第145回:欧州クルマ広告に「民族主義旋風」の予感!

2010.06.05 エッセイ

第145回:欧州クルマ広告に「民族主義旋風」の予感!

「Wir leben Autos」が記されたオペルのサイン。2010年ジュネーブショーで。
第145回:欧州クルマ広告に「民族主義旋風」の予感!

オペルの「アレ」が変わった

日本では市場撤退以来ごぶさた気味の「オペル」だが、最近ヨーロッパ各国でさまざまなメディアを見ていて気がつくのは、シンボルマークの下に書かれている彼らのスローガンが変わったことだ。

昨年前半までは「Discover Opel」だったが、後半からは「Wir leben Autos」に変わったのだ。スローガンは、ひとあし先の2008年7月にマイナーチェンジしたエンブレム(稲妻マークがより立体的になり、上部に「OPEL」の4文字が入った)と組み合わされている。

直訳すると「我々は車で生きる」といったところか。本来のドイツ語としても少々ぎこちないのだが、それは衆目を集めようというコピーライターの意図であろう。

オペルによると、「Wir(我々)」は、エンスージアズムの共有と「私たちはできる」といった前向きな姿勢。「leben(生きる)」は、クルマを造るだけでなく、オペルに携わる人々のエネルギーと未来。そして最後の「Autos(自動車)」には、オペルがただ運転するだけでなく、毎日の生活における基本的な一部分である。ということが込められているという。ボクからすれば、昨年GMの経営危機に翻弄(ほんろう)されたオペルの、再出発に対する決意とも受け取れる。

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大矢 アキオ

大矢 アキオ

コラムニスト。国立音楽大学ヴァイオリン専攻卒にして、二玄社『SUPER CG』元編集記者、そしてイタリア在住20年という脈絡なき人生を歩んできたものの、それだけにあちこちに顔が広い。今日、日本を代表するイタリア文化コメンテーター。10年以上にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストをはじめラジオでも活躍中。『Hotするイタリア』『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『カンティーナを巡る冒険旅行』『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(ともに光人社)、電子書籍『イタリア式クルマ生活術』(NRMパブリッシング)など数々の著書・訳書あり。