BMW、近未来のモビリティ発表

2010.06.15 自動車ニュース
「BMWビジョン・エフィシェントダイナミクス」
BMW、近未来のモビリティを発表

BMW Mobility of the Future - Innovation Days in Japan 2010

BMWジャパンは2010年6月15日、「BMW Mobility of the Future - Innovation Days in Japan 2010」を開催。報道関係者に向けBMWの環境への取り組みをアピールするとともに、日本初公開となる環境対応車を披露した。

 
BMW、近未来のモビリティ発表の画像
「BMWアクティブハイブリッド7」
「BMWアクティブハイブリッド7」
「BMWアクティブハイブリッドX6」
「BMWアクティブハイブリッドX6」

■BMWが描くクルマの未来

BMWジャパンは、2010年6月17日、18日の2日間、東京ビッグサイトにて「BMW Mobility of the Future - Innovation Days in Japan 2010」を開催する。BMWが目指すクルマの未来を日本のカスタマーに伝えようというこのイベントに先立ち、報道関係者向けに同社の取り組みに関する発表会が開かれた。

発表会ではまず、BMWが推し進める走りと環境性能を両立するコンセプト「EfficientDynamics(エフィシェントダイナミクス)」についての日本での取り組みを、BMWジャパン社長のローランド・クルーガー氏が説明。すでに受注が始まっている7シリーズベースのハイブリッドカー「BMWアクティブハイブリッド7」について、「このクルマは、われわれのエフィシェントダイナミクスの考え方を、クラス最高の効率を提供することで実現したもの」と語り、2010年7月からいよいよデリバリーが始まることを報告した。

そして、EV走行も可能なフルハイブリッドカー「BMWアクティブハイブリッド X6」を2010年末までに日本に導入することを表明。「ハイブリッドは、日本におけるエフィシェントダイナミクス戦略できわめて重要なものと位置づけています。将来は、BMWアクティブハイブリッド7、BMWアクティブハイブリッド X6に加え、5シリーズや3シリーズのハイブリッドも日本に導入していきたい」と述べた。

BMW AG車両開発担当執行役員のアルビン・ディャンドーファー氏。
BMW AG車両開発担当執行役員のアルビン・ディャンドーファー氏。
 
BMW、近未来のモビリティ発表の画像
 
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■エフィシェントダイナミクス

「BMWの目標は、性能を向上させ、走る喜びをさらに高めると同時に燃費を改善することです」。それを実現するのがエフィシェントダイナミクスなのだと語るのが、独BMWの車両開発担当執行役員のアルビン・ディャンドーファー氏だ。彼によれば、BMWは1995年から2008年のあいだにBMW全車両の平均CO2排出量を27%削減し、また、2012年にもスタートするEU燃費規制を達成する見込みだという。ディャンドーファー氏が強調したのは、平均CO2排出量が少ないだけでなく、平均エンジン出力がライバルに比べて高いこと。これこそが、高効率と高性能を両立するエフィシェントダイナミクスの成果だというわけだ。

エフィシェントダイナミクスを支えているのは、直噴システム、ターボ、バルブトロニックといった内燃機関の効率向上技術。これに加えて、高度なエネルギー制御技術や軽量化構造、優れた空力特性が重要な役割を果たしている。その結果、たとえば新型「BMW535i」は、旧型に比べて出力を13%アップさせながら、燃費は13%低減している。「このような努力はBMWのニューモデルだけでなく、すべてのラインナップについて改善の努力を継続している」とディャンドーファー氏は説明する。

会場には、2009年のフランクフルトショーに出展されたコンセプトカー「BMWヴィジョン・エフィシェントダイナミクス」が持ち込まれた。「エンジン出力は356HP、0-100km/h加速は4.8秒、燃費は26km/リッター。BMWはこのヴィジョンを現実のものにします」と語り、ヴィジョン・エフィシェントダイナミクスの実現に向けて意欲を示した。

BMW AG プロジェクトi担当執行役員のウルリッヒ・クランツ氏。
BMW AG プロジェクトi担当執行役員のウルリッヒ・クランツ氏。
「MINI E」
「MINI E」
「BMWコンセプトアクティブE」
「BMWコンセプトアクティブE」

■「MINI E」が日本を走る!

発表会には、独BMWから「プロジェクトi」担当の執行役員であるウルリッヒ・クランツ氏も駆け付けた。都市部における持続可能なモビリティ、すなわち、電気自動車(EV)によるゼロエミッション社会の実現を目指すプロジェクトiは、現在、アメリカ、イギリス、ドイツなどの大都市において、「MINI E」による実証実験を実施している。その成果を生かし、2011年には「BMWコンセプトアクティブE」を開発。そして、2013年には「メガシティビークル」と呼ばれる小型軽量のEVを市場に投入しようというのが、BMWのシナリオである。クランツ氏は「MINI EとBMWコンセプトアクティブEの経験を生かして、メガシティビークルを高品質で洗練されたものにしていきたい」と述べた。

MINI Eは、MINIをベースに、204psのモーターと35kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載したコンバートタイプのEV。アメリカを中心に550台以上が実証実験に供されており、1走行あたり、あるいは1日あたりの平均走行距離や駐車時間といったさまざまなデータの取得に役立てられている。たとえば、ベルリンで使われているMINI Eでは、1走行あたりの走行距離は9.5kmで、これは「BMW116i」や「MINIクーパー」とさほど変わらず、ユーザーはEVであるデメリットを感じていないとBMWは判断する。また、158kmの航続距離については、最適とはいえないまでも十分なレベルという評価が報告されている。

クランツ氏のスピーチの後、クルーガーBMWジャパン社長から、2011年初めにMINI Eの実証実験を日本でも実施することが発表された。日本におけるMINI Eの実証実験は「メガシティビークル導入準備のための1ステップ」と位置づけられており、「三菱i-MiEV」や「日産リーフ」といった日本勢に外国勢が加わることで、EVの開発競争はますます盛んになりそうだ。

(文=生方聡)

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