VW、アウディ、ポルシェのブース紹介【ジュネーブショー2010】

2010.03.04 自動車ニュース
ポルシェブースのブリーフィングの様子。左から「カイエンSハイブリッド」「918スパイダー」「911GT3 Rハイブリッド」。
VW、アウディ、ポルシェのブース紹介【ジュネーブショー2010】

【ジュネーブショー2010】VWの充実、アウディの革新、ポルシェの刺激

2010年のジュネーブショーでは、環境対応モデルのみならず、ニューモデルの出展が数多く見られるドイツメーカー。フォルクスワーゲンと、そのグループのアウディ、ポルシェのブースを紹介する。

3.8リッターターボエンジン(520ps)搭載の新型「ポルシェ911ターボS」。
3.8リッターターボエンジン(520ps)搭載の新型「ポルシェ911ターボS」。
フルモデルチェンジされた「ポルシェ・カイエン」。
フルモデルチェンジされた「ポルシェ・カイエン」。

■ポルシェも効率をうたう

フォルクスワーゲン・グループが開催する、プレス向けの前夜祭的イベントに、いよいよ参加するようになったポルシェ。しかし丸くなどなってはいない。出品は実に刺激的だった。

目玉は「918スパイダー」。「カレラGT」のシャシーに「RSスパイダー」の最高出力500ps以上を発生する3.4リッターV8を積み、さらに前後アクスルに合計218psの電気モーターを搭載した、プラグインハイブリッド・ミドシップスポーツカーだ。前輪は電気モーターで、後輪は7段PDKを介してエンジン、そして電気モーターで駆動される。

ニュルブルクリンク旧コースでのラップタイムは7分20秒台。それでいて燃費は33.3km/リッター(欧州NEDCモード)という電化モビリティ時代の未来に向けた提案だ。

新型「カイエン」も、いよいよ登場の「カイエンSハイブリッド」を大きくフィーチャー。さらにニュルブルクリンク24時間レースへの出場を表明している「911GT3 Rハイブリッド」も展示された。このハイブリッドシステムはウィリアムズF1チームが開発していたフライホイール式のKERS(運動エネルギー回収システム)である。

スローガンは「PORSCHE INTELLIGENT PERFORMANCE」。ポルシェも今や効率をうたい、電気駆動を前面に打ち出す時代なのだ。

新型「フォルクスワーゲン・シャラン」
新型「フォルクスワーゲン・シャラン」
新型「フォルクスワーゲン・トゥアレグ」に設定されるハイブリッドモデル。
新型「フォルクスワーゲン・トゥアレグ」に設定されるハイブリッドモデル。

■フォルクスワーゲンはニューモデル攻勢

実に4台のワールドプレミアなど、積極的なニューモデル攻勢を仕掛けてきたのが、フォルクスワーゲンである。完全な新型車は2台。まずはかつて日本にも導入されていたミニバン「シャラン」の久々の新型、そして2世代目となる「トゥアレグ」である。特にトゥアレグは約200kgもの大幅な軽量化やハイブリッドの設定など、昨今のSUVへの風当たりの強さに対応した意欲作である。

派生モデルとしては、まず「ポロGTI」がある。最高出力180psのツインチャージャーTSIに7段DSGを組み合わせたパワートレイン、「ゴルフGTI」譲りのXDSを備えたシャシーは、すべて走りを見据えたもの。それでいてCO2排出量は139g/kmに過ぎないのだ。「クロスポロ」、そして先代は日本には限定導入だった「クロスゴルフ」も最新型に。さらにサプライズとしてピックアップ商用車の「アマロック」も発表された。

フォルクスワーゲンは2018年までに世界一の自動車メーカーになるという計画をすでに公式にぶち上げている。ラインナップの隙間を丹念に埋めるこれらのモデルは、いずれもその目的のために欠かせない役者たちなのである。

アウディのプレスブリーフィングの様子。
アウディのプレスブリーフィングの様子。
「アウディA1 e-tron」
「アウディA1 e-tron」
「アウディA8ハイブリッド」
「アウディA8ハイブリッド」

■技術による先進、アウディ

そして今回、最大の注目を集めたブランドといえば、やはりここアウディだろう。そのラインナップの充実ぶり、投入された革新のテクノロジーの数々は、ものすごいインパクトを放っていた。

一番の注目株が新型コンパクトカー「A1」だ。PRでメインフィーチャーされるジャスティン・ティンバーレイクを招いてのステージは実に華やか。待ち望まれたBセグメントのコンパクトモデルは、日本には来年にも導入の予定だという。

しかも今回、このA1をベースとする「A1 e-tron」もデビュー。前輪は常に電気モーターで駆動され、発電用エンジンとして荷室下部に、なんと小型ロータリーエンジンを積む斬新な1台だ。

不意打ちのように登場したのが「A8ハイブリッド」である。エンジンをなんと2.0TFSIまでダウンサイジングして、電気モーターでアシスト。前輪を駆動する徹底的なエコ仕様で、CO2排出量は実に144g/kmに過ぎないという、衝撃のモデルである。

他には「RS 5」がデビュー。「R8」などにも積まれているV型8気筒4.2リッターFSIの最高出力を450psまで高めて搭載する。他にも全輪トルクベクタリングを可能とする新しいクワトロシステム、可変式リアスポイラー、オーバーフェンダーを採用したスタイリングなど豊富な見所をもつこのモデルは、日本にも年内には上陸するはずだ。

ハイブリッドやEVに関して取り組みの遅れを感じさせたこともあるアウディだが、2009年秋のフランクフルトショーでの「e-tron」発表以降、流れは完全に変わり、今やその最先端を行っていると言ってもいい。特にA1 e-tronとA8ハイブリッドの2台は時代を変える力をもった2台だと言えるだろう。

アウディの今の勢いはスタイリッシュさやクオリティだけが理由ではない。そのスローガン通り、背骨にあるのはあくまで進化し続けるテクノロジーなのだと再認識させる今回の出展だった。

(文と写真=島下泰久)

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