第40回:『2002年カンヌ国際広告祭』(その6)

2007.09.01 エッセイ

第40回:『2002年カンヌ国際広告祭』(その6)

「2002年カンヌ国際広告祭」シリーズも最終回。前回紹介したカローラのキャンペーンについて……。

他人のカローラに乗り込む女の子
他人のカローラに乗り込む女の子
「黙って、走って!」
「黙って、走って!」

カローラキャンペーンの反響

2001年度の売り上げが15%増、イギリスの中型車の低価格部門で、過去最高のシェアを達成した。なによりも重要なことは、20%の増収をみたことである。事後調査の結果、カローラに対する認識が大幅に変わり、知名度がこれまでにないほど高くなった、とのことである。新型カローラは2002年度、イギリスの自動車専門誌「What Car?」でカー・オブ・ザ・イヤーを受賞。モーター・トレード・アワードで、マニファクチャー・オブ・ザ・イヤーも受賞した。広告に関するクリエイティブ面からいうと、“学校篇”はカンヌのみならず、ニューヨークの「ワン・ショウ」でも金賞を受賞。同キャンペーンはさらに、2002年のカンヌで「エージェンシー・オブ・ザ・イヤー」を、サッチ&サッチにもたらす一因ともなったのだ。

日本メーカーの受賞をふり返る

日本の商品が海外のコンクールで入賞することは喜ばしいことだが、これら5つの賞は全部海外の広告代理店の作品で、純粋な意味で日本の作品ではない。このような傾向が続くと、近い将来インターナショナルな日本企業の広告は、海外の広告代理店に全部とられてしまい、日本の代理店は国内だけのクライアントしか取り扱いができなくなる、という危機にさらされているのではないだろうか。頑張れニッポン!

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。

金子 秀之

金子 秀之

早稲田大学商学部卒業。資生堂のアートディレクターとして前田美波里のサマーキャンペーンを担当。1973年博報堂のクリエイティブ・ディレクターとして、サントリーの「ブランディ水で割ったらアメリカン」キャンペーンを手がける。1993年(有)クエスターを設立。広告製作及び海外広告の紹介をして現在にいたる。