こいのぼりの街で旧車祭り開催

2010.05.06 自動車ニュース
「ベビーロールス」と通称される1929年「ロールス・ロイス20hp」、1971年「ディーノ246GTB」、1964年「ベントレーS3コンチネンタル フライング・スパー」などが並んだゲスト車コーナー。このように約120台のクラシックカーがおよそ600mにわたって並べられていた。
こいのぼりの街で旧車祭り 〜「KAZOクラシックカー・フェスタ2010」開催

こいのぼりの街で旧車祭り 〜「KAZOクラシックカー・フェスタ2010」開催

2010年5月3日、埼玉県加須市の利根川河川敷緑地公園で「KAZOクラシックカー・フェスタ2010」が開かれた。

これが「ジャンボこいのぼり」。全長100m、口と目玉の直径が10m、重さ350kgで、もちろん世界最大。やや下に見える小さな吹き流しのようなものが、普通のこいのぼり(全長10m)である。こいのぼりもスゴイが、これを揚げる移動式の巨大なクレーンにも驚いた。
これが「ジャンボこいのぼり」。全長100m、口と目玉の直径が10m、重さ350kgで、もちろん世界最大。やや下に見える小さな吹き流しのようなものが、普通のこいのぼり(全長10m)である。こいのぼりもスゴイが、これを揚げる移動式の巨大なクレーンにも驚いた。
新緑と満開の菜の花の黄色にアルファの赤が映える。左端の1965年「ジュリア・スプリントGTC」は、64年から66年にかけて約1000台のみ作られたモデル。
新緑と満開の菜の花の黄色にアルファの赤が映える。左端の1965年「ジュリア・スプリントGTC」は、64年から66年にかけて約1000台のみ作られたモデル。
残存数から考えれば、いまや相当な希少車である1970年代の日産車が2台並んでいた。79年の初代「スタンザ」(右)と77年の2代目「シルビア」(左)。しかも2台ともワンオーナー車というから、脱帽するしかない。ちなみに奥に見えるワンボックスは初代「キャラバン」。
残存数から考えれば、いまや相当な希少車である1970年代の日産車が2台並んでいた。79年の初代「スタンザ」(右)と77年の2代目「シルビア」(左)。しかも2台ともワンオーナー車というから、脱帽するしかない。ちなみに奥に見えるワンボックスは初代「キャラバン」。

■要人の愛用車も登場

10年ほど前から、地方自治体が主催する市民祭りなどの公共イベントにおけるプログラムのひとつとして、クラシックカー関連の企画が設けられる機会が増えてきている。この「KAZOクラシックカー・フェスタ」もそうしたプログラムで、毎年ゴールデンウイークに開催されている市民平和祭に昨年から加えられた。したがって今回が2回目の開催となる。

東京都心から50kmほど北に位置する埼玉県の加須市は、昔からこいのぼりの産地として知られ、生産量は日本一なのだそうだ。というわけで、毎年5月初旬に開かれる市民平和祭の目玉は「ジャンボこいのぼり」。なんと全長100m、口の直径10m、重さ350kgという巨大なこいのぼりの遊泳が、22年前から始まった祭りの名物なのである。

その「ジャンボこいのぼり」の掲揚スペースを中心とした市民平和祭の会場の一角で行われた「KAZOクラシックカー・フェスタ」には、県内および近県から約120台のクラシックカーが集まった。参加車両は利根川に沿った河川敷の道路に一列にズラリと並べられ、その長さはおよそ600mにも及んだ。これまでに数多くのクルマ関連イベントを取材してきたが、こうした展示方法に遭遇したのは初めての経験である。

どんなクルマが並んでいたかといえば、古くは今年でちょうど100歳となる1910年式「ロールス・ロイス シルバーゴースト」から、新しいところでは通称鉄仮面こと80年代の日産「スカイラインRSターボ」までと、生産国やサイズを問わずバラエティに豊んでいた。なぜか車列の中には「クラシックカー・フェスタ」にもかかわらず90年代のモデルも数台混じっていたが、個人的には「見なかったこと」にしておいた。

先に名を挙げたシルバーゴーストをはじめ、ロールス・ロイスやベントレーがおよそ10台と、この種の草の根系イベントにしては例外的に多かったが、これには理由がある。各種メディアで紹介され、今ではかなり知られるようになった白洲次郎のベントレーや吉田茂のロールス・ロイスなどを動態保存する「WAKUI MUSEUM」が加須市内にあり、その関係からその種の高級車がゲスト参加したというわけだ。

もちろん白洲次郎のベントレーや吉田茂のロールス・ロイスも出展されていたが、そうした歴史的な名車から、昭和30年代の横丁の名車である「ダイハツ・ミゼット」や「バイクモーター」までが文字通り横一線に並ぶイベントというのも、これまた珍しい。

昭和の働き者コーナー。戦前からマツダと並ぶ三輪トラックメーカーだったダイハツの、最後のオート三輪となった1972年「CM」型。基本的には50年代以来のモデルである。2台のバイクモーター(これぞ「原動機付き自転車」)は、1953年ごろの「マルウチ」号。
昭和の働き者コーナー。戦前からマツダと並ぶ三輪トラックメーカーだったダイハツの、最後のオート三輪となった1972年「CM」型。基本的には50年代以来のモデルである。2台のバイクモーター(これぞ「原動機付き自転車」)は、1953年ごろの「マルウチ」号。
なにやら人だかりがしているが、「チキバン号」とはなんぞや? このシトロエンHトラックのこと? いや、そうではなさそうだ……。
なにやら人だかりがしているが、「チキバン号」とはなんぞや? このシトロエンHトラックのこと? いや、そうではなさそうだ……。
これが「チキバン号」の正体。運転している旧車愛好家の長谷川衛孝さんが、昭和30年ごろの農業用の石油発動機(500cc、出力3ps)を用い、自作したイベント専用車(?)である。一日中、ほとんど休みなしに希望者を乗せて走り回った長谷川さん、お疲れさまでした。
これが「チキバン号」の正体。運転している旧車愛好家の長谷川衛孝さんが、昭和30年ごろの農業用の石油発動機(500cc、出力3ps)を用い、自作したイベント専用車(?)である。一日中、ほとんど休みなしに希望者を乗せて走り回った長谷川さん、お疲れさまでした。

市民祭りのプログラムというイベントの成り立ちからいって、とくにクルマ好きというわけではない来場者のほうが圧倒的に多かったはずである。とはいうものの、「クラシックカー・フェスタ」は盛況だった。
世間ではクルマ離れが盛んに言われているが、こうしたイベントにおいて、過去と現在をつなぐタイムマシンであるクラシックカーの人気は、まだまだ捨てたものではない。だからこそ、クラシックカー関連企画をプログラムに加える公共イベントが増えているのだろう。となれば、お上もクラシックカーを文化遺産として認めるなんらかの措置(たとえば自動車税の軽減とか)を、そろそろ検討してくれてもいいのではないかと思うのだが。五月晴れの空を泳ぐ雄大なこいのぼりを見上げながら、ふとそんなことを考えたのだった。

(文と写真=田沼 哲)

特別出展されていた「日野レンジャー」。ダカールラリー連続出場(28回)の記録保持者としてギネスブックに認定されている菅原義正氏が、今年のダカールを戦ったマシンである。こちらも希望者にコクピットを開放していた。
こいのぼりの街で旧車祭り 〜「KAZOクラシックカー・フェスタ2010」開催

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