ホンダ、ニューマシン「HSV-010 GT」でSUPER GTに参戦【SUPER GT 2010】

2010.01.19 自動車ニュース
カーボンボディに真っ赤なHエンブレムが光る、「HSV-010 GT」。傍らに置かれるのは、新エンジン「HR10EG」。
ホンダ、ニューマシン「HSV-010」でSUPER GTに参戦【SUPER GT 2010】

【SUPER GT 2010】ホンダ、ニューマシン「HSV-010 GT」でSUPER GTに参戦

本田技研工業は2010年1月18日、今シーズンのSUPER GT選手権に参戦する新型レーシングマシン「HSV-010 GT」を発表した。

マシンの前に立つのは、瀧敬之介Honda GTプロジェクトリーダー。フレームの高剛性、インパクトあるリアウィングステイ、フロントウィンドウのV字パイプ、そしてエキゾーストサウンド……お披露目の場で、ニューマシンへのこだわりを熱く語った。
マシンの前に立つのは、瀧敬之介Honda GTプロジェクトリーダー。フレームの高剛性、インパクトあるリアウィングステイ、フロントウィンドウのV字パイプ、そしてエキゾーストサウンド……お披露目の場で、ニューマシンへのこだわりを熱く語った。
エンジンは、昨シーズンのフォーミュラニッポンのマシンに搭載された「HR09E」ユニットを熟成。水冷V8エンジンは「ホンダミュージック」といえる甲高いエグゾーストサウンドを奏でる。
エンジンは、昨シーズンのフォーミュラニッポンのマシンに搭載された「HR09E」ユニットを熟成。水冷V8エンジンは「ホンダミュージック」といえる甲高いエグゾーストサウンドを奏でる。

■音にもこだわるニューマシン

2010年1月18日、三重県の鈴鹿サーキットにおいて、ホンダが今シーズンのSUPER GTシリーズに参戦する新たなマシンを披露した。
その名は、「HSV-010 GT」。HSVはHonda Sports Velocity(ホンダ・スポーツ・ベロシティ)の略。「速さ/速度」を意味する言葉「ベロシティ」にあやかり、モータースポーツの原点である速さを追求して開発したという。

乳白色のヴェールのなかから現れたHSV-010 GTの姿は、まだカラーリングされていないカーボンボディむき出しだったが、そのエクステリアデザインやボンネット中央の真っ赤な「ホンダレーシング」ロゴからは凄みが感じられた。

実際のボディサイズは、全長4675mm、全幅2000mと、昨年までの武器だった「NSX」より65mm長くなり、ホイールベースに至っては170mmも延長された(高さは非公表)。エンジンは、3.4リッターNAのV8ユニットへと変更。昨シーズン、フォーミュラ・ニッポンのマシンに搭載された「HR09E」ユニットを熟成させたその心臓は、「HR10EG」と呼ばれる。最高出力は500ps(370kW)以上で、最大トルクは40.0kgm(392Nm)以上。駆動方式も、これまでのMRからFRへとスイッチ。今季の規格にのっとった形式となった。

なお、会見では、サウンドへのこだわりについても触れられた。
V6エンジンだったNSXよりもいい音を目指し、官能的な音を求めたという。瀧敬之介Honda GTプロジェクトリーダーによれば、「他の排気系のほうがパワーは出たんですが、音が悪かったので却下した。(F1などで)ホンダミュージックと評価されるような、甲高い音を表現したかった」とのこと。

新たに採用されたフロントウィンドウのV字パイプ。十分な視界確保は検証済み。
新たに採用されたフロントウィンドウのV字パイプ。十分な視界確保は検証済み。
No.18 童夢レーシング(小暮卓史/ロイック・デュバル組)。「これまでホンダがNSXで築いてきた功績を、今度はこのクルマで作っていきたい。僕にはそのチャンスがある」とデュバル選手(写真左)。成田空港から会見が行われた鈴鹿まで直行したそうだ。
No.18 童夢レーシング(小暮卓史/ロイック・デュバル組)。「これまでホンダがNSXで築いてきた功績を、今度はこのクルマで作っていきたい。僕にはそのチャンスがある」とデュバル選手(写真左)。成田空港から会見が行われた鈴鹿まで直行したそうだ。
No.32 ナカジマレーシング(道上龍/中山友貴組)。チームにとって、なんと今シーズンは「初の日本人コンビ」となるのだとか。「今年は無線の聞き違いなどはないでしょう」と笑いながらも、「新しいクルマでサプライズを起こしたい」と中嶋監督(写真右)は力強く宣言。道上選手(写真中央)も、「まずは開幕でポールポジションを獲って、インパクトを与えたいですね」と張り切る。
No.32 ナカジマレーシング(道上龍/中山友貴組)。チームにとって、なんと今シーズンは「初の日本人コンビ」となるのだとか。「今年は無線の聞き違いなどはないでしょう」と笑いながらも、「新しいクルマでサプライズを起こしたい」と中嶋監督(写真右)は力強く宣言。道上選手(写真中央)も、「まずは開幕でポールポジションを獲って、インパクトを与えたいですね」と張り切る。

■5台の「HSV-010 GT」で必勝期す

車両の機能部品の基本構造や製法は2009年モデルのNSXを踏襲しているという。メインフレームは「高剛性」と「素直な特性」のバランスにこだわり、クルマとしてのセッティング幅が広げられたそう。また新たに、フロントウィンドウにはV字型のパイプが据え付けられた。目の前に大きく広がる「V字」はかなりのインパクトだが、実車の走行テストを経て採用を決定されたものであり、ドライバーのひとり、道上龍選手も「乗るとぜんぜん気になりません。コーナリングのときも大丈夫ですよ」と視界に関しては問題ないようだ。

レイアウトを含め、開発期間はおよそ2年。ホンダファンにとっては待ちに待った新車到来、ということになるだろう。

なお、会見時にはHSV-010 GTを走らせるチームおよびドライバーのラインナップも併せて紹介された。今シーズンも昨シーズン同様、5チームがニューマシンで戦う。

・No.8 ARTA(ラルフ・ファーマン/井出有治組)
・No.17 リアルレーシング(金石年弘/塚越広大組)
・No.18 童夢レーシング(小暮卓史/ロイック・デュバル組)
・No.32 ナカジマレーシング(道上龍/中山友貴組)
・No.100 チームクニミツ(伊沢拓也/山本尚貴組)

17号車以外、ドライバーの一部がシャッフル。目玉はデュバル選手の童夢への移籍だ。「去年、フォーミュラ・ニッポンでチャンピオンを獲った僕としては新たなチャレンジが欲しかった。それがGTタイトル獲得なんだ。今年はそれができると思ってるよ」と自信のほうもたっぷり。一方、デュバル選手と入れ替わるようにナカジマレーシングに加入したのが、道上選手。これまで無限や童夢でNSXの開発を手がけてきたベテランは、新たにダンロップタイヤの開発を請け負う形となる。
100号車の山本選手は昨年の全日本F3ナショナルクラスチャンピオンにして唯一のルーキーだ。「参戦の話がきたときはうれしくて本当に笑いが止まらなかった。小さいときから憧れのクルマだったNSXが去年で最後になったのはとても寂しかったが、新しいクルマに乗れることに感謝し、早く結果で返したいと思う」と意気込みを語った。

これまでSUPER GTの歴史とともに歩んできたNSXからHSV-010 GTへ。“究極のコーナリングマシン”を目指したというこのクルマで新たな歴史を作るのは、果たしてどのチーム、ドライバーだろうか。

(文と写真=島村元子)

No.100 チームクニミツ(伊沢拓也/山本尚貴組)。「FRのクルマ、楽しそうだね。僕も20歳若ければ乗ってみたいです」と笑いをとった高橋監督(写真右)。山本選手(写真左)は、ホンダ勢唯一のルーキー。SUPER GTそのものがデビューの年なる。
No.100 チームクニミツ(伊沢拓也/山本尚貴組)。「FRのクルマ、楽しそうだね。僕も20歳若ければ乗ってみたいです」と笑いをとった高橋監督(写真右)。山本選手(写真左)は、ホンダ勢唯一のルーキー。SUPER GTそのものがデビューの年なる。
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