開幕直前、2010年のSUPER GTはココに注目!【SUPER GT 2010】

2010.03.18 自動車ニュース

開幕直前、2010年のSUPER GTはココに注目!【SUPER GT 2010】

【SUPER GT 2010】開幕直前、2010年のSUPER GTはココに注目!

いよいよ今週末、2010年3月21日の開幕戦が迫ったSUPER GT。全8戦で争われる国内の最高峰レースを制するのは、いったいどのチームなのか?
3月5、6日に行われた公式テストの様子を紹介しつつ、今シーズンの見通しをリポートする。

TEAM KUNIMITSUの、No.100 RAYBRIG HSV-010。
開幕直前、2010年のSUPER GTはココに注目!【SUPER GT 2010】

■台風の目は「ホンダHSV-010」

ホンダは、1月中旬にお披露目した新兵器「HSV-010」で今シーズンを戦う。カーボンむき出しだったマシンは各チームのスポンサーカラーで彩られ、昨年までのNSXとはまた異なる雰囲気を醸し出していた。

気になる戦闘力はといえば、テスト時はコースが雨に見舞われたこともあって、純粋な評価やライバルたちとの比較をするのも難しい。とはいえ、関係者の話によれば、「(鈴鹿に先立ち非公開で行った)岡山国際サーキットでのテストでは、インパクトのある速さを見せていた」とのことだった。

昨シーズン、終盤までチャンピオン争いに加わっていたNo.8 ARTAの土屋圭市エグゼクティブアドバイザーは、「最初の2、3戦は(結果を出すのは)厳しい」「GT-Rのようにデビューウィンを飾れればいいが、そんなに甘くはないでしょう」と慎重なコメントを残したが、順調にテストのメニューをこなしている様子を見る限り、「HSV-010」が今季の台風の目になることは間違いないと思われる。


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マシンを従えてテストデイの会見に臨んだ、KONDO RACINGの近藤真彦監督。後ろは、(左から)ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラと安田裕信の両ドライバー。(写真=島村元子)
マシンを従えてテストデイの会見に臨んだ、KONDO RACINGの近藤真彦監督。後ろは、(左から)ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラと安田裕信の両ドライバー。(写真=島村元子)

■「日産GT-R」は新エンジンでタイトル奪還へ

2009年は圧倒的な速さを見せながらも、チャンピオン争いにあと一歩届かなかった「GT-R」には、新たに3.4リッターエンジン、VRH34Aが搭載される。もともとGT-Rが参戦するGT500クラスの使用エンジン規程は、FRの3.4リッター。だが、これまで4.5リッターエンジンを使用してきたため、イコールコンディションに近づけるための性能調整を受けていた。その30kgあったハンディウェイトも、今季のエンジン変更で免除される。ダイエットを済ませたマシンは、これまでのデータをもとにセットアップを順調に続けている。

ドライバーのコンビネーションも再編された。ワークスのNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rこそ本山哲とブノワ・トレルイエのままだが、No.12 カルソニックIMPULにはロニー・クインタレッリが、そしてNo.24 HIS ADVAN KONDOには安田裕信が新加入している。

さらに、その足元を支えるタイヤも各チームによって異なる。12号車のブリヂストン、24号車のアドバンは変更ないが、23号車にはミシュランが新たに装着されることになった。あらゆるレースコンディションに対応し、GT-R勢としての勝利の可能性を広げるのが狙いだ。

公式テスト日には、2008年のGT-Rデビュー以来、毎シーズン1勝を挙げているKONDO RACINGの近藤真彦監督も会見に臨み、「安田の加入によって、速さ、若さの点で期待をしている。今年はシーズン2勝以上して、チャンピオンを目指したい」などと、意気込みをみせた。

チャンピオンマシンのNo.1 PETRONAS TOM'S SC430は、初の2年連続タイトルを狙う。
チャンピオンマシンのNo.1 PETRONAS TOM'S SC430は、初の2年連続タイトルを狙う。
こちらは伊藤大輔とビヨン・ビルドハイムが駆る、No.6 ENEOS SC430。
こちらは伊藤大輔とビヨン・ビルドハイムが駆る、No.6 ENEOS SC430。

■チーム、ドライバー不動の「レクサスSC430」

ディフェンディングチャンピオンのNo.1 PETRONAS TOM’S SC430は、脇阪寿一とアンドレ・ロッテラーのコンビを継続。フロントボンネットにテスト中のカーボンパーツを装着して公式テストに臨んだ。

「ディフェンディングチャンピオンでシーズンを迎えるのは3度目ですが、今回こそ連続でタイトルを獲りたいと思います」というのは、脇阪寿一。テストでは新たな2010年仕様のパーツはもとより、昨季後半に試せなかったセッティングの方向性を確認してきたという。「タイム的にはまだよくないけれど、マシンのフィーリングはよくなってきたので、あとは合わせ込みをしていくだけ」とコメントを残した。

レクサス勢は、残る4台も昨年と同じ布陣でレースに挑む。ホンダや日産より一年前からGTAが定める規程に沿った車両を投入しているわけで、特にシーズン序盤はアドバンテージがあるはず。ライバルは全くの新車であったり、スリム化したエンジンとシャシーとのバランス調整を続けるなど、まだ開発の余地があるだけに、先行逃げ切りといきたいところだろう。

No.8 ARTA HSV-010
開幕直前、2010年のSUPER GTはココに注目!【SUPER GT 2010】

■フォーミュラ・ニッポンとの合同イベントも

3月21日の第1戦鈴鹿を皮切りに、全8戦でシリーズ戦を繰り広げる今年のSUPER GT。シリーズ戦の回数は昨年よりもひとつ少なくなるものの、11月13、14日には、富士スピードウェイでフォーミュラ・ニッポン(FN)との合同イベント「FUJI SPRINT CUP2010」が初めて開催される。

肝心のレギュレーションは、2009年には大幅な改定があったものの、今季は特筆すべき変更点は少ない。だが、トップカテゴリーのGT500シリーズにおいては、エンジンに関する規定が「シーズンを通して使用できるエンジンは3基までとする」から「1エンジンで4レース以上使用する」という内容に変わった。昨季よりも短いインターバルでの置換が可能となったことにより、シーズン中盤以降の駆け引きに影響が出てくることが予想される。

一方のGT300は、今季もさまざまな車両が顔をそろえることになった。No.2 紫電、No.7 RX-7、No.43 Garaiyaといった個性派はそのまま、「スバル・レガシィB4」や「アストン・マーティンV8 ヴァンテージ」といったマシンも姿を見せ、ファンならずとも興味高まる内容となっている。

そんな2010年のSUPER GT。まずは、第1戦の鈴鹿から注目されたい。

(文=島村元子/写真=鉄谷康博)

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