メルセデスがブラウンを買収、「メルセデス・グランプリ」誕生へ【F1 09】

2009.11.17 自動車ニュース
メルセデスがブラウンを買収、「メルセデス・グランプリ」誕生へ【F1 09】

【F1 09】メルセデスがブラウンを買収、「メルセデス・グランプリ」誕生へ

2009年11月16日、ダイムラーAGは、メルセデス・ベンツが今年のF1チャンピオンチームであるブラウンGPを買収し、2010年に「メルセデス・グランプリ」として参戦することになると発表した。

■復活のシルバーアロー

自動車メーカーの撤退がいわばトレンドともなっている昨今のF1界にあって、ドイツの巨人が下した決断は大胆なものだった。メルセデス(正確にはダイムラーと投資会社アーバー)は、ブラウンの株式75.1%を取得し、来年、自らの名を冠したファクトリーチームとして参戦する。F1黎明期の伝説的ドライバーでありチャンピオンであるファン・マニュエル・ファンジオがタイトルを獲得した1955年以来となる、往年の“シルバーアロー”復活だ。

チーム代表は引き続きロス・ブラウンが務め、拠点も変わらず、イギリスのブラックリーに置く。またエンジン部門のメルセデス・ベンツ・ハイパフォーマンスエンジン同様、メルセデス・ベンツ・モータースポーツのノルベルト・ハウグもマネージメントに参画し、さらなるパワーアップをはかる。

ドライバーラインナップは未定のまま。2009年にブラウンをドライブしたルーベンス・バリケロはウィリアムズへの移籍が決定しており、新チャンピオンのジェンソン・バトンの去就に注目が集まる。いっぽうでドイツ系のニコ・ロズベルグ(2009年はウィリアムズに所属)、ニック・ハイドフェルド(同BMWザウバー)の名前もあがっている。

■マクラーレンとの関係は(当面)継続

今回のブラウン買収と同時に、マクラーレンへのエンジン供給を2015年まで継続することも明らかにされた。
メルセデスは、1995年以来、エンジンサプライヤーとして、またチームの大株主としてマクラーレンと太いパイプを築いてきた。これまでの256戦でともに勝ち取ったタイトルは、ドライバーズ3回(1998-99年ミカ・ハッキネン、2008年ルイス・ハミルトン)、コンストラクターズ1回(1998年)、 勝利数は60を数える。

近年そのパートナーシップ終焉が噂され、契約が切れる2011年にも終わりを迎えるのではとみられていたが、当面は関係継続となる。しかし、メルセデスが保有するマクラーレン株40%は、2011年までにマクラーレン自身により買い戻される予定で、密なる関係はもう終わったといっていいだろう。

今年初頭まで長きにわたりマクラーレンF1チームを率いてきたロン・デニスの次なる野望は、マクラーレンを自動車メーカーとして育てること。1992年にデビューしたロードゴーイングスポーツカー「マクラーレンF1」に次ぐ「MP4-12C」のローンチは、奇しくも2011年に予定されている。大メーカーであるメルセデスとの付き合い方が変わってもおかしくない状況にあることは確かかもしれない。

■ホンダからブラウン、そしてメルセデスへ

2008年末に突如断行されたホンダ撤退を受け、何とか組織を存続させるため作られたチームがブラウンGPだった。急ごしらえでメルセデスエンジンを組み合わせ、ほとんどぶっつけ本番でデビューした「BGP 001」は、すばらしいマシンパフォーマンスとバトンの目覚ましい活躍で、初年度ダブルタイトルという偉業を成し遂げた。

その奇跡のチームが、1年も経たずして世界最古参メーカーの手に渡り、歴史あるシルバーアロー復活の礎となる。世のなか、一寸先はわからないということだ。

(文=bg)

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。