第407回:いったいどうして? ミツオカ初の電気自動車「雷駆」
 ひと安心……光岡会長はやっぱり燃える男だった!!

2010.04.30 小沢コージの勢いまかせ!

第407回:いったいどうして? ミツオカ初の電気自動車「雷駆」 ひと安心……光岡会長はやっぱり燃える男だった!!

乗車定員5人がキモ

ぶっちゃけ、ちょっと疑問を感じちゃったんですね。先日突如発表された「ミツオカ雷駆(ライク)」。同社初の電気自動車ってのは素晴らしいし、中身が「三菱i-MiEV」ベースってことも、別にいい。今までも「ビュート」は「日産マーチ」だったし、「卑弥呼」は「マツダ・ロードスター」、「我流」は「日産クルー」だもんね。

でも正直、いつもの見た目の“大変身ぶり”というか、インパクトがなかった。たしかにフロントマスクは独特の“鬼瓦シングルフレームグリル”(勝手に命名(笑))だし、リアも大幅拡大メッキバンパーを装着してるけど、パッと見、まごうことなきi-MiEVで「えっ、これなに? もしかしてジャガー!?」みたいな、シンプルかつ分かりやすい驚きはない。

聞けばポイントは、ボディ前後長を17cmも拡大して衝突安全性が増し、軽登録から5ナンバー登録にすることで、大幅改造いらずで乗車定員が4人から5人になる。ただ、実際実車を見て、リアのシートベルトが2人分から3人分になっているのは分かったけど、「それがそんなに大事なんかいなぁ?」と正直思ってたんですよ。

ところが一連の光岡式ニューモデルの開発総指揮者であり、同社ファウンダーでもある光岡進会長に、発表会で直撃してひと安心。ミツオカの面白さというか、レゾンデートル(存在意義)は全く変わってなかったんですね。まずは会長とのやりとりを……。

小沢:正直、オリジナリティというか、いつものミツオカの分かりやすいデザイン的魅力が足りないように思ったのですが……。
光岡:はあ、そうですか。今回私どもはこの雷駆を“物理的なクルマ”と言っておりまして、今までの“ファッションカー”とは少々違うんです。
小沢:“物理的なクルマ”というと?
光岡:いわゆる実質が違うというか、見た目以上に中身が物理的に違うのが今回の狙いで。
小沢:それは、5人乗りのことですか?
光岡:雷駆は、いわゆる「トヨタiQ」とか、「スマート・フォーツー」を乗られているような方に乗っていただきたいと思ってます。いわば、小さくても高級なクルマですね。実際、今回の開発テーマも“スモールジュエリー”で。
小沢:す、スモールジュエリー!?
光岡:今まで軽乗用車といえば、きゃしゃなデザインばかりで、大人っぽいものが少なかったですが、そこをメッキバンパーを使ってボディを大型化し、上手に演出したつもりです。
小沢:具体的にはデザイナーにどのような指示を?
光岡:「小さくても高級にしてくれ」と。
小沢:なるほど。
光岡:もう一つは実用性です。たとえば現在、タクシー業者からの「EVを使いたい」という要望はすごく多いんです。i-MiEVは軽登録なので4人乗車、つまり後席に3人乗せられないので、業務用としてはとても使えない。でも雷駆は、たしかにリアシートは狭いかもしれませんが、3人は乗れますし、逆に小さいがゆえのメリットというか、利益も大きい。特に都心部では取り回しもいいですし、今やこの大きさでも安全性も高い。私はi-MiEVに乗って、これぞ小さくてもタクシーにふさわしい電気自動車だと思い、ベース車に選んだんです。
小沢:これを使わないのはもったいない、これを使ってEV市場、ひいては日本のクルマ車界を活気づけよう! ということですね。

小沢 コージ

小沢 コージ

神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』

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