「三河で旧いクルマのミーティング」開催!

2010.05.11 自動車ニュース
マリーナを望む芝生広場に設けられた特別展示コーナー。慣れない場所(?)に並べられているのは、バンやトラックなどのはたらくクルマ(商用車)たち。
「三河で旧いクルマのミーティング」開催!

マニアックながらオープンなローカルイベント 〜「第15回三河で旧いクルマのミーティング in ラグーナ」開催

2010年5月9日、愛知県蒲郡市のラグーナ蒲郡で「第15回三河で旧いクルマのミーティング in ラグーナ」が開かれた。

この日の最古参、唯一の戦前生まれである1937年式「ダットサン17型トラック」。基本構造を共有するセダンやクーペなどより、トラックはさらにおもちゃっぽく見える。エンジンはサイドバルブ722cc直4。ナンバーの「三」とは三重県のこと。
「三河で旧いクルマのミーティング」開催!
1961年から79年まで20年近くにわたって作られた小型ボンネットトラックである「トヨタ・スタウト」のほぼ最終型。ローダウンされ、派手なカラーリングやクロームメッキで装っている。もともとアメリカンなデザインなので、こうした西海岸風のカスタマイズもよく似合う。
「三河で旧いクルマのミーティング」開催!

■最大級のローカル旧車イベント

桜が咲き始めるころから梅雨入り前までは、秋と並ぶクラシックカーイベントのハイシーズン。週末になると、各地でさまざまなイベントが開催されている。それらの中から先週は地方自治体が主催する催しの一環として行われるクラシックカーイベントをリポートしたが、今回は旧車愛好家が企画運営する地域に根ざしたイベントを紹介しよう。

「旧車愛好家が企画運営する地域に根ざしたイベント」と一口に言っても、これまたたくさんあるのだが、「三河で旧いクルマのミーティング in ラグーナ」は参加台数約270台と、そうしたイベントの中でも最大級の規模を誇っている。それでいながら、15回目を数える今も当初から変わらない、いい意味でのアマチュアリズムにあふれる草の根イベントなのである。
具体例をひとつ挙げれば、3000円というリーズナブルな参加費。しかもその金額には会場であるリゾート施設「ラグーナ蒲郡」の商品券1000円分が含まれている。さらにプログラムに用意されている「ビンゴ大会」で景品をゲットすれば、実質タダ、あるいはもうかってしまう(?)可能性だってあるのだ。

この「三河で旧いクルマのミーティング in ラグーナ」を主催しているのは、愛知県豊川市に本拠を置く「ベレGクラブ」。その名のとおり基本的には「いすゞベレット」のワンメイククラブなのだが、ベレット以外の旧車オーナーも準会員として認めるという、懐が深くフレンドリーな雰囲気のクラブである。そんなクラブが企画運営するだけあって、このミーティングの参加資格も「1980年以前に生産された国産車、外国車、および主催者が認めた車両」というおおらかなもの。だが、前述したように参加車両の数はもちろんのこと、質においても見ごたえのある車両が集まるという評判を得ているのである。

記者のこれまでの取材経験に基づく推論だが、東海地方は他の地方に比べて旧車愛好家が多いと思う。加えてワンオーナー車やシングルナンバー車(ナンバープレートの「5」や「3」といった分類番号がひとケタの車両)といった、旧車の世界で付加価値が高いとされる車両の残存率が高い。このイベントにも、そうしたクルマが少なからず参加しているのだ。

最初期型(1964年)の「いすゞベレット1600GT」。ボディカラーの赤は現オーナーの好みで塗られたもので、オリジナルはアイボリーだったという。シャシーナンバーが137なので、同型車が最低137台作られたわけだが、残存するのはこれ1台かも。ま、パッと見にはただのベレGなんですけどね……。
「三河で旧いクルマのミーティング」開催!
「ルノー4CV」のライセンス生産の経験をもとに作られた日野初のオリジナル乗用車が「コンテッサ」。その最終型にして国産初のスポーツセダンだった1964年式「コンテッサ900S」。「大5」のシングルナンバー付きで、コンディションも抜群。
「三河で旧いクルマのミーティング」開催!
これもシングルナンバー付きのワンオーナー車という初代「カローラ・スプリンター1200SL」(1969年)。2代目以降はカローラの双子車となるスプリンターだが、初代はカローラのクーペモデルの名称だった。新車時から装着しているというスチールにメッキした「エルスター」ホイールも超希少。
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■激レアな最初期型「べレG」も!

今回はそんな中でも飛び切りレアなモデルがエントリーされていた。それがなにかといえば最初期型(1964年)で、しかも「愛5」というシングルナンバーの付いた「ベレット1600GT」である。そう言われても大半の読者はピンとこないだろうが、記者はもちろんのこと、ベレット歴30年以上で、これまでに手に入れたベレットは数十台という、主催者である「ベレGクラブ」の会長ですら「初めて見た」というシロモノなのだ。

「ベレット1600GT」は日本で初めて「GT」を名乗ったモデルとして1964年の4月に発売されたのだが、同年の10月には早くもマイナーチェンジされてしまった。たった半年しか作られなかったこの最初期型に関して、記者も調べたことがあるのだが、実車はもちろん資料もほとんど見つけられなかった。豊富な資料を誇る『CG』誌の「CGライブラリー」にも、広報写真が1枚あるのみである。そんなモデルの、それもオリジナル度が高い車両を見られただけでも、個人的には訪れたかいがあったというものだ。

感動のあまりいささかディープな話になってしまったが、このほかにも数多くの見るべき車両があった。ここ数回にわたり、会場内の芝生広場ではテーマに沿った特別展示が実施されているのだが、今回のテーマカーはなんと「商用車」。旧車イベントは数多くあれども、高級車やスポーツカーを差し置いて商用車が特等席に配置されることなどめったにあるものではない。こうしたところにもこのイベントの独自性が光る。

最後になってしまったが、会場となった「ラグーナ蒲郡」は、マリーナとショッピングモールやテーマパークを擁する複合レジャースポットが合体したリゾート施設である。よってクルマを見るのに飽きても、お茶を飲んだり、買い物をしたり、遊んだりと選択肢は豊富にあるから家族連れでも参加しやすく、ギャラリーにとっても訪れやすい。並んでいるクルマはマニアックながらイベントの雰囲気が開放的なのは、主催者の人柄に加えてこのロケーションが果たしている役割もあると思う。同時に「三河で旧いクルマのミーティング」が盛況である理由のひとつでもあるのだろう。

(文と写真=田沼 哲)

クリフカットのスタイリングが愛らしいマツダの軽、初代「キャロル」(1962〜71年)のオーナーズクラブから揃って11台が参加。リアに積んだ360ccエンジンはオールアルミ製の水冷直4、OHVながらヘミヘッドという高級な設計である。
「三河で旧いクルマのミーティング」開催!
出展車両の8割方は国産旧車だが、外国車も頑張ってます。「アルピーヌA110」、「同A106」、2台の「ルノー8ゴルディーニ」が並んだ、おフランスな雰囲気の一角。
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