段差が生まれる。この段差を埋めるために荷室フロアに配置されるのが「反転フロアボード」。完全なフラットフロアにすることもできるし、反転させるとスロープが付いている面が現れ、自転車を積んで固定するのに便利な床形状となる。ボードの重量は左側の大きい方が4.7kg、右側の小さい方で2.7kg。持ち手もついているので、ひっくり返すのは簡単だ。
(写真をクリックすると、荷室のアレンジが見られます ※モデルの身長は180cm)
2列目シートを畳んだ状態だと、荷室と約115mmの段差が生まれる。この段差を埋めるために荷室フロアに配置されるのが「反転フロアボード」。完全なフラットフロアにすることもできるし、反転させるとスロープが付いている面が現れ、自転車を積んで固定するのに便利な床形状となる。ボードの重量は左側の大きい方が4.7kg、右側の小さい方で2.7kg。持ち手もついているので、ひっくり返すのは簡単だ。
	(写真をクリックすると、荷室のアレンジが見られます ※モデルの身長は180cm) 拡大
荷室の壁面は、ごらんのとおり収納スペースに。積載時に荷物でふさがれないよう、スピーカーは上部に配置。結果、一番後ろのサイドウィンドウはふさがれた。
荷室の壁面は、ごらんのとおり収納スペースに。積載時に荷物でふさがれないよう、スピーカーは上部に配置。結果、一番後ろのサイドウィンドウはふさがれた。 拡大
2列目シートは、座面を沈ませながら倒れこむ「ダイブダウン式」を採用。荷室の空間を広く平らに使うための工夫だ。
2列目シートは、座面を沈ませながら倒れこむ「ダイブダウン式」を採用。荷室の空間を広く平らに使うための工夫だ。 拡大
こちらは“走るベース基地”の使用例。マットや収納など、アフターパーツも用意される。
こちらは“走るベース基地”の使用例。マットや収納など、アフターパーツも用意される。 拡大

「エネポ」も一緒に!

日本一周をもくろむわけだから、もちろんしっかり走ってくれないと困る。その点、突出した魅力こそ見つからないものの「フリードスパイク」はうまくまとまっている。1.5リッターエンジンとCVTの組み合わせは扱いやすい性格で、低い速度域でのレスポンスもいい。高速道路の登り勾配(こうばい)でフル加速をするような場面では力不足を感じるけれど、不満といえばそれぐらい。静かで滑らか、普段使いには適している。

乗り心地もかたすぎず、やわらかすぎず。ハンドリングもシャープではないがどっしり安定しており、足まわり全体がいい具合のところでバランスしている。高速走行時の風切り音やエンジン音などのノイズも小さく、これなら長時間ドライブしても疲れることはないだろう。ただしステアリングホイールの手応えが軽すぎて、タイヤがどっちを向いているかの情報がいまいち曖昧(あいまい)なことが気になった。エンジンにしろサスペンションにしろ、素直でクセがないのが特徴だ。

というわけで、「フリードスパイク」はリタイア後の相棒としてなかなかいいのではないかと思った。最廉価版で159万8000円からという値段も手頃だ。短時間の試乗だったので燃費は計測できなかったけれど、10・15モード燃費は16.4km/リッター(FFの場合。4WDは14.0km/リッター)と、なかなかの数字。日本一周にはありがたい。問題は、一緒に行ってくれる人がいるかどうか。ホンダが最近発表したカセットボンベ式の発電機「エネポ」を積んで、炊きたてのゴハンや焼きたてのパンで奥さんの機嫌をとる、というのはどうだろう。ホンダにはぜひ、「エネポ」をセット販売してほしい。

(文=サトータケシ/写真=高橋信宏)

動力性能は必要にして十分。外観から想像するよりもボディの見切りがよく、運転もしやすい。横風にも強く、高速道路で強い風にあおられても安定していたのには感心した。タイヤサイズは185/65R15で、試乗車が履いていた銘柄はヨコハマの「S76」。
動力性能は必要にして十分。外観から想像するよりもボディの見切りがよく、運転もしやすい。横風にも強く、高速道路で強い風にあおられても安定していたのには感心した。タイヤサイズは185/65R15で、試乗車が履いていた銘柄はヨコハマの「S76」。 拡大
試乗したFF仕様のトランスミッションはCVT。4WD仕様のエンジンは同じだが、トランスミッションは5ATとなる。
試乗したFF仕様のトランスミッションはCVT。4WD仕様のエンジンは同じだが、トランスミッションは5ATとなる。 拡大
【スペック】Gジャストセレクション:全長×全幅×全高=4210×1695×1715mm/ホイールベース=2740mm/車重=1280kg/駆動方式=FF/1.5リッター直列4気筒SOHC16バルブ(118ps/6600rpm、14.7kgm/4800rpm)/価格=178万8000円(テスト車=214万5000円/Lパッケージ=11万5500円/Honda HDDインターナビシステム+ETC=24万1500円)
【スペック】Gジャストセレクション:全長×全幅×全高=4210×1695×1715mm/ホイールベース=2740mm/車重=1280kg/駆動方式=FF/1.5リッター直列4気筒SOHC16バルブ(118ps/6600rpm、14.7kgm/4800rpm)/価格=178万8000円(テスト車=214万5000円/Lパッケージ=11万5500円/Honda HDDインターナビシステム+ETC=24万1500円) 拡大
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