最新マシンがガチンコ 「ニュル24時間」開催

2010.05.17 自動車ニュース
BMWはワークス体制でエントリー。2台の「M3 E92」を投入し、25号車が総合優勝をもぎとった。ちなみに、BMWは6月に開催されるルマン24時間レースにも参戦する予定だ。
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38年目を迎えた“偉大なる草レース”「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」開催

フランスの「ルマン24時間耐久レース」に次いで人気を集める欧州の耐久レース「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」が、2010年5月13日から15日にかけて、1周=25.9kmのニュルブルクリンク北コースを舞台に開催された。

38回目を迎える2010年の大会には、世界各国から203台のマシンが参戦。“偉大なる草レース”と称されるとおり、当初はプライベーターを中心に争われていたレースだが、近年は自動車メーカーがワークスチームを組織。話題の最新モデルを投入するなど、各社の力を示す大事な舞台となっている。

モーターとガソリンエンジンを併用するハイブリッド・レーシングカー「ポルシェ911 GT3 R ハイブリッド」が参戦。熱い走りを見せた。
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4ドア4シーターのアストン・マーティン「ラピード」もレーシングカーとしては変わった存在。ほか同ブランドでは「V12ヴァンテージ」の姿も。
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フォルクスワーゲンは「シロッコ」の天然ガス仕様車「シロッコGT24-CNG」で参戦。計3台を投入し、117号車が総合16位、ATクラス1位を獲得した。
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■まさに“走るモーターショー”!

FIAが統括するF1世界選手権や世界ラリー選手権(WRC)、耐久レースの代名詞、ルマン24時間とは対照的に、ニュルブルクリンク24時間耐久レース(以下ニュル24時間)は、あくまでもドイツ国内のローカルイベントだ。日本でいえば、スーパー耐久シリーズの一戦として開催されていた「十勝24時間レース」、いや、イメージ的にはちょっと昔の「筑波ナイター9時間レース」のようなお祭りイベントとして、プライベーターを中心に親しまれてきたレースである。

多くのメーカーやタイヤメーカーがここニュルを舞台に新製品の開発テストを行ってきたこともあり、1990年代の後半になると、メーカー各社がワークスチームを組織。近年では、2008年にトヨタ自動車が開発を目的に「レクサスLFA」を、フォルクスワーゲンがプロモーション目的で「シロッコ」を投入するなど発売前のモデルが送り込まれる場面も見られた。かようにニュル24時間レースは“実戦形式のモーターショー”的な状態になりつつあり、2010年も話題の最新モデルがその勇姿を見せることとなった。

今大会の注目マシンを挙げるとするなら、一番は、ポルシェが投入したエコロジーなレーシングカー「GT3 R ハイブリッド」といえるだろう。同モデルのレースデビューは、ニュルブルクリンクを舞台にしたシリーズ戦「ニュルブルクリンク長距離耐久選手権」の開幕戦だったが、チームディレクターのハンス・グルードは「あくまでもテスト的な参戦で、ターゲットはニュル24時間レース。ハイブリッドモデルの可能性を示したい」と語っていた。
フロントに駆動用モーターを備えた同モデルは、めまぐるしく変わる天候にもめげることなく、予選9番手を獲得。決勝でも序盤でトップに浮上するなど、抜群のパフォーマンスを披露したが、チェッカーまで残り2時間というところでトラブル発生、リタイアに終わった。

アストン・マーティンが投入した4ドア4シーター「ラピード」、プジョーが投入した新型クーペ「RCZ」は、このニュル24時間がレースデビューとなる。「ラピード」はSP8、ディーゼルエンジン搭載の「RCZ」はD1Tと、参戦するクラスこそ異なるが、ともにニューマシンのプロモーションが目的だ。

マシンもロールケージ、燃料タンクなどのレース装備品を除けばほぼ市販モデルの状態。しかし、それだけにマシンのバランスは高くなっており、「ラピード」が総合34位/SP8クラス2位、「RCZ」の201号車が総合50位/D1Tクラス1位、200号車が総合79位/D1Tクラス2位でフィニッシュした。

「プジョーRCZ」
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「BMW Z4 GT3」
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「レクサスLFA」は今年で3度目のチャレンジ。予選から順調な走りを披露し、木下隆之/飯田章/脇阪寿一/大嶋和也の50号車が総合19位/SP8クラス1位を獲得した。
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BMWが開発した「Z4 GT3」も同イベントでデビューを迎えたマシンで、複数のプライベーターチームに供給されている。ワークス体制ではないものの、マシンのバランスは高く、有力プライベートチーム「シューベルトモータースポーツ」の76号車が総合4位/SPGT3クラス2位で完走を果たした。

もちろん、ここで紹介したニューマシン以外にも数多くのマシンが参戦している。その勇姿はカースコープのコーナーに場を移して紹介したいが、まさに車種バリエーションが豊富なこともニュル24時間レースの特徴と言えるだろう。

なお、肝心のレースのほうは、ヨルグ・ミュラー/オーガスト・ファルファス/ウベ・アルツェン/ペドロ・ラミー組の「BMW M3」が優勝。アウディ、ポルシェ勢が脱落するなか、最後まで安定した走りを披露した。BMWワークスチームにとっては、2004年、2005年の2連覇以来、5年ぶりの勝利となった。

(文と写真=廣本泉)

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