【スペック】全長×全幅×全高=4415×1795×1465mm/ホイールベース=2625mm/車重=1470kg/駆動方式=4WD/2リッター水平対向4DOHC16バルブターボ・インタークーラー付き(320ps/6400rpm、44.0kgm/4000rpm)/価格=473万5500円(テスト車=494万5500円/RECARO製バケットタイプフロントシート=21万円)

スバル・インプレッサR205(4WD/6MT)【試乗速報】

未完の大器 2010.01.18 試乗記 スバル・インプレッサR205(4WD/6MT)
……494万5500円

スバルのモータースポーツ部門STIが仕立て直した特別なインプレッサ、「R205」。400台限りのコンプリートカーの走りを、クローズドコースで試した。

400人の“わかるひと”に

素人に対して玄人と言う言葉がある。プロフェッショナルという言葉に近いが、専門職とは少し違う。いわゆるマニアとかオタクとはまったく違う。「R205」とはそんな玄人をターゲットにしたクルマだ。

例えばハンドルを左右にちょっと切ってみる。クルマは微妙に向きを変える。これで普通に動くと思えば素人で、中間に不感帯やガタがあることがわかれば玄人。専門職の人はそれをわかったうえで、操作に手心を加えればいい。
メーカー担当者は、それが剛性に起因するものなのか、精度に関係しているものなのかを分析して対策する。製造誤差範囲内と判断すれば普通のクルマはラインをパスする。この辺の基準をおおらかにするとコストは安くなる。さらに、大雑把に造られたものの、公差範囲を詰めたものが欲しいユーザーのために、スバルテクニカインターナショナル(STI)のような会社が存在する。そのなかでも、「インプレッサR205」は400台の限定という、特別なチューンを受け、磨かれたモデルだ。

富士重工の伝統を造りあげた人物の一人に小関典幸という人がいた(亡くなられたそうでご冥福をお祈りします)。その「親分」の意思をついだのが辰己英治で、いまやSTIの顔でもあるが、この人、親分より現象を見極める分析力がある。標準車より100万円も高いとは言っても、出来ることには限りがある。それを有効に使うべく辰己氏はいくつか手を打った。「エクシーガ tuned by STI」でやった、リアサスのメンバーに追加したピロボール支持に加えて、今度のR205では、フロントに「フレキシブルドロースティフナー」なるものを加えた。

これは何かというと、冒頭に記したいわゆるヒステリシスを詰めるための手法だ。ヒステリシスとは力の方向が変わる時に生じる中間の不感帯のようなもので、剛性とはそのヒステリシスを除いた部分の力に対する変形度合いを言う。
近年の衝突安全に対する基準は、ボディ剛性アップに大きく貢献した。だから、一昔前とは違って、剛性はベースモデルでも一応確保されている。それでもはっきり言って、欧州車と日本車の違いのうちで、一番大きいのがこのヒステリシスの部分なのだ。乗り心地にしても操縦安定性にしても、日本車はこのブカブカした余計な動きが大きく、ヨー、ロール、ピッチに関係するXYZ3軸全ての方向について言える。フレキシブルドロースティフナーはこのうちのヨー方向、即ち水平方向の動きに関して効果がある。フロントのメンバーをスプリングで引っ張り、この部分の不感帯をあらかじめ詰めて、剛性の立ち上がりをよくしておくというわけだ。

エンジンルーム内にあるサスペンションの付け根に、400台限定を示すシリアルナンバー入りのプレートが置かれる。
エンジンルーム内にあるサスペンションの付け根に、400台限定を示すシリアルナンバー入りのプレートが置かれる。
運転席まわりの様子。ステアリングホイール中央には、STIのロゴが。
運転席まわりの様子。ステアリングホイール中央には、STIのロゴが。
「R205」に標準で備わる「フレキシブルドロースティフナー」。ハンドリングをドライバーの理想に近づけるための、専用パーツのひとつだ。(写真=富士重工業)
「R205」に標準で備わる「フレキシブルドロースティフナー」。ハンドリングをドライバーの理想に近づけるための、専用パーツのひとつだ。(写真=富士重工業)

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