第138回:【Movie】実録! これが本場シトロエン野郎たちの実態だ

2010.04.17 エッセイ

第138回:【Movie】実録! これが本場シトロエン野郎たちの実態だ

サーキット走行はモデル別に行われた。これは「GS/GSA」の部。
サーキット走行はモデル別に行われた。これは「GS/GSA」の部。
「BX」と「ZX」の群れに戦前型が交差する、時間旅行のような光景。
「BX」と「ZX」の群れに戦前型が交差する、時間旅行のような光景。
映画「007 ユア・アイズ・オンリー」劇中車の自作レプリカ。
映画「007 ユア・アイズ・オンリー」劇中車の自作レプリカ。

このノリを見よ!

近年でこそラリードライバー セバスチャン・ローブの活躍でイメージが変わってきたが、日本では長年シトロエンファンというと「ちょっと気難しい人」の印象があった。

ハイドロ・ニューマティックのサスペンション、セルフセンタリングのステアリング、ボビン式メーターといった独特の機構に加え、シトロエンという企業やその宣伝手法は20世紀フランスを象徴するに値し、簡単には語りつくせない。丁寧に話をするとかなり長くなる。
そのため「早い・安い・うまい」を至上とした日本社会で、気難しいヤツだ、ととらえられてしまったことは否めない。

もちろん本場フランスのシトロエニストたちの多くも、創業者アンドレ・シトロエンの人生や、シトロエンというブランドがはぐくんだ企業文化には、深い尊敬の念を抱いている。
ただしお国柄、「子供の頃、町を走っていた『2CV』に憧れて」「親父が同じ『DS』を持っていた」というふうに、うんちくの語り始めは、よりソフトなものが多い。

加えて、彼らのノリは日本で考えるよりもずっと軽妙で、老いも若きも、見知らぬ他人でもすぐに一緒に盛り上がる。これは大都市を除き、日本よりも核家族化が進んでいないフランスという風土ならではであろう。

ボクが脇で観察していると、「見てないで乗りなよ」と室内に押し込まれ、気がつけば一緒にコースを回っていたりする。
ついでにいえば、この親しみやすさ、敷居の低さこそが、「5割以上が現役社会人世代である41−60歳」という、フランス・ヒストリックカー愛好者の若さにつながっているに違いない(FEVE フランス古典車協会調べ)。

欧州のシトロエンイベント恒例のキャンプ場も設営された。
第138回:【Movie】実録! これが本場シトロエン野郎たちの実態だ

今回お届けするのは、2009年8月14-16日にルマンのブガッティ・サーキットで開催された、3年に1度のシトロエンの祭典『ユーロシトロ』である。
シトロエンの自動車製造90周年というお祭りムードもあって、炎天下にもかかわらず、3日間の来場者は1万4000人に達した。シトロエン自体も、日頃は非公開の歴史資料館からお宝を運び出してテントに展示した。

モボ・モガ夫妻、自転車でついてくるお医者さんから、怪しい神父まで……。本場シトロエン乗りたちの世界がどんなに愉快なものであるかを、とくとご覧いただこう。そして、たとえシトロエンでなくても、この春夏クルマイベントに参加される方は、この明るさをぜひ参考にして事前にハイになっていただければと思う。

(文と写真=大矢アキオ、Akio Lorenzo OYA)

オフィシャルカーは、「2CV」エンジンを搭載した落下傘投下用軍用車。
オフィシャルカーは、「2CV」エンジンを搭載した落下傘投下用軍用車。
3日間に集結したシトロエンは2646台!
3日間に集結したシトロエンは2646台!

【Movie】シトロエンの祭典『ユーロシトロ』(その1)


【Movie】シトロエンの祭典『ユーロシトロ』(その2)

(撮影と編集=大矢アキオ、Akio Lorenzo OYA)

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大矢 アキオ

大矢 アキオ

コラムニスト。国立音楽大学ヴァイオリン専攻卒にして、二玄社『SUPER CG』元編集記者、そしてイタリア在住20年という脈絡なき人生を歩んできたものの、それだけにあちこちに顔が広い。今日、日本を代表するイタリア文化コメンテーター。10年以上にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストをはじめラジオでも活躍中。『Hotするイタリア』『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『カンティーナを巡る冒険旅行』『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(ともに光人社)、電子書籍『イタリア式クルマ生活術』(NRMパブリッシング)など数々の著書・訳書あり。