2010年もマッチ&GT-Rの勝利で幕開け!【SUPER GT 2010】

2010.03.22 自動車ニュース
表彰台左から、2位のNo.6 ENEOS SC430(伊藤大輔/B・ビルドハイム)、2年連続開幕勝利を手にしたNo.24 HIS ADVAN KONDO GT-R(J.P・デ・オリベイラ/安田裕信)、3位のNo.100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴)。
2010年もマッチ&GT-Rの勝利で幕開け!【SUPER GT 2010】

【SUPER GT 2010】2010年もマッチ&GT-Rの勝利で幕開け!

2010年3月21日、三重県の鈴鹿サーキットでSUPER GTの2010年シーズン第1戦、決勝レースが行われた。
初戦を制したのは昨年に続き、No.24 HIS ADVAN KONDO GT-R(J.P・デ・オリベイラ/安田裕信組)。予選10位からの遅れを挽回するため、ルーティンワークのピット作業でタイヤを交換しなかったことが、勝利へとつながった。
2位には予選4位のNo.6 ENEOS SC430(伊藤大輔/B・ビルドハイム組)、3位はホンダのニューマシン、No.100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴組)が続いた。

また、GT300では、No.7 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7(谷口信輝/折目遼組)がチームとして2年ぶりの優勝をとげた。

ノックダウン予選Q2で、まさかのクラッシュ。No.24 HIS ADVAN KONDO GT-R (J.P・デ・オリベイラ/安田裕信)
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■ニューマシンHSV-010 GTが初戦ポール

春の穏やかな陽気に恵まれた予選。F1と同じノックダウン方式の決勝グリッド争奪戦で、ポールポジションを奪ったのは、No.18 ウイダー HSV-010(小暮卓史/L・デュバル組)だった。今季新たに投入されたこのホンダのニューマシンに、開発当初から関わってきた小暮。流れるリズムに乗るかのような走りを見せて、レクサスSC430や日産GT-Rといったライバル勢の前に立ちはだかった。デビューレースでのポール獲得に、アタッカーを務めた小暮も「決勝は逃げ切りのレースをしたい」と満面の笑みを浮かべた。

これに続いたのは、レクサスSC430のNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/L・ライアン組)。0.095秒の僅差ながら2位に甘んじた。そして日産GT-RのNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/B・トレルイエ組)が3位となり、3メーカーが予選上位を分かちあった。

デビュー戦でPPを獲得したNo.18 ウイダー HSV-010(小暮卓史/L・デュバル)を先頭に2010年スーパーGT開幕戦がスタート。
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ポールスタートのNo.18 ウイダー HSV-010(小暮卓史/L・デュバル)とNo.8 ARTA HSV-010(R・ファーマン/井出有治)、No.32 EPSON HSV-010(道上龍/中山友貴)がメインストレートで交錯し、No.18とN0.8が接触。コントロールを失いクラッシュした。
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■大荒れの序盤戦でホンダ勢が自爆

決勝日の天気は、うってかわって荒れ模様。強風に乗った黄砂がサーキットを包み、どんよりとした空が広がった。また気まぐれなタイミングで雨が降るなど、コース上でのミスを誘発しやすいコンディションのなか、戦いの火蓋が切られた。

レースはポールNo.18 HSV-010の小暮がクリアなスタートを切ったものの、130Rで僅かな雨に足元をすくわれ、コースアウト! 波乱の幕開けとなった。低い気温にタイヤが思うように温まらず、硬めのタイヤを選択したチームは軒並み苦戦。激しいポジション争いでコースアウトや接触などが続いた。

そんななか、11番手を争う3台のHSV-010は、サイド・バイ・サイドのまま1コーナーへと突入。アウト側のNo.8 ARTA HSV-010のR・ファーマン、中央のNo.32 EPSON HSV-010の道上龍、そしてイン側のNo.18 HSV-010の小暮が接触した。両端のNo.18とNo.8が激しく絡み合い、そのまま1コーナーの外へとコースアウトし、マシンは大破。あっけなくデビュー戦の幕を下ろした。

このアクシデントでレースはセーフティカーを導入。これでさらに上位の差がなくなり、レース再開後も激しいバトルが続くこととなった。

優勝したNo.24 HIS ADVAN KONDO GT-R (J.P・デ・オリベイラ/安田裕信)。予選でリアが大破したマシンを、午前4時までかかって修復。作業に携わったメカニックたちの苦労が実を結んだ。後ろは2位に入ったNo.6 ENEOS SC430(伊藤大輔/B・ビルドハイム)
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GT500クラス2位のNo.6 ENEOS SC430(伊藤大輔/B・ビルドハイム)
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■明暗を分けたタイヤ選択、そして無交換作戦

レース中盤を過ぎドライバー交代や給油といったルーティンワークが始まると、選択したタイヤによってはその足元をなかなか固めることができず、前半稼いだマージンを失うチームが出始めた。

一方、ライバル達の苦戦する姿を見て、思い切った戦略を決断するチームも現れた。No.24 HIS ADVAN KONDO GT-Rである。朝のフリー走行でユーズドタイヤのもちが予想以上に良いと手ごたえを感じたチームは、スタートドライバーのオリベイラと無線でコンタクトを取りながら「タイヤ無交換」作戦を決行。

「今朝試したタイヤは50周近く走っても状態が良かった。だから、レース中もタイヤをキープする気持ちなどなく、攻めていたよ」とオリベイラ。予選では自らのミスによるコースアウトで10位に甘んじたが、決勝ではライバル達のドタバタ劇をかいくぐり、暫定トップに立っていた。
コンビを組む安田は、今季チームを移籍したばかり。「タイヤの持ちがいいことはわかっていたし、無交換の話も出ていたので、僕はそれに応えて勝たなきゃいけないという気持ちが大きくなった」と初戦でいきなり任された大役を、見事に完遂。相手の意表に出た作戦は功を奏し、そのままトップを守り抜いてトップでチェッカードフラッグを受けた。

采配をふるった近藤真彦監督は「タイヤ無交換はあくまでも戦略のひとつだった」と、いたって冷静を装っていた(?)ものの、チームは3年前から毎年1勝を挙げており、しかも今回の勝利で、昨年の岡山国際サーキットに続く開幕戦2連勝。ときおり口元を緩ませていた。

GT300クラス優勝の M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7(谷口信輝/折目遼)。この日、谷口はホンダエキサイトカップ・シビック・ワンメイク・レースにも参戦。ポールからスタートして優勝している。「1日に2回もポール・トゥ・フィニッシュできるなんて、もう二度とないかも」と喜びを語った。後ろは2位のNo.46 アップスタート MOLA Z(横溝直輝/阿部翼)
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■GT300はドラマチックな展開に

GT300も序盤から多重クラッシュを伴う荒れ模様。そんななか勝利を手にしたのは、ポールポジションからスタートしたNo.7 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7だった。今回、GT500ではトップ3のうち2台が珍しくタイヤ無交換を敢行したが、GT300ではすでに昨年からこのNo.7 SGC 7がしばしば行い、好成績を残してきた実績をもつ。

とはいえ、No.7 SGC 7のスタートを務めた谷口は、オープニングラップで痛恨のコースアウト。その後は怒涛の追い上げ、そして今やチームでスタンダードな作戦となったタイヤ無交換でポジションを挽回。後半ドライブした折目が攻めの姿勢を貫くという、ドラマチックな勝利だった。2位にはNo.46 アップスタートMOLA Z(横溝直輝/阿部翼組)、3位はディフェンディングチャンピオンのNo.19 ウェッズスポーツIS350(織戸学/片岡龍也組)だった。

■ホンダ、無事復活なるか!?

次戦の舞台は、岡山国際サーキット。インターバルはわずか2週間。そこで気になるのは、今回接触による痛手を負ったNo.8とNo.18のHSV-010だ。幸いドライバーに大きな怪我はなかったが、2台とも大きなクラッシュで無残な姿となり、チームはタイトなスケジュールのなか修復を強いられることになる。

鈴鹿で最速タイムをマークした小暮によれば、HSV-010の安定性が岡山でもアドバンテージになるとのことだが……。迎え撃つGT-RとSC430はライバルの勢いを止めることができるのか? レースは4月4日に決勝を迎える。

(文=島村元子/写真=オフィスワキタ KLM Photographics J)

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