メルセデス・ベンツブースの紹介(前編)【パリサロン2012】

2012.10.01 自動車ニュース
メルセデス・ベンツブースの様子。
メルセデス・ベンツブースの紹介(前編)【パリサロン2012】

【パリサロン2012】メルセデス・ベンツブースの紹介(前編) 〜注目は2台の電気自動車

2012年9月27日のプレスデイを皮切りに開幕したパリモーターショー。最近、ひとつのモーターショーで複数のワールドプレミアを発表しないと追いつかないほどの新車攻勢を掛けるメルセデス・ベンツは、ここパリで、現行モデルをベースにしたEVを出展した。

「メルセデス・ベンツSLS AMGクーペ エレクトリックドライブ」
「メルセデス・ベンツSLS AMGクーペ エレクトリックドライブ」
ドアの構造は、ベースモデルの「SLS AMGクーペ」と同じガルウイング式となる。
ドアの構造は、ベースモデルの「SLS AMGクーペ」と同じガルウイング式となる。
「SLS AMGクーペ エレクトリックドライブ」のローリングシャシー。
「SLS AMGクーペ エレクトリックドライブ」のローリングシャシー。

■750ps、102.0kgmのスーパーEVが登場

欧州の秋のモーターショーは、パリとフランクフルトで交互開催となっており、2012年はドイツ勢にとっては“裏の年”、つまりアウェイでの出展となる。そのためか、ニューモデルの数はそこそこあったものの、すでにその存在が明らかになっていたモデルの市販バージョンや派生車種などが中心。残念ながら、主軸車種のフルモデルチェンジやメルセデスの未来予想図が見えるようなコンセプトカーといった大物は不在だった。

そのなかで一番目立っていたのは、「SLS AMGクーペ エレクトリックドライブ」。スーパースポーツカー「SLS AMG」ベースの電気自動車である「SLS AMG E-CELL」の市販バージョンだ。

すでにコンセプトカー時代に幾度となくモーターショーに出展されていたので、存在自体は特に驚くべきものではないが、ただでさえ目を引くスタイリングに眩(まばゆ)いばかりのブルーメタリックのボディーカラーでお披露目されたのだから、その存在に注目するなというのも無理な話だ。

四つのモーターでそれぞれの車輪を駆動する4WDシステムをはじめ、基本的な構成は「SLS AMG E-CELL」と同じ。ただし、モーターの出力と電池の容量が拡大した。のモーターの合計最高出力は392kW(533ps)から552kW(750ps)へ、また最大トルクは880Nm(89.7kgm)から1000Nm(102.0kgm)へと大幅にアップ。0-100km加速は3.9秒。この数字はガソリン仕様の「SLS AMG」のコンマ1秒落ちにすぎない。548kgに達するリチウムイオンバッテリーを搭載するにも関わらず、ガソリン仕様と遜色ないポテンシャルが与えられているのだ。
最高速度は250km/hで、リミッターが作動する設定になっている。電池はセンタートンネルやボディー後方に搭載。容量を48kWhから60kWhへと拡大することで、NEDC(新欧州ドライビングサイクル)の混合モードでの250kmという航続距離を稼いでいる。

気になる価格は41万6500ユーロ(ドイツ)。日本円に換算すると約4174万円。ガソリン仕様が18万6830ユーロだから2.2倍ということになる。発売は2013年7月の予定だ。

「SLS AMGクーペ エレクトリックドライブ」のインテリア。「SLS AMGクーペ」のデザインが踏襲される。
「SLS AMGクーペ エレクトリックドライブ」のインテリア。「SLS AMGクーペ」のデザインが踏襲される。
「メルセデス・ベンツBクラス エレクトリックドライブ」
「メルセデス・ベンツBクラス エレクトリックドライブ」
2013年の市販が予定されている「Bクラス」の天然ガス仕様車「B200ナチュラルガスドライブ」。
2013年の市販が予定されている「Bクラス」の天然ガス仕様車「B200ナチュラルガスドライブ」。

■「Bクラス」ベースの現実的EVも

また、新型「Bクラス」ベースの電気自動車「Bクラス エレクトリックドライブ」も同時にお披露目された。メルセデス・ベンツのEV戦略は付加価値で訴求を仰ぐスペシャルモデルだけでなく、地に足の着いた実用車との“二刀流”で行くものと見える。「Bクラス エレクトリックドライブ」は現段階ではコンセプトモデルだが、2014年には市販化へと移行したいようだ。

前述の「SLS」とは異なり、一つのモーターで前輪を駆動。最高出力は100kW(136ps)、最大トルクは310Nm(31.6kgm)。0-100km/h加速は10秒以下、最高速度は150km/hだが、こちらも「SLS AMGクーペ エレクトリックドライブ」と同様にリミッターで制限されている。200kmの航続距離を可能にするリチウムイオン電池をボディー後半の床下に搭載することで、室内およびラゲッジスペースへの影響を最小限にとどめているという。

さらにパリでは、Bクラスの天然ガス仕様もデビューを果たしている。こちらは2013年に発売の予定。広いスペースを持つBクラスは電気や天然ガスを用いた代替エネルギー車として有効活用されるようだ。

(文と写真=新井一樹)

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